
銃にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる用途や特徴があります。
本記事では、ハンドガン・ライフル・ショットガンを中心に、実銃のカテゴリーや用途を解説します。
ハンドガン(拳銃)
ハンドガンとは?

ハンドガン(拳銃)とは、「片手で使えるように設計された銃器」です。ライフルやショットガンのようにストックを備えた銃に比べると、有効射程が短く、命中の難易度が高い特徴があります。
初期のハンドガンはシングルショット(一発ごとに手動で装填が必要な銃)が主流でしたが、現在ではリボルバーやセミオートマチックピストルが広く普及しています。
かつてハンドガンは大量生産が難しく高価だったため、所有は身分の象徴とされることもありました。しかし、現在では低価格帯から高価格帯まで、さまざまなハンドガンが流通しています。
ハンドガンの定義
ハンドガンの定義は国や辞書によって異なりますが、一般的には「片手で保持し発射できる銃」とされます。
- ブリタニカ百科事典:「片手で保持し発射できるほど小型の銃器」
- ウェブスター辞典:「リボルバーやピストルのように片手で保持・発射するために設計された銃器」
米国・英国:法的な定義は存在しませんが、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)は「ピストル型の武器」として「ハンドガン–ピストル」と「ハンドガン–リボルバー」を区別しています。
カナダ:刑法では「片手で狙い発射するよう設計、改造、または意図された銃」と定義しています。
オーストラリア:各州の法律により、以下のいずれかを満たすものをハンドガンと定義しています。
- 携帯・隠匿が容易
- 片手で構えて発射できる
- 全長65cm以下(銃身と平行に測定)
日本:ハンドガン(拳銃)は鉄砲の一種として「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)で定義されています。同法第2条では、「銃砲」を以下のように定義しています:
「この法律において『銃砲』とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるもの)をいう」
ピストル

ピストルとは、ハンドガンの一種です。
「ピストル」という言葉は、1550年頃の「小型の銃やナイフ」を意味するフランス語(pistolet)に由来し、1570年頃に英語に取り入れられて広まりました。
ピストルの起源は16世紀にさかのぼり、ヨーロッパで初期のハンドガンが製造されました。「pistolet」という言葉は1550年頃のフランス語に由来し、その語源には諸説あります。一つは、1420年代のフス戦争で使用された初期のハンドカノンを指すチェコ語「píšťala」(笛や管の意)に由来する説、もう一つは、16世紀のイタリア・ピストイア(Pistoia)で馬上用の小型銃が作られたことに由来する説です。ただし、イタリアで「ピストル」を銃の名称として使用した最初の記録は1605年であり、フランスやドイツでの使用より遅かったとされています。
拳銃とピストルの違い
「拳銃」と「ピストル」は、どちらも片手で扱える小型銃器です。
一般的に「拳銃」「ハンドガン」「ピストル」はどれも同じもので、呼び方が異なるだけです。
「ピストル」という呼び名は16世紀から存在し、セミオートマチック・ピストルが1891年に発明される以前から存在しました。
アメリカ西部開拓時代に活躍した人々も、リボルバーを「ピストル」と呼んでいた記録があります。
しかし、現代では「ピストル」は「銃身内に薬室がある小型銃器」を指す場合があり、この場合は「リボルバーを除く小型銃器」を意味します。
薬室とは「弾薬が装填されて発射される場所」で、シングルショットピストル(単発式銃)やオートマチックピストル(自動拳銃)では、銃身の後方にあります。
リボルバーでは、回転式弾倉(シリンダー)のなかに装弾数と同数の薬室があります。
ピストルとリボルバーの違い
ピストルはリボルバーを含む小型銃器を指します。
リボルバーは小型銃器のなかで回転式弾倉(シリンダー)が備わっている銃を指します。
セミオートマチック・ピストル

セミオートマチック・ピストル(自動拳銃)は、自動的に空薬莢の排出や次弾装填を行うピストルです。
この機構を持つピストルは「オートマチック・ピストル」「セミオートマチック・ピストル」「セルフローディング・ピストル」などと呼ばれます。
トリガーを1回引くと、1発だけ発射されます。
弾薬が収まった弾倉を取り換え可能な着脱式弾倉(デタッチャブル・マガジン)が備わったモデルや、銃内部の弾倉に直接装填する必用がある固定式弾倉(フィクスド・マガジン)が備わったモデルがあり、仕組みは各モデルによって異なります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | マガジン装填式で自動装填機構を持つ拳銃 |
主な用途・使用シーン | 警察、軍、護身、競技射撃 |
代表的モデル例 | Glock 17、SIG P320、Beretta 92FS |
使用弾薬 | 9mm Parabellum、.40 S&W |
有効射程 | 約25~50ヤード(22~46メートル) |
射撃方式・作動機構 | ショートリコイル作動、ガス圧作動など |
歴史・発展経緯 | 1890年代後半に登場、軍警察用として普及 |
取り扱い難易度 | リボルバーより整備・訓練が必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:所持不可、米国:州により規制 |
メリット | 装弾数が多く速射性に優れる |
デメリット | 機構が複雑で作動不良リスクあり |
関連カテゴリーとの比較 | リボルバーより装弾数多いが信頼性で劣る |
マシンピストル

マシンピストル(機関拳銃)は、フルオート(連射)が可能なピストルです。
しかし、欧州でマシンピストルは「サブマシンガン」も含みます。
マシンピストルには、ストックが付属するモデルとストックが付属しないモデルの両方が存在します。
第一次世界大戦中にオーストリアが世界初のマシンピストルとしてSteyr Repetierpistole M1912/P16を開発し、ドイツは実用的なサブマシンガン開発へと移行しました。
第二次世界大戦後は高性能で扱いやすいサブマシンガンが主流となり、性能に劣るマシンピストルは徐々に廃れています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | フルオート射撃可能なピストル型火器 |
主な用途・使用シーン | 軍特殊部隊、警察特殊部隊 |
代表的モデル例 | Glock 18、Beretta 93R |
使用弾薬 | 9mm Parabellum |
有効射程 | 約25メートル |
射撃方式・作動機構 | セレクティブファイア(セミ・フル切替) |
歴史・発展経緯 | 1930年代に登場、特殊用途向け |
取り扱い難易度 | 反動制御が難しく熟練が必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:所持不可、米国:厳格規制 |
メリット | 小型で連射可能、制圧力高い |
デメリット | 命中精度低下、用途限定 |
関連カテゴリーとの比較 | サブマシンガンより携行性高いが安定性で劣る |
シングルショット・ピストル

シングルショット・ピストル(単発式拳銃)は、1発だけ弾を装填可能なピストルです。
マガジン(弾倉)が無く、発射後に毎回手動で装填する必用があります。
歴史的には14世紀に中国で誕生、18世紀前半までは銃口から弾薬を込める前装式が利用されました。
シングルショット・ピストルは、現代でも狩猟や競技で使われています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 一発装填式の単発拳銃 |
主な用途・使用シーン | 狩猟、競技射撃 |
代表的モデル例 | Thompson Center Contender |
使用弾薬 | .22LRからライフル弾まで多様 |
有効射程 | 使用弾薬により異なる(50~200メートル) |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクションなど |
歴史・発展経緯 | 狩猟用として発展 |
取り扱い難易度 | 操作は簡単だが再装填遅い |
法規制・入手難易度 | 日本:競技用に限り許可、米国:容易 |
メリット | 構造簡易で信頼性高い |
デメリット | 装弾数が1発のみ |
関連カテゴリーとの比較 | リボルバーやピストルより装弾数で劣るが命中精度高い場合がある |
リボルバー

リボルバー(回転式拳銃)は、回転するシリンダー内に弾を込める構造のハンドガンです。
シリンダー(回転弾倉)に5~6発の弾薬を装填可能なモデルが多いですが、8発装填可能なモデルも増えています。
ハンマー操作、またはトリガー操作によってシリンダーが回転し、シングルショットの銃よりも素早く次弾を発射可能です。
自動装填式リボルバーも存在したものの普及せず、自動装填式ハンドガンではセミオートマチックピストルが主流になっています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 回転式シリンダーに弾を込める拳銃 |
主な用途・使用シーン | 警察(過去)、護身、狩猟補助 |
代表的モデル例 | S&W Model 686、Colt Python |
使用弾薬 | .38 Special、.357 Magnum |
有効射程 | 約25~50ヤード(22~46メートル) |
射撃方式・作動機構 | ダブルアクション、シングルアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀中盤から普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、整備容易 |
法規制・入手難易度 | 日本:ほぼ所持不可、米国:容易 |
メリット | 構造が単純で高信頼性 |
デメリット | 装弾数少なく再装填遅い |
関連カテゴリーとの比較 | セミオートより信頼性高いが装弾数少ない |
オートマチック・リボルバー

オートマチック・リボルバー(自動回転式拳銃)は、発射時に自動でシリンダーを回転させて連続発射を可能にしたリボルバーです。
有名なものに「ユニオン・オートマチック・リボルバー」「マテバ6ウニカ」「ウェブリーフォスベリー」などがあります。
一般的なダブルアクション・リボルバーと比較すると、「信頼性が低い」「複雑な構造」「パーツ点数が多い」「サイズが大きい」などデメリットが多いため、現在ではレアな存在となっています。
サイズに関しては、大きなピストルが多かった時代にはオートマチック・リボルバーに人気がありましたが、他のピストルやリボルバーが小型化されたり性能が向上したことでオートマチック・リボルバーの人気が低迷するようになりました。
トリガーを1回引くと1発だけ発射されます。
また、同じ用語で紛らわしいのですが、自動的に薬莢を排出するリボルバーも「オートマチック・リボルバー」と呼ばれていた歴史があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 発射時の反動でシリンダー回転等を自動化するリボルバー |
主な用途・使用シーン | 特殊用途、収集家向け |
代表的モデル例 | Webley-Fosbery Automatic Revolver |
使用弾薬 | .455 Webleyなど |
有効射程 | リボルバーと同等 |
射撃方式・作動機構 | リコイル作動シリンダー自動回転 |
歴史・発展経緯 | 20世紀初頭に開発されたが普及せず |
取り扱い難易度 | 一般リボルバーと同等 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:希少 |
メリット | トリガープル軽減など |
デメリット | 機構複雑、重量増 |
関連カテゴリーとの比較 | 通常リボルバーより複雑で普及率低い |
ロングガン(長銃)とは?

日本では一般的ではありませんが、英語圏では、ライフルやショットガンなど、ストック(銃床)が備わっている全長が長い銃は「ロングガン(長銃)」と呼ばれます。
両手で保持し、ストックを肩に当てて撃つことから「ショルダー・ファイヤード・ガン(Shoulder fired guns)」とも呼ばれます。
ライフル

ライフルは、ストック(銃床)が備わった中~長距離射撃が可能な銃です。
ライフルには装薬量の多い「ライフル弾」が使用され、大量の発射ガスを生み出すことで弾を加速させます。
ハンドガンとは異なり、「両手」「肩」「頬」の4点で保持されるため銃が安定し、精密射撃が可能。
歴史的に「ライフル」の名称はバレル(銃身)にライフリング(旋条)が備わった銃を由来としますが、ライフリングのない全長が長い銃をライフルと呼ぶこともあります。
また、一般的に「小銃」は軍用ライフルを指します。
手動、または自動で連続発射可能なライフルは、「リピーティングライフル」と呼ばれます。
ライフルの種類と作動方式
弾倉(マガジン)が備わっており、手動、または自動で次々と連続発射可能なライフルは、リピーティング・ライフル(連発式ライフル)と呼ばれます。
手動式ライフル

手動式ライフルは、手動操作で装填や排莢を行うライフルです。
シングルショット・ライフル

シングルショット・ライフル(単発式ライフル)は、発射ごとに手動で装填と排莢が必要なライフルです。
弾倉(マガジン)が備わっていないため、連続して射撃するには再装填に時間がかかります。
歴史的にはレバーアクションライフルと共存する時代が続きましたが、信頼性の高いボルトアクションライフルが登場すると市場のシェアが減少しました。

マズルローディング・ライフル(前装式ライフル)は、銃口から火薬と弾を装填するライフルです。
このタイプの銃器は「マズルローダー」とも呼ばれます。
歴史上、銃が登場した13世紀から利用されている方式で、19世紀にブリーチローディングが発明されるまで長く活躍しました。
マッチロック式、サイドロック式、フリントロック式、パーカッション式など、様々な撃発方式が利用されます。
日本で有名な種子島銃は、シングルショットのマズルローダーで、マッチロック式(火縄式)です。
項目 | 内容 |
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定義 | 一発装填の単発ライフル |
主な用途・使用シーン | 狩猟、射撃競技、古式銃 |
代表的モデル例 | Ruger No.1 |
使用弾薬 | .22LR~大口径ライフル弾 |
有効射程 | 使用弾薬による(50~800メートル) |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション、フォーリングブロック |
歴史・発展経緯 | 19世紀から普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、再装填遅い |
法規制・入手難易度 | 日本:猟銃資格で許可可、米国:容易 |
メリット | 構造簡易、高信頼性 |
デメリット | 装弾数1発のみ |
関連カテゴリーとの比較 | ボルトアクションより速射性劣るが構造単純 |
リボルビング・ライフル

リボルビングライフル(回転式ライフル)はライフル版リボルバーです。
代表的なモデルにコルト ニューモデル リボルビングライフルがあり、1855~1864年にコルト社が生産した初期の連発式ライフルです。
ポニー・エクスプレス(郵便速達サービス)や南北戦争で使用されたものの不評が多く、生産中止になった歴史があります。
発射時に火薬が隣の薬室内に引火する「チェーンファイア」が起こりやすく、弾の破片が射手の手首や手に当たることもありました。
金属カートリッジを使用する現代のリボルビングライフルは安全性が高いですが、シリンダーギャップから噴出する発射ガスが顔に近いため、射手が不快に感じるなどの問題があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 回転式シリンダーを持つライフル |
主な用途・使用シーン | 歴史的、収集家向け |
代表的モデル例 | Colt Model 1855 |
使用弾薬 | .44キャップ&ボールなど |
有効射程 | 約100メートル |
射撃方式・作動機構 | 回転シリンダー装填 |
歴史・発展経緯 | 19世紀中盤に開発され短期間使用 |
取り扱い難易度 | 前装式は装填手間が大きい |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:骨董扱い |
メリット | 連射可能(当時基準) |
デメリット | ガス漏れ危険、重量大 |
関連カテゴリーとの比較 | レバーアクションに取って代わられた |
レバーアクション・ライフル

レバーアクションライフルは、手動でレバーを上下に動かすことで装填と排莢を行うライフルです。
レバーアクション機構を持つ銃はライフルがほとんどですが、一部のショットガンやピストルにも利用されています。
ウィンチェスター社、ヘンリー社、マーリン社などのレバーアクションライフルに人気があり、スポーツ射撃や狩猟に利用されています。
銃の上から排莢されるタイプと、銃の横から排莢されるタイプがありますが、上から排莢されるタイプはスコープを搭載できないため、狩猟用では横から排莢されるタイプに人気があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | レバー操作で装填排莢するライフル |
主な用途・使用シーン | 狩猟、牧場防衛 |
代表的モデル例 | Winchester Model 94 |
使用弾薬 | .30-30 Winchesterなど |
有効射程 | 200~300メートル |
射撃方式・作動機構 | レバーアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀後半アメリカで普及 |
取り扱い難易度 | 操作直感的、整備容易 |
法規制・入手難易度 | 日本:猟銃許可で可、米国:容易 |
メリット | 速射性高く信頼性も高い |
デメリット | 高威力弾薬に不向き |
関連カテゴリーとの比較 | ボルトアクションより速射性上、精度下 |
ポンプアクション・ライフル

ポンプアクションとは、前方に伸びたハンドガードを前後にスライドさせて装填や排莢を行う機構です。
ポンプアクションは、主にライフルやショットガンに利用されています。
レバーアクションとは異なり、トリガーから手を離さずに操作できるため、高い命中率を得られます。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | フォアエンドを前後させ装填排莢するライフル |
主な用途・使用シーン | 狩猟、小動物駆除 |
代表的モデル例 | Remington Model 7600 |
使用弾薬 | .223 Remingtonなど |
有効射程 | 200~300メートル |
射撃方式・作動機構 | ポンプアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀末から登場 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、訓練で速射可能 |
法規制・入手難易度 | 日本:猟銃許可で可、米国:容易 |
メリット | ボルトより速射性高い |
デメリット | 精密射撃には不向き |
関連カテゴリーとの比較 | レバーアクションと似るが操作性異なる |
ボルトアクション・ライフル

ボルトアクションは、ボルトハンドルを手動で操作して装填や排莢を行う機構です。
ボルトアクションの多くはライフルですが、一部のショットガンやピストルにも使用されます。
軍用として広く使用された歴史があり、「強力な弾薬を発射可能な頑丈さ」「高い命中精度」「高い作動の信頼性」が特徴です。
現代の軍や警察ではスナイパーライフル(狙撃銃)として使用され、民間ではスポーツ射撃や狩猟で人気があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | ボルトを手動で操作するライフル |
主な用途・使用シーン | 狩猟、狙撃、精密射撃 |
代表的モデル例 | Remington 700、Mauser 98 |
使用弾薬 | .308 Winchesterなど |
有効射程 | 500~1000メートル以上 |
射撃方式・作動機構 | ボルトアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀末から軍用標準 |
取り扱い難易度 | 操作に訓練必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:猟銃許可で可、米国:容易 |
メリット | 強力弾薬対応、高命中精度 |
デメリット | 連射速度は低い |
関連カテゴリーとの比較 | セミオートより精度高いが速射性劣る |
ダブルバレル・ライフル

ダブルバレルライフルは、銃身(バレル)が2本並んでいるライフルです。
銃身が縦に2本並んでいるタイプは、「オーバーアンダー(over under/上下二連)」や「オーバー・アンド・アンダー(over and under)」と呼ばれます。
通常、トリガーを引くと下の銃身から発射され、もう一度引くと上の銃身から発射されますが、モデルによっては発射の順番を切替可能です。
また、トリガーが2本備わっているモデルでは、それぞれのトリガーが独立して各銃身から発射されます。

一方、銃身が横に2本並んでいるタイプは、「サイド・バイ・サイド(side by side/水平二連)」と呼ばれます。
手動で銃を折ることで装填と排莢が可能になります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 2連銃身を持つライフル |
主な用途・使用シーン | 大型獣狩猟(特にアフリカ) |
代表的モデル例 | Merkel Double Rifle |
使用弾薬 | .375 H&H Magnumなど |
有効射程 | 約100~200メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀からエキスプレスライフルとして発展 |
取り扱い難易度 | 操作簡易だが高額 |
法規制・入手難易度 | 日本:特定用途で可、米国:高価格で限定 |
メリット | 迅速に2発撃てる、高威力 |
デメリット | 重量大、価格高 |
関連カテゴリーとの比較 | シングルショットより追撃性高いが装弾数少ない |
コンビネーションガン

複数の銃身を持つライフルやショットガンのなかで、各銃身から異なる種類の弾を発射可能なタイプは、「コンビネーションガン」と呼ばれます。
コンビネーションガンには、ショットガン用のショットシェルとライフル弾を発射可能なモデルがあり、獲物の種類や距離に合わせて発射する弾を選択することが可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | ライフルとショットガン銃身を組み合わせた銃 |
主な用途・使用シーン | 多用途狩猟 |
代表的モデル例 | Savage Model 24 |
使用弾薬 | ライフル弾と散弾 |
有効射程 | 弾薬に依存(50~200メートル) |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション |
歴史・発展経緯 | 20世紀初頭から多用途銃として普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、重量やや大きい |
法規制・入手難易度 | 日本:用途限定で可、米国:容易 |
メリット | 1丁で多用途対応 |
デメリット | 銃身切替が必要 |
関連カテゴリーとの比較 | 単機能銃より汎用性高いが専用銃より性能劣る |
オートローディング・ライフル

オートローディング・ライフル(自動式ライフル)とは、火薬の力を利用して自動的に装填と排莢を行うライフルです。
セミオート・ライフル
セミオート・ライフルは、トリガーを1回引くと1発だけ発射される自動式ライフルです。
発射後は自動的に薬莢が排莢され、バネの反発力を利用して自動的に次弾を薬室に装填します。
トリガー操作のみで次々と発射可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 射撃ごとに自動装填するライフル |
主な用途・使用シーン | 狩猟、競技射撃、軍用 |
代表的モデル例 | Ruger Mini-14、AR-15 |
使用弾薬 | .223 Remingtonなど |
有効射程 | 300~500メートル |
射撃方式・作動機構 | ガス圧作動、リコイル作動 |
歴史・発展経緯 | 20世紀前半に普及 |
取り扱い難易度 | 整備知識必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:ほぼ不可、米国:州による規制 |
メリット | 速射性高く多用途 |
デメリット | 精度でボルトに劣る場合 |
関連カテゴリーとの比較 | ボルトより速射性高いが命中精度で劣ることも |
オートマチック・ライフル

オートマチック・ライフルは、トリガー引いている間、連続して発射可能(フルオート射撃が可能)な自動式ライフルです。
しかし、ライフルは過熱に弱いため連続射撃が苦手。
連続射撃が必要な場合は、連続射撃を前提に設計されたマシンガン(機関銃)が利用されます。
オートマチック・ライフルには、「アサルトライフル」や「バトルライフル」があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | フルオート射撃可能なライフル |
主な用途・使用シーン | 軍用 |
代表的モデル例 | Browning Automatic Rifle(BAR) |
使用弾薬 | .30-06 Springfieldなど |
有効射程 | 500メートル以上 |
射撃方式・作動機構 | ガス圧作動、オープンボルト |
歴史・発展経緯 | 第一次世界大戦で登場 |
取り扱い難易度 | 重量大、反動強い |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 強力な火力支援能力 |
デメリット | 重く携行性に劣る |
関連カテゴリーとの比較 | アサルトライフルより重量火力重視 |
アサルトライフル

アサルトライフル(突撃銃)は、インターミディエートカートリッジ(中間弾薬)を使用する、セミオート(単発)とフルオート(連発)を切り替え可能な自動式ライフルです。
アサルトライフルには次の特徴があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 中間弾薬使用、セミ/フルオート切替可能な軍用ライフル |
主な用途・使用シーン | 現代軍主力 |
代表的モデル例 | AK-47、M16 |
使用弾薬 | 5.56×45mm NATOなど |
有効射程 | 300~500メートル |
射撃方式・作動機構 | ガス圧作動、ピストン式など |
歴史・発展経緯 | 第二次世界大戦後標準化 |
取り扱い難易度 | 軍訓練必須 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:セミオート仕様のみ可 |
メリット | 速射性と携行性の両立 |
デメリット | フルオート時制御困難 |
関連カテゴリーとの比較 | バトルライフルより軽量弾薬使用 |
バトルライフル

バトルライフルは、フルサイズカートリッジ(フルパワーカートリッジ)を使用する、セミオートとフルオートを切り替え可能な自動式ライフルです。
「バトルライフル」は、「フルサイズカートリッジ」と「インターミディエートカートリッジ」を分類する目的から90年代に作られた、比較的に新しい概念です。
バトルライフルは主に1940~1970年代に主力歩兵銃として使用されました。
M1ガーランド、SVT-40、Gew 41、Gew 43、四式自動小銃、FN FAL、MAS-49 などがあります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | フルサイズライフル弾を使用する軍用ライフル |
主な用途・使用シーン | 旧世代軍用小銃 |
代表的モデル例 | FN FAL、M14 |
使用弾薬 | 7.62×51mm NATO |
有効射程 | 600~800メートル |
射撃方式・作動機構 | セミオート/フルオート |
歴史・発展経緯 | 第二次世界大戦後からアサルトライフルへ移行 |
取り扱い難易度 | 反動強く制御難 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:セミオート仕様可 |
メリット | 長射程と高威力 |
デメリット | 反動大、重量重い |
関連カテゴリーとの比較 | アサルトライフルより射程威力上、携行性劣る |
ショットガン(散弾銃)

ショットガン(散弾銃)は、散弾 (多くの小さな鉛弾) やスラグ弾 (単一の塊弾) を発射する銃です。
滑腔銃身 (ライフリングがない銃身) のショットガンが一般的ですが、ライフリングが備わったライフルドバレル (スラグ弾用) を持つショットガンも存在します。

口径は様々で、12番 (18.53mm) ~20番 (15.63mm) が主流。
狩猟では鳥や小動物・中型獣を狙うのに適しており、軍事や法執行機関では、ドア破壊や暴徒鎮圧、近接戦闘などに使用されます。
射撃競技にも使用され、クレー射撃やトラップ射撃などがあります。
マニュアル・ショットガン
手動式のショットガンは、1発撃つごとに手動で排莢と装填を行う必要があります。
ポンプアクション・ショットガン

ポンプアクション・ショットガン(ポンプ式散弾銃)は、手動でフォアエンド/グリップを前後させて装填と排莢を行うショットガンです。
通常、弾薬(ショットシェル)は銃身下部のチューブマガジンに装填されます。
ウィンチェスターM1897、レミントンM870、モスバーグ 500/590などが有名。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | フォアエンドを前後させて装填排莢する散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 狩猟、法執行、ホームディフェンス |
代表的モデル例 | Remington 870、Mossberg 500 |
使用弾薬 | 12ゲージ、20ゲージなど |
有効射程 | 散弾:約35メートルスラッグ:約75~100メートル |
射撃方式・作動機構 | ポンプアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀末に登場し広く普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、訓練で速射可能 |
法規制・入手難易度 | 日本:所持可能(所持許可必要)、米国:容易 |
メリット | 構造堅牢、作動信頼性高い |
デメリット | セミオートより速射性で劣る |
関連カテゴリーとの比較 | セミオートより信頼性高いが速射性で劣る |
レバーアクション・ショットガン

レバーアクション・ショットガン(レバー式散弾銃)は、手動でレバーを上下させて装填と排莢を行うショットガンです。
19世紀の初期の連発式ショットガンは、「レバーアクション」や「ボルトアクション」が主流でした。
なかでもジョン・M・ブローニングが開発したウィンチェスターM1887は代表的なレバーアクションです。
20世紀になるとポンプアクション・ショットガンが主流になり、レバーアクションは衰退。
当時のショットシェルは紙製など脆弱な構造だったため、レバーアクション操作中に潰れ、ジャムが発生する問題がありました。
しかし現在では信頼性の高い製品が登場し、スポーツ射撃や狩猟で人気があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | レバー操作で装填排莢する散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 歴史的用途、競技、趣味 |
代表的モデル例 | Winchester Model 1887 |
使用弾薬 | 12ゲージなど |
有効射程 | 散弾:約35メートルスラッグ:約75メートル |
射撃方式・作動機構 | レバーアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀後半に登場 |
取り扱い難易度 | 操作直感的だが訓練必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:希少、米国:収集向けで容易 |
メリット | 操作速度が比較的速い |
デメリット | 重量や操作性でポンプアクションに劣る |
関連カテゴリーとの比較 | ポンプアクションより古典的で珍しい |
リボルビング・ショットガン

リボルリングショットガンはリボルバーと同じ構造で、シリンダー(回転式弾倉)を使用するショットガンです。
ショットガンのなかではレアな存在で、実用性よりも趣味性の高いカテゴリー。
先述したリボルビング・ライフルと同様の問題がありました。
以下のモデルが代表的です。
項目 | 内容 |
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定義 | 回転式シリンダーで装填する散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 特殊用途、法執行(一部国)、収集 |
代表的モデル例 | Armsel Striker(ストライカー)、Cobray Street Sweeper |
使用弾薬 | 12ゲージ |
有効射程 | 散弾:約35メートル |
射撃方式・作動機構 | リボルビングシリンダー |
歴史・発展経緯 | 1980年代に登場 |
取り扱い難易度 | 重量大、操作複雑 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 高装弾数 |
デメリット | 重量と操作性に難あり |
関連カテゴリーとの比較 | ポンプやセミオートより特殊かつ大型 |
マズルローディング・ショットガン

マズルローディング・ショットガン(前装式/先込め式散弾銃)は、銃口から火薬や弾丸を装填する構造のショットガンです。
主に14~19世紀に使用されていましたが、現在でもスポーツ射撃に使用されています。
項目 | 内容 |
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定義 | 銃口から装填する前装式散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 古式猟、歴史再現 |
代表的モデル例 | トラディショナルパーカッションショットガン |
使用弾薬 | 黒色火薬、ワッズ、散弾 |
有効射程 | 散弾:約20~30メートル |
射撃方式・作動機構 | マズルローディング |
歴史・発展経緯 | 18世紀から19世紀中盤まで使用 |
取り扱い難易度 | 装填に時間と手順を要する |
法規制・入手難易度 | 日本:登録必要、米国:州による |
メリット | 構造が単純 |
デメリット | 装填速度極めて遅い |
関連カテゴリーとの比較 | 現代散弾銃より圧倒的に非効率 |
ブレイクアクション・ショットガン

銃の中央で銃を折って弾薬の装填や排莢を行う機構を「ブレイクアクション(中折式)」と呼びます。
ブレイクアクションを利用するショットガンには、「オーバーアンダー・ショットガン」や「サイドバイサイド・ショットガン」などがあります。
オーバー・アンダー・ショットガン

バレル(銃身)が上下に2本並んでいるショットガンは、
オーバーアンダー・ショットガン(over under/上下二連散弾銃)
または、
オーバー・アンド・アンダー・ショットガン(over and under/上下二連散弾銃)と呼ばれます。
鳥撃ちやクレー射撃など、上下に移動する目標を狙うのに適しています。
項目 | 内容 |
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定義 | 銃身が上下に並ぶ二連散弾銃 |
主な用途・使用シーン | クレー射撃、競技、狩猟 |
代表的モデル例 | Browning Citori |
使用弾薬 | 12ゲージ、20ゲージなど |
有効射程 | 散弾:約35メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション |
歴史・発展経緯 | 20世紀以降競技用標準 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、メンテナンス容易 |
法規制・入手難易度 | 日本:許可可、米国:容易 |
メリット | 精度高く競技に最適 |
デメリット | 装弾数2発のみ |
関連カテゴリーとの比較 | サイドバイサイドより縦照準が取りやすい |
サイド・バイ・サイド・ショットガン

銃身が横に2本並んでいるショットガンは、「サイド・バイ・サイド・ショットガン(side by side shotgun/水平二連散弾銃)」と呼ばれます。
狩猟やホームディフェンスなど幅広く用いられます。
項目 | 内容 |
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定義 | 銃身が水平に並ぶ二連散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 狩猟、伝統競技 |
代表的モデル例 | Purdey SxS |
使用弾薬 | 12ゲージなど |
有効射程 | 散弾:約35メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション |
歴史・発展経緯 | 19世紀から20世紀初頭にかけ主流 |
取り扱い難易度 | 操作簡易だがオーバーアンダーより習熟必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:許可可、米国:容易 |
メリット | 伝統的デザイン、瞬間的2発発射可能 |
デメリット | 照準が左右にぶれる場合あり |
関連カテゴリーとの比較 | オーバーアンダーより伝統的だが競技向きではない |
オートマチック・ショットガン

オートマチック・ショットガン(自動式散弾銃)は、反動やガス圧を利用して自動的に装填と排莢を繰り返すショットガンです。
セミオート(単発)の他、自動で連射可能なフルオート・ショットガンも存在します。
軍用やハンティングで使用されることが多い機構です。
項目 | 内容 |
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定義 | 射撃ごとに自動装填する散弾銃 |
主な用途・使用シーン | 狩猟、競技、軍警察特殊部隊 |
代表的モデル例 | Benelli M4、Saiga-12 |
使用弾薬 | 12ゲージなど |
有効射程 | 散弾:約35メートルスラッグ:約75~100メートル |
射撃方式・作動機構 | ガス圧作動、インナーシャ作動 |
歴史・発展経緯 | 20世紀中盤から普及 |
取り扱い難易度 | 整備知識が必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:基本可(例外あり)、米国:州による規制 |
メリット | 高速連射可能 |
デメリット | 作動が弾種に依存しやすい |
関連カテゴリーとの比較 | ポンプより速射性高いが作動信頼性で劣る場合 |
アドオン・ショットガン

アドオン・ショットガンは、ライフルに装着して使用するショットガンです。
主に軍で使用され、ドアの破壊等に使用されます。
項目 | 内容 |
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定義 | アサルトライフルなどに装着可能なショットガンユニット |
主な用途・使用シーン | 軍警察でドアブリーチング |
代表的モデル例 | M26 MASS |
使用弾薬 | 12ゲージ |
有効射程 | 散弾:約20~35メートル |
射撃方式・作動機構 | ポンプアクション(多くの場合) |
歴史・発展経緯 | 21世紀初頭に普及 |
取り扱い難易度 | 重量バランスに習熟必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 小型軽量でライフルと統合運用可能 |
デメリット | 専用プラットフォーム必須 |
関連カテゴリーとの比較 | 単体ショットガンより装弾数少ない |
その他の銃器
マシンガン(機関銃)

マシンガン(機関銃)は、ライフル弾を使用し、トリガーを引き続ける間は連続して弾を発射(フルオート射撃)する銃です。
一般的にセミオート(単発)発射機能はありません。
主な用途は以下の通りです:
- 歩兵支援:高火力を発揮し、敵の陣地を制圧し、進軍する味方部隊を支援します。
- 領域拒否:横断的に掃射し、敵の移動を防ぎます。
- 車両搭載:攻撃車両や装甲車、航空機に搭載され、機動的に運用されます。
- 防御:占拠したエリアの前面、側面、後方を防衛し、重なり合う射撃範囲を確保します。
- 攻撃作戦:敵陣地を抑え、味方部隊の機動を支援します。
機関銃は、戦術に革命をもたらし、戦場での戦闘スタイルを大きく変えました。
ヘビーマシンガン

ヘビーマシンガン(HMG/重機関銃)は、強力なライフル弾を使用し、対人用はもちろん、車両や低空の航空機に対しても有効なマシンガンです。
1800年代後半に登場し、後に小型化されたライトマシンガンが登場しました。
へヴィー・マシンガンは専用マウントやトライポッド(三脚)に載せ、陣地に設置したり、車両や航空機などに搭載して大口径の弾を大量に連続して撃ち出すことが可能です。
有名なものに米国のブローニングM2やロシアのDShKなどがあります。
項目 | 内容 |
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定義 | 大口径の持続射撃可能な機関銃 |
主な用途・使用シーン | 車載、対空、対物火力支援 |
代表的モデル例 | M2 ブローニング .50 BMG |
使用弾薬 | .50 BMG (12.7×99mm NATO)など |
有効射程 | 約1,800メートル |
射撃方式・作動機構 | ベルト給弾、ショートリコイル作動など |
歴史・発展経緯 | 第一次大戦から現在まで継続運用 |
取り扱い難易度 | 重量大、複数名で運用 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 強力な火力と長射程 |
デメリット | 携行性皆無、設置が必要 |
関連カテゴリーとの比較 | ライトマシンガンより火力大、機動性低 |
ガトリングガン

ガトリングガン(多銃身回転式速射砲/多銃身回転式重機関銃)は、1861年、リチャード・ガトリングによって設計製造された多銃身空冷マシンガンです。
このカテゴリーの銃は、複数本のバレルの束が外部パワーソース(手動クランク/油圧/電動など)により回転し、短時間に大量の弾を発射可能です。
時代と共に改良され、現在では航空機に搭載されるM61バルカン砲(20mm口径)やM134ミニガン(7.62mm口径)で採用されています。
パワーソースを火薬の力に頼る従来のマシンガンとは異なり、不発が起きても強制的に作動を継続できるメリットがあります。
専用マウントやトライボッドに載せて運用されるため、映画のように手に持って撃つことは効率的ではありません。
項目 | 内容 |
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定義 | 多銃身回転式の機関銃 |
主な用途・使用シーン | 航空機、車載、対空 |
代表的モデル例 | M134 ミニガン |
使用弾薬 | 7.62×51mm NATOなど |
有効射程 | 約1,000メートル |
射撃方式・作動機構 | 電動モーター駆動回転銃身 |
歴史・発展経緯 | 19世紀に発明、20世紀後半に電動化 |
取り扱い難易度 | 専用プラットフォーム必須 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 毎分数千発の超高レート射撃 |
デメリット | 重量、弾薬消費量、複雑性 |
関連カテゴリーとの比較 | 他マシンガンより圧倒的な連射速度 |
ライトマシンガン

ライトマシンガン(LMG/軽機関銃)は1人で携帯し運用可能なマシンガンです。
ライフル弾が使用され、 多くは分隊支援火器として使用されます。
項目 | 内容 |
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定義 | 分隊支援用の軽量機関銃 |
主な用途・使用シーン | 歩兵分隊火力支援 |
代表的モデル例 | M249 SAW、RPK |
使用弾薬 | 5.56×45mm NATO、7.62×39mmなど |
有効射程 | 約800メートル |
射撃方式・作動機構 | ベルト給弾・マガジン給弾、ガス圧作動 |
歴史・発展経緯 | WWI末期から分隊火力増強で普及 |
取り扱い難易度 | 反動制御と機構理解必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:規制厳格 |
メリット | 機動性と火力の両立 |
デメリット | 小銃より重く携行負担あり |
関連カテゴリーとの比較 | ヘビーマシンガンより軽量、火力は劣る |
サブマシンガン(短機関銃)

サブマシンガン(短機関銃)は、拳銃弾を使用し、フルオート射撃が可能な軽量コンパクトな銃です。
サブマシンガン(SMG)は、軍と警察で特定の任務に使用されます。
SMGは狭い空間での高火力、隠密行動、都市環境での二次被害軽減に優れています。
項目 | 内容 |
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定義 | ピストル弾を使用する短機関銃 |
主な用途・使用シーン | 近接戦闘、法執行、特殊部隊 |
代表的モデル例 | MP5、Uzi、MAC-10 |
使用弾薬 | 9mm Parabellum、.45 ACPなど |
有効射程 | 約50~150メートル |
射撃方式・作動機構 | ブローバック、オープンボルト/クローズドボルト |
歴史・発展経緯 | WWI末期から近接火器として発展 |
取り扱い難易度 | 短機関銃として扱いやすいが制御訓練必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:民間所持不可(セミオート版は可) |
メリット | コンパクトで取り回し良好 |
デメリット | 射程と威力はライフルに劣る |
関連カテゴリーとの比較 | アサルトライフルより軽量だが威力不足 |
グレネード・ランチャー

グレネードランチャー(GL/擲弾発射器)は、炸薬の入った弾を撃ち出すランチャー(発射器)です。
対人用では撃ち出された弾の中に炸薬が入っており、着弾地点や空中で炸裂し、半径3~6mの範囲の目標を破壊したり殺傷する事ができます。
弾頭の種類は様々あり、対人用榴弾の他、対装甲弾、散弾、催涙ガス弾、スモーク弾、ショットシェル用アダプターなど多種多様に存在し、警察では暴徒鎮圧用に催涙弾をメインに使用されます。
西側諸国では40mm口径、東側諸国では40mmまたは43mm口径が一般的であり、民間市場では軍用と互換性を持たせないために37mm口径が多く見られます。
項目 | 内容 |
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定義 | 一発装填式擲弾発射器 |
主な用途・使用シーン | 歩兵火力支援 |
代表的モデル例 | M79、M203 |
使用弾薬 | 40mm低初速榴弾 |
有効射程 | 約350メートル(最大射程)、有効射程約150メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクションなど |
歴史・発展経緯 | ベトナム戦争期に普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、射角計算必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:民間規制厳格 |
メリット | 軽量シンプル |
デメリット | 連射不可、装填遅い |
関連カテゴリーとの比較 | マルチプルやオートマチックより軽量簡易 |
シングルショット・グレネードランチャー

シングルショット・グレネードランチャーは、マガジンを備えておらず、一発ごとに手動で装填と排莢を行います。
ベトナム戦争以降大きな発展を遂げたグレネード・ランチャーですが、有名な米国のM79は1961~1971年の10年間に35万丁ものランチャーが製造され、これを装備する兵士は1人あたり20発の弾を携行しました。
項目 | 内容 |
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定義 | 一発装填式擲弾発射器 |
主な用途・使用シーン | 歩兵火力支援 |
代表的モデル例 | M79、M203 |
使用弾薬 | 40mm低初速榴弾 |
有効射程 | 約350メートル(最大射程)、有効射程約150メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクションなど |
歴史・発展経緯 | ベトナム戦争期に普及 |
取り扱い難易度 | 操作簡易、射角計算必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:民間規制厳格 |
メリット | 軽量シンプル |
デメリット | 連射不可、装填遅い |
関連カテゴリーとの比較 | マルチプルやオートマチックより軽量簡易 |
アドオン・グレネードランチャー

アドオン・グレネードランチャーは、ライフルに装着して使用されるランチャーです。
UBGL(アンダーバレル・グレネードランチャー)とも呼ばれます。
西側諸国では40mm口径が一般的であり、最大1,500mの射程を持つランチャーまで存在。
アドオン式グレネードランチャーは、歩兵の火力を強化するためにアサルトライフルに取り付けて使用する多用途の武器です。
M320などの最新型は多様な弾薬を発射でき、歩兵に高い機動力と火力を持たせます。
項目 | 内容 |
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定義 | ライフルに装着するグレネードランチャー |
主な用途・使用シーン | 歩兵火力支援 |
代表的モデル例 | M203(M16/M4用)、GP-25(AK用) |
使用弾薬 | 40mm低初速榴弾 |
有効射程 | 約150メートル |
射撃方式・作動機構 | ブレイクアクション、スライドアクション |
歴史・発展経緯 | ベトナム戦争期以降普及 |
取り扱い難易度 | 銃との重量バランス慣熟必要 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:NFA規制対象 |
メリット | 携行性と統合性 |
デメリット | 単体ランチャーより重量増 |
関連カテゴリーとの比較 | 単体より装備統合性高いが独立運用不可 |
マルチプル・グレネード・ランチャー

マルチプル・グレネード・ランチャー(MGL)は、回転式グレネード・ランチャーです。
リボルバーと同様にシリンダー(回転弾倉)が備わっており、グレネード弾を使用します。
トリガー操作によるダブルアクション、またはスプリングの反発力を利用してシリンダーを回転させます。
軍事作戦で火力を強化し、迅速にターゲットを攻撃するための効果的な武器です。
MGLは多様な弾薬オプションにより、迅速に複数のターゲットを攻撃可能です。
項目 | 内容 |
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定義 | 回転シリンダー式複数発装填ランチャー |
主な用途・使用シーン | 特殊部隊、火力制圧 |
代表的モデル例 | Milkor MGL |
使用弾薬 | 40mm低初速榴弾 |
有効射程 | 約150メートル |
射撃方式・作動機構 | ダブルアクション回転シリンダー |
歴史・発展経緯 | 1980年代以降普及 |
取り扱い難易度 | 重量と反動制御要訓練 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:NFA規制対象 |
メリット | 連続複数射撃可能 |
デメリット | 重量とサイズ大きい |
関連カテゴリーとの比較 | シングルショットより火力持続性高い |
オートマチック・グレネード・ランチャー

オートマチック・グレネード・ランチャー(AGL/自動榴弾発射器)は、フルオート射撃が可能な榴弾発射器です。
グレネード・ランチャーの大きさは様々あり、個人装備用の重量1.5kg程度のものもあれば、3脚を使用して陣地に設置する重量20~30kgの大型サイズ(AGL:オートマチック・グレネード・ランチャー)も存在します。
30×28mm、40×46mm、40×53mmなどの弾薬が使用されます。
項目 | 内容 |
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定義 | フルオート射撃可能な擲弾発射器 |
主な用途・使用シーン | 車載火力支援、対人制圧 |
代表的モデル例 | Mk 19 |
使用弾薬 | 40mm高初速榴弾 |
有効射程 | 約1,500メートル |
射撃方式・作動機構 | ベルト給弾、ブローバック作動 |
歴史・発展経緯 | ベトナム戦争後期登場 |
取り扱い難易度 | 設置運用必須 |
法規制・入手難易度 | 日本:不可、米国:軍専用 |
メリット | 高レート広範囲制圧可能 |
デメリット | 重量巨大、歩兵単独運用不可 |
関連カテゴリーとの比較 | 他グレネードランチャーより火力圧倒的 |
主なモデルは以下の通り:
モデル名 | 口径 | 有効射程 | 発射速度 | 重量 | 搭載オプション |
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Mk 19 Mod 3 | 40x53mm | 1,500m | 325–375 RPM | 35.2kg | 三脚、車両搭載 |
AGS-17 | 30x29mm | 1,700m | 400 RPM | 約30kg | 三脚 |
Mk 47 Striker | 40x53mm | 1,700m | 225–300 RPM | 18kg | 三脚、車両搭載 |
AGS-40 Balkan | 40mm | 2,500m | 400 RPM | 約32kg | 三脚 |