銃の価格はいくらぐらいするのでしょうか?
日本では馴染みのない商品なので、見当もつかないという方も多いと思います。
実は銃の価格は自動車の価格と同じように国や地域、ディーラーによっても様々です。
米国ではガンショップ(リテイラー)が51,438店(2012年)あり、同一モデルであってもそれぞれの店が自由に価格を決めています。
余談ですが、日本国内のコンビニ店舗数は51,814店(2014年12月)となっており、これを比較すると米国銃器産業の市場規模がどれほど大きいか想像できるかと思います。
この一点を見ただけでも銃規制が簡単ではないことが窺い知れます。
メーカーがMSRP(希望小売価格)を設定しても店頭価格は自由なので、銃の価格を知るには本来なら全店舗の平均を取るべきかもしれませんが、それは出来ません。
そこで今回は有名ディーラーの価格を参考にしながら、米国内の銃(新品)の価格を比較してみたいと思います。
価格は常に変動し、時期や店舗によって全く異なるので、あくまでザックリとした参考程度にご覧ください。
※日本円は1ドル=150円換算です。
ピストル
ベレッタM9 民間バージョン
548ドル(82,200円)
ベレッタPX4ストーム 9mm
499ドル(74,850円)
グロック17 Gen4 9mm
582ドル(87,300円)
キンバー・カスタムII .45ACP
720ドル(108,000円)
SIG P226 MK25 9mm NAVY SEAL
1,020ドル(153,000円)
デザートイーグル XIX .50AE
1,377ドル(206,550円)
コブラ・フリーダムFS .380ACP
210ドル(31,500円)
ハイポイントCF380 .380ACP
134ドル(20,100円)
キャボット ダマスカス1911 .45ACP
45,000ドル(6,750,000円)
リボルバー
S&W M&P 340 .357マグナム
750ドル(112,500円)
S&W M500
1,125ドル(168,750円)
トラディション 1860コルトアーミー 復刻版
257ドル(38,550円)
ライフル
コルト MT6400 5.56 NATO セミオート
1,056ドル(158,400円)
ナイツ SR-25 7.62NATO
5,107ドル(766,050円)
CIA WASR AK-47 7.62x39mm セミオート
611ドル(91,650円)
アーセナル AK-47 SAM7SF-84 セミオート
1,449ドル(217,350円)
ステアーAUG A3 セミオート 光学サイト付
2,099ドル(314,850円)
FN SCAR 5.56NATO セミオート
2,524ドル(378,600円)
IWI タボール SAR-IDF 光学サイト付 セミオート
2,288ドル(343,200円)
レミントンM783 .308win/7.62NATO
351ドル(52,650円)
レミントンM700タクティカル.338ラプア
2,879ドル(431,850円)
バレットM95 .50BMG
5,919ドル(887,850円)
バレットM107A1 .50BMG
11,999ドル(1,799,850円)
ライマン グレートプレイン フリントロック
586ドル(87,900円)
モスバーグ 702 .22LR
152ドル(22,800円)
FN M249S セミオート
9,800ドル(1,470,000円)
ショットガン
レミントンM870 12ゲージ ポンプアクション
365ドル(54,750円)
ベレッタ 686 シルバーピジョン1 上下二連
2,148ドル(322,200円)
CIA JW2000 12ゲージ 水平二連
273ドル(40,950円)
TAC 1887 Tモデル 12ゲージ レバーアクション
1,148ドル(172,200円)
ウェブリー&スコット M600 12ゲージ
184ドル(27,600円)
H&R 72096 シングルショット 12ゲージ
162ドル(24,300円)
Jパーディー&サンズ 20ゲージ 水平二連
200,000ドル(30,000,000円)
NFAウェポン
NFAウェポンとは、1934年の銃規制(National Firearms Act)によってカテゴライズされた銃器です。
マシンガン(フルオート火器)、ショートバレル・ライフル(SBR)、ショートバレル・ショットガン(SBS)、その他の銃(AOW)に分類されており、希少性などの理由から高価な傾向があります。
HK 51B .308win フルオート
28,749ドル(4,312,350円)
IMI UZI フルオート
11,000~30,000ドル(1,650,000円~4,500,000円)
コブレイ M11 SWD 9mm フルオート
3,749ドル(562,350円)
ナイツ マスターキー 12ゲージ
1,999ドル(299,850円)
M60 フルオート
70,000ドル(10,500,000円)
M134 ミニガン フルオート
150,000~180,000ドル(22,500,000円~27,000,000円)
アクセサリー
AAC 7.62-SDN-6 サプレッサー
850ドル(127,500円)
シュアファイア SOCOM556-RC サプレッサー
1,259ドル(188,850円)
Beta C-MAG グロック用100連マガジン
390ドル(58,500円)
ベレッタ92F用15連マガジン
26ドル(3,900円)
中古相場
ワルサーP38
1000ドル(150,000円)
トカレフTTC ルーマニア製
300ドル(45,000円)
モシン ナガン M91/30 7.62x54R
900ドル(135,000円)
SKS 中国製56式
700ドル(105,000円)
まとめ
フルオート火器やサプレッサーが高価である理由は、需要と法律が影響しています。
アサルトライフルやマシンガンといったフルオート火器は米国への輸入や新規製造が規制されており、法規制施行前(1986年以前)に製造及び登録されたり、輸入(ディーラーサンプル含む)された国内に存在する銃が国内でのみ流通し売買されている状況です。このことから希少性があり、高額となっています。
紛争地で数万円で取引されている銃が、米国内では数十~数百万円ということは珍しくありません。
しかし、これは米国内の民間市場での状況であって、軍や警察が装備するフルオート火器の調達価格はこのような高額ではありません。
サプレッサーについては、次第に需要が増えているとはいえ、所持が規制されている地域もあり、まだ大量に売れている状況ではないのでコストが高くなっています。
また、一見すると鉄パイプに穴を空けただけの製品に見えますが、高性能サプレッサーは開発費が高く、その技術が価格に反映されています。
勿論、安いサプレッサーも存在し、.22LRを使用するピストル用サプレッサーでは200ドル前後のモデルも多いのですが、使用弾薬が強力になるにつれて専用サプレッサーの価格も高額になる傾向があります。
過去数年間、米国内のサプレッサー規制は大幅に緩和されてきているので、今後価格が下がる可能性もあります。