ライトマシンガンとサブマシンガンの違いとは?GPMG?PDWとは?

UZI Photo via Wikipedia

弾を連続発射するフルオート火器には様々な種類が存在します。

  • ヘビーマシンガン(HMG)
  • ミディアムマシンガン(MMG)
  • ライトマシンガン(LMG)
  • 汎用機関銃(GPMG)
  • サブマシンガン(SMG)
  • マシンピストル(MP)
  • パーソナルディフェンスウェポン(PDW)

今回はこのようなフルオート火器の違いについて、入門者の方にもわかりやすく解説します。

マシンガン(MG / 機関銃)とは?

Photo via FM 23-65

マシンガン(機関銃)は、ライフル弾をフルオート(連射)で射撃することを前提に設計された銃です。

マシンガンはトリガーを引き続ける間、連続して弾を発射し続けます。

連続発射すると銃身が過熱し、命中精度低下、作動停止、破損、クックオフ(薬室の熱が装薬を発火させて起こる暴発)などの問題が起こりやすくなるため、マシンガンには水で銃身を冷却する水冷式や、オープンボルト方式による空冷式の冷却システムが備わっています。

(※ただし例外はあります。ブローニングM1919はクローズドボルト方式でありながら空冷式ですが、元々は水冷式として開発された後に空冷式に転用された経緯があります。
オープンボルトとクローズドボルトの違いについては記事「オープンボルトとクローズドボルトの違いとは?」をご覧ください)

また、マシンガンは弾速が高速でハイパワーなライフル弾を使用します。

ピストルやリボルバーなどで使用される拳銃弾はマシンガンでは使用されません。

7.62x39mm 7.62x51mm 7.62x54mmR Photo via thebiggamehuntingblog.com

ライフル弾は大きく分けてアサルトライフル等で使用される「インターミディエートカートリッジ(中間弾薬)」と、バトルライフル等で使用される「フルサイズカートリッジ」があり、それぞれ射程距離や威力が異なります。

インターミディエートカートリッジの例フルサイズカートリッジの例
5.45x39mm7x57mmマウザー
5.56x45mm NATO7.62x51mm NATO
.30カービン
(7.62x33mm)
7.62x54mmR
7.62x39mm.30-06 スプリングフィールド
(7.62x63mm)
7.92x33mmクルツ.303ブリティッシュ
(7.7x56mmR)
カテゴリー使用弾薬最大有効射程距離
ヘビーマシンガン
ミディアムマシンガン
GPMG
フルサイズカートリッジ
(ライフル弾)
1400~2000m
ライトマシンガンフルサイズカートリッジ
or
インターミディエートカートリッジ
(ライフル弾)
500~800m
バトルライフルフルサイズカートリッジ
(ライフル弾)
300~800m
アサルトライフルインターミディエートカートリッジ
(ライフル弾)
300~600m
サブマシンガンピストルカートリッジ
(拳銃弾)
50~200m
ピストルピストルカートリッジ
(拳銃弾)
25~50m
Photo via military.com

AK47やM16といったアサルトライフルはフルオート射撃が可能ですが、これらはマシンガンではありません。

※アサルトライフルについては記事「アサルトライフルとマシンガンの違いとは?」をご覧ください。

ヘビーマシンガン(HMG / 重機関銃)とは?

ヘビーマシンガン(重機関銃)はフルサイズカートリッジまたはマグナムカートリッジのライフル弾を使用する大型マシンガンです。

1人でヘビーマシンガンを携帯し移動することは困難なため、少なくとも2~3人以上で運用されます。

ヘビーマシンガンは大きく分けて2つあり、第一次世界大戦時に使用された水冷式で重い.30口径を主とするマシンガンと、現代の.50口径以上のマシンガンが存在します。

つまり、ヘビーマシンガンの定義の違いは時代によって異なり、「運用時の機動性」と「口径」の違いに分けることができます。

第一次世界大戦時のマシンガンは継続的に射撃することを目的として空冷式の他に水冷式が採用され、トライポッド(三脚)などの重いマウントに搭載しています。

水冷式は銃身の冷却効率が高いものの重量増となるため、一度マシンガンを設置すると簡単に場所を移動したり、ライフルを装備する一般歩兵と行動を共にすることが困難です。

当時は塹壕戦を主とする戦術を展開していたことからマシンガンは敵の突撃を阻止する防御兵器として有効でしたが、攻撃兵器としては利用困難な機動性の悪さが問題でした。

一方、現代のヘビーマシンガンの多くはトライポッド(三脚)や専用マウントを使用し、車両、ヘリコプター、艦船などに搭載されます。

現代のヘビーマシンガンは第一次世界大戦時より強力な12.7x99mmや12.7x108mmといった大口径の弾薬を使用し、対人だけでなく軽装甲車両や航空機に対しても有効です。

第一次世界大戦時のヘビーマシンガンはその重さから「ヘビーマシンガン」と呼ばれていましたが、現代では重さを基準とせず、口径12.7mm以上20mm以下のマシンガンがヘビーマシンガンと呼ばれています。

※口径が20mmを超えるフルオート火器は「オートキャノン」や「マシンキャノン」と呼ばれ、これらは「機関砲」になるためマシンガン(機関銃)ではありません。

ヘビーマシンガン(HMG / 重機関銃)の例

MG08

MG08 Photo via historicalfirearms.info

使用弾薬:7.92x57mm Mauser

重量:69kg(水とマウントを含む)

ブローニングM1917

ブローニングM1917 Photo via rockislandauction.com

使用弾薬:.30-06 スプリングフィールド

重量:47kg(水とトライポッドを含む)

ブローニングM2

Photo via army.mil

使用弾薬:12.7x99mm NATO (.50BMG)

重量:38kg(トライポッド+20kg)

DShK

Photo via weaponsystems.net

使用弾薬:12.7x108mm

重量:34kg(本体重量)

KPV

KPVT Photo via imgur.com

使用弾薬:14.5x114mm

重量:49kg(本体重量)

ミディアムマシンガン(MMG / 中機関銃)とは?

ミディアムマシンガン(中機関銃)はフルサイズカートリッジのライフル弾を使用し、ヘビーマシンガン(重機関銃)より必要な運用人数が少なく、機動性が向上したマシンガンです。

当初はマシンガンを拠点に設置していましたが、戦術の変化によって「素早く移動可能なマシンガン」が必要とされたためミディアムマシンガンが登場しました。

ミディアムマシンガンの多くはヘビーマシンガンより軽量ですが、必ずしもヘビーマシンガンより軽量ではありません。(重さは分類上の基準ではありません)

ミディアムマシンガンの口径の多くは.30口径(7.62mm)前後で、歩兵が使用するライフルと同等のライフル弾が使用されます。

バイポッド(二脚)は使用されず、トライポッド(三脚)やホイールマウントなどが使用されます。

現代の基準では銃本体が重くても口径12.7mm未満は「ミディアムマシンガン」や「GPMG(汎用機関銃)」等に分類されています。

また、第一次世界大戦時にヘビーマシンガンに分類されていたヴィッカースなどは、より大型の12.7mm口径ヘビーマシンガンが登場したことによりミディアムマシンガンへと再分類されました。
(日本では現在でも「ヴィッカース重機関銃」と呼ばれることが多いと言えます)

ミディアムマシンガン(MMG / 中機関銃)の例

PM M1910

PM M1910 Photo via proxibid.com

使用弾薬:7.62x54mmR

重量:74kg(水、シールド、ホイールマウントを含む)

ヴィッカース

ヴィッカースマシンガン Photo via popularmechanics.com

使用弾薬:.303 ブリティッシュ

重量:18~23kg(水を含む)

ブローニングM1919

ブローニングM1919 Photo via Wikipedia

使用弾薬:.30-06 スプリングフィールド

重量:14kg(本体重量)(トライポッド+7.5kg)

SG-43

SG43 Photo via firearmcentral.fandom.com

使用弾薬:7.62x54mmR

重量:41kg(ホイールマウントを含む)

ミニガン

GAU17 ミニガン Photo via Wikipedia

使用弾薬:7.62x51mm NATO

重量:19~39kg

ライトマシンガン(LMG / 軽機関銃)とは?

ライトマシンガン(LMG / 軽機関銃)は1人で運用可能な軽量マシンガンです。

銃や弾薬を携帯するのに複数人を必要とせず、兵士1人で移動しながら射撃可能です。

弾薬はインターミディエートカートリッジ、またはフルサイズカートリッジを使用し、一般歩兵が持つライフルと同じ弾薬が使用されます。

多くのライトマシンガンは弾薬をリンクで繋げたベルト給弾方式を利用しますが、RPKのように着脱式ボックスマガジンが使用される場合もあります。

ライトマシンガン(軽機関銃)は軽量とは限らない

先述の通りライトマシンガンは1人で運用可能な軽量マシンガンです。

しかし、厳密には「ライトマシンガン=軽量なマシンガン」とは限りません。

RPK(4.8kg)のような軽量なライトマシンガンが存在する一方、ルイス軽機関銃(13kg)のような重いライトマシンガンも存在します。

単純に銃や使用弾薬の重さだけでライトマシンガンであるか否かを判断できないものの、バイポッド(二脚)とトライポッド(三脚)のどちらを使用することを前提にしているかという点を見るとある程度判別可能です。

例を挙げるとM1918(BAR / ブローニング・オートマチック・ライフル)は重量7~9kgと重く、使用弾薬は.30-06スプリングフィールド等のフルサイズカートリッジを使用します。

しかし、M1918は1人で運用することを想定しており、主にバイポッドを使用するためライトマシンガンまたはオートマチックライフル※に分類されています。

※オートマチックライフルとは、アサルトライフルやバトルライフルなどのフルオート射撃が可能なライフルです。フランスのショーシャやアメリカのBARは移動しながらフルオート射撃を行う目的で開発され、オートマチックライフルやライトマシンガンとして運用されました。

分隊内で味方歩兵の支援射撃を行うライトマシンガンは、

  • スクワッド・オートマチック・ウェポン(SAW / 分隊支援火器)
  • ライト・サポート・ウェポン(LSW / 軽支援火器)

・・・とも呼ばれています。

マシンガンの分類種類最小運用人数使用弾薬冷却
ヘビーマシンガン
(重機関銃)
2~3人以上フルサイズカートリッジ
or
マグナムカートリッジ
三脚水冷
or
空冷
ミディアムマシンガン
(中機関銃)
GPMG1~2人フルサイズカートリッジ三脚水冷
or
空冷
ライトマシンガン
(軽機関銃)
GPMG
SAW
LSW
1人フルサイズカートリッジ
or
インターミディエートカートリッジ
二脚空冷

ライトマシンガンの例

マドセン軽機関銃(SAW)

マドセン機関銃 Photo via en.topwar.ru

使用弾薬:8x58mmR

重量:9kg

ルイス軽機関銃(SAW)

ルイスガン Photo via guns.fandom.com

使用弾薬:.303ブリティッシュ / .30-06 スプリングフィールド

重量:13kg

RPK74(SAW)

RPK74

使用弾薬:5.45x39mm

重量:4.7kg

M249(SAW)

M249 Para Photo via wikipedia

使用弾薬:5.56x45mm

重量:7.5kg

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