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銃の反動計算機 リコイルを数値化し比較

射撃時に発生する反動(リコイル)の大きさを計算する計算機です。

反動を数値化することにより、異なる銃の反動を比較しやすくなります。







今回は銃の反動と反動計算機の使い方について解説します。

反動(リコイル)とは?

反動とは、力が働くとき、その反対方向に働く力です。

1911ピストルの構造

銃の発射原理は、装薬(火薬)の燃焼により発生するガスを利用し、高圧ガスにより弾頭を銃身内で加速させて銃口から発射しています。

ニュートン力学の「作用反作用の法則」により、弾頭を前進させる力が発生すると同時に、銃を後退させる力が発生します。

このとき、銃と弾頭には大きな質量差があるため、弾頭は高速移動する一方、銃本体は相対的に遅い速度で後退します。

この銃を後退させる力が反動です。

反動は銃身の位置で発生しており、銃のグリップは銃身より低い位置にあるため、発射時には銃口が跳ね上がる「マズルジャンプ」が起こります。

反動速度(リコイルベロシティー)

反動によって銃が後退するとき、使用弾薬や銃の重量のバランスにより銃の後退速度が異なります。

後退速度が速いと射手は反動を強く感じ、反対に後退速度が遅いと射手は反動を軽く感じます。

仮に反動を生じる運動エネルギーが大きくても、相対的に銃が重いことで後退速度が低下すると、反動が軽く感じられます。

そのため、反動速度は射手が知覚する反動の大きさを表す指標になります。

リコイルエナジー(反動エネルギー)

銃の反動を説明する画像

マズルエナジーとは、銃口から発射される弾頭が持つ運動エネルギーです。

リコイルエナジーとは、後退する銃に生じる運動エネルギーです。

後ろから支えられていない状態の銃に生じる反動はフリーリコイル(自由反動)と呼ばれます。

マズルエナジーやリコイルエナジーの単位はフィートポンド(ft-lbf)、またはジュール(J)が使用されます。

リコイルエナジーは反動を生じさせるエネルギーの大きさを表しますが、リコイルエナジーの大きさと反動の大きさは比例しません。

射手が知覚する反動の大きさは、リコイルエナジーの大きさと銃の重量との差(バランス)によって異なります。

また実際の反動の感じ方は、銃の作動方式、銃のデザイン、リコイルパッドの有無、グリップデザインの違い、射手の身長体重、射撃経験の有無など、様々な条件によって異なります。

反動計算機は異なる銃の大まかな反動の比較が可能ですが、詳細な反動を割り出すものではありません。

反動の比較例

反動計算機を使用して実際に反動を比較してみます。

M4カービン VS AK-47

M4ライフルとバイポッドの画像

例として、5.56x45mm弾を使用するM4カービンと、7.62x39mm弾を使用するAK-47を比較すると、以下の結果になります。

M4カービン
5.56x45mm
(ヤードポンド)
AK-47
7.62x39mm
(ヤードポンド)
M4カービン
5.56x45mm
(メートル)
AK-47
7.62x39mm
(メートル)
弾頭重量62 gr123 gr4 g8 g
銃口初速2985 fps2334 fps910 m/s711 m/s
装薬重量25.9 gr24.5 gr1.68 g1.59 g
装薬速度5200 fps5200 fps1585 m/s1585 m/s
銃の重量6.4 lbs7.62 lbs2.9 kg3.47 kg
反動速度7.14 fps7.77 fps2.17 m/s2.37 m/s
リコイルエナジー5.07 ft-lbf7.15 ft-lbf6.85 J9.71 J
マズルエナジー1226.98 ft-lbf1488.20 ft-lbf1656.20 J2022.08 J

M4カービンとAK-47を比較すると、反動速度には約9%の差があり、リコイルエナジーは約41%の差があります。

7.62x39mm弾が生じるエネルギーは5.56mm弾よりも明らかに大きい。しかし、AK-47はM4カービンよりも本体重量が重いため、慣性により反動が軽減され、射手が感じる反動の差はそれほど大きくないことが推測できます。

私はM4カービン(民間フルオートモデル)とAK-47の射撃経験がありますが、確かにAK-47の方が若干大きな反動を感じられるものの、特段「大きな差」とは言い難い違いです。

.357マグナム VS .44マグナム

357マグナムリボルバーの画像

ベレッタ92FS(9mm)、コルトパイソン(.357マグナム)、S&W M29(.44マグナム)を比較すると、以下の様になります。

ベレッタ92FS
9mm
コルトパイソン
4インチ
.357マグナム
S&W M29
4インチ
.44マグナム
弾頭重量115 gr158 gr240 gr
銃口初速1112 fps1340 fps1442 fps
装薬重量6.1 gr10.7 gr23.3 gr
装薬速度5600 fps5600 fps5600 fps
銃の重量2.08 lbs2.625 lbs2.74 lbs
反動速度11.13 fps14.78 fps24.85 fps
リコイルエナジー4.00 ft-lbf8.92 ft-lbf26.29 ft-lbf
マズルエナジー315.84 ft-lbs630.12 ft-lbs1108.40 ft-lbs

コルトパイソンとS&W M29は銃の重量が比較的近いですが、.44マグナムは弾頭重量が重く装薬量が多いこともあり、圧倒的な反動の大きさです。

反動速度を比較すると、コルトパイソンはベレッタ92FSより32%増、S&W M29はコルトパイソンより68%増となっています。

ライフルのAK-47と比較すると、マズルエナジーはライフルの方が大きいですが、反動はコルトパイソンやS&W M29の方が強いことがわかります。

今回の比較はあくまで一例であり、弾頭重量や装薬の条件が異なれば結果も異なる数値になりますが、どのような差があるのかといった大まかなイメージは掴めるのではないでしょうか。

反動計算機の使い方

反動計算機には以下のそれぞれの数値を入力してください。

弾頭重量

弾頭重量はグレイン(gr)またはグラム(g)を使用します。

1グレインは0.0647989グラムです。

使用する装薬や銃の重量が同等のとき、弾頭重量を増加させると反動が大きくなる傾向があります。

銃口初速(MV / マズルベロシティー)

銃口初速は銃口付近で計測された弾速です。

単位はフィート毎秒(fps)(ft/s)、またはメートル毎秒(m/s)を使用します。

装薬重量(無煙火薬)

装薬重量は、弾薬に装填された装薬(火薬)の重量です。

単位はグレイン(gr)、またはグラム(g)を使用します。

使用される弾頭重量や装薬重量は目的によって様々ですが、以下は装薬重量の一例です。

弾薬弾頭重量
(グレイン)
銃口初速
(fps)
装薬の種類装薬重量
(グレイン)
.380ACP115 gr726 fpsPower Pistol2.7 gr
9mmルガー115 gr1112 fpsPower Pistol6.1 gr
.357SIG115 gr1385 fpsAA #711.6 gr
.40S&W200 gr850 fpsPower Pistol5.3 gr
10mm Auto180 gr1038 fps3N377.6 gr
.45ACP230 gr753 fpsUnique6.0 gr
.45コルト250 gr762 fpsTitegroup5.7 gr
.38スペシャル158 gr726 fpsHS-66.0 gr
.357マグナム158 gr1340 fpsAA #710.7 gr
.44マグナム240 gr1442 fpsH11023.3 gr
5.56x45mm NATO70 gr2784 fpsA-223022.5 gr
6.5mmクリードモア130 gr2693 fpsRL1537 gr
7.62x39mm123 gr2334 fpsH419824.5 gr
7.62x51mm NATO165 gr2428 fpsNorma 20240.5 gr
.338ラプアマグナム250 gr2834 fpsN56083 gr
.50BMG750 gr2765 fpsV24N41218 gr
12ゲージ
00バック
536 gr1205 fpsW57223.3 gr

装薬重量(黒色火薬)

通常、無煙火薬(スモークレスパウダー)では重量で計測され、黒色火薬(ブラックパウダー)では体積を計測するのが一般的です。

ですが、使用する黒色火薬の種類から体積と重さを予め知っている場合は重さで換算し計測可能です。

以下は黒色火薬(3F/Pyrodex代替黒色火薬)の装薬重量の一例です。

リボルバーの口径弾頭直径
(インチ)
弾頭形状装薬重量
(最小値)
装薬重量
(最大値)
.31レミントン.3157 gr12 gr
.31レミントン.315尖頭6 gr11 gr
.36コルト.38016 gr25 gr
.36コルト.380尖頭12 gr15 gr
.44コルト
.44レミントン
.45422 gr30 gr
.44コルト
.44レミントン
.454尖頭19 gr25 gr
.44コルトウォーカー
.44ドラグーン
.45425 gr40 gr
.44コルトウォーカー
.44ドラグーン
.454尖頭20 gr35 gr

装薬速度

軽量とはいえ装薬にも質量があり、発射時に弾頭よりも速く移動するため反動に影響します。

ハンドガンやショットガンで使用される速燃性装薬は速度が速く、ライフルで使用される遅燃性装薬は速度が遅くなります。

しかし、異なる銃の反動を比較する場合において、装薬速度を厳密に考慮する必用はありません。

一律に5,000 fps(1524 m/s)と仮定して計算しても問題ないでしょう。

以下は平均的な装薬速度の例です。

装薬装薬速度
fps
装薬速度
m/s
ハンドガン用無煙火薬
ショットガン用無煙火薬
56001707
ライフル用無煙火薬52001585
大口径ライフル用無煙火薬47001433
黒色火薬2250685.8

銃の重量

銃の重量はポンド(lbs)、またはキログラム(kg)で入力します。

1ポンドは0.453592 kgです。

同一の弾薬を使用したとき、銃の重量が重いほど反動は軽く感じられます。

逆に軽量な銃でマグナム弾などの強力な弾薬を使用すると強い反動で手を傷める原因にもなります。

反動を算出する計算式

ピストルの画像

反動を計算する計算式は様々存在しますが、そのなかでも最も広く一般的に利用されている計算式をご紹介します。

私が作製した反動計算機も、この計算式を利用しています。

ヤードポンド法での計算方法

反動速度 (fps) = (弾頭重量 x 銃口初速) + (装薬重量 x 装薬速度) ÷ 銃の重量 x 7000

弾頭重量115グレイン、銃口初速1112 fps、装薬重量6.1グレイン、装薬速度5600 fpsの9mmルガー弾を重さ2.08ポンドのベレッタ92FSピストルから発射した場合の反動速度を求めると以下のようになります。

反動速度 = (115 x 1112) + (6.1 x 5600) ÷ 2.08 x 7000
= 11.12912087912088
= 11.13 fps

リコイルエナジー (ft-lbf) = 銃の重量 x 反動速度の二乗 ÷ 2 x 32.1739

先ほど算出した反動速度11.13 fpsを元に、リコイルエナジーを求めると以下のようになります。

リコイルエナジー = 2.08 x 11.13 x 11.13 ÷ 2 x 32.1739
= 257.663952 ÷ 64.3478
= 4.004238715231912
= 4 ft-lbf

メートル法での計算方法

反動速度 (m/s) = (弾頭重量 x 銃口初速) + (装薬重量 x 装薬速度) ÷ 銃の重量 x 1000

弾頭重量7.45グラム、銃口初速339 m/s、装薬重量0.4グラム、装薬速度1707 m/sの9mmルガー弾を重さ0.945 kgのベレッタ92FSピストルから発射した場合の反動速度を求めると以下のようになります。

反動速度 = (7.45 x 339) + (0.4 x 1707) ÷ 0.945 x 1000
= 3,208.35 ÷ 945
= 3.395079365079365
= 3.40 m/s

リコイルエナジー (J) = 0.5 x 銃の重量 x 反動速度の二乗

先ほど算出した反動速度3.40 m/sを元にリコイルエナジーを求めると以下のようになります。

リコイルエナジー = 0.5 x 0.945 x 3.4 x 3.4
= 5.4621 J

※ここでは分かりやすくするために反動速度3.40 m/sで計算していますが、反動計算機は3.395079365079365を元に算出するため回答結果は5.45 Jになります。

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