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【徹底解説】.45口径とは?:ミリ換算、種類、拳銃リスト、歴史、9mmとの違いまで詳細に解説

1911A1ピストル画像
Jan Hrdonka en:User:Hrd10, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

一般的に、「.45口径は11.43 mm」と説明されますが、実際はそうとは限りません。

本記事では、.45 ACP弾を中心に、.45口径弾に関する様々な疑問を解決します。

どのような基準で測定されるのかといった基本的な知識から、歴史的背景、代表的な銃の種類、そして実際の使用例まで、筆者の実射経験も含めて徹底解説します。

この記事を読むと、以下のことを学べます。

  • 口径の基礎知識
    • 口径の定義と測定方法
    • ライフリングの役割と構造
    • .45口径のミリ換算
  • .45口径弾の種類と特性
    • .45 ACP弾、.45 Auto Rim弾など、各種.45口径弾の違い
    • .45口径弾の弾頭重量、初速、エネルギー比較
    • .45口径弾の用途(護身用、狩猟用など)
  • .45 ACP弾の詳細
    • .45 ACP弾の歴史と特徴
    • .45 ACP弾を使用する代表的なピストル
    • 各ピストルのスペック(大きさ、重量など)
  • .45口径ハンドガンの種類
    • .45口径弾に対応したピストルとリボルバーのリスト
  • .45口径弾に関するQ&A
    • .45 ACP弾の長所と短所
    • 各種.45口径ライフル弾の特性比較
    • .45口径ライフル弾の軍用利用と将来性
  • 銃の専門用語の解説
    • ライフリング、フルメタルジャケット弾、ガスチェック、ヘッドスペース、ハンマーバイト、弾道係数など
  • 銃の歴史
    • M1911ピストル、M1917リボルバーの開発経緯

.45口径は何ミリ?

.45口径とは、銃身の内径が0.45インチであることを意味します。

ミリ換算すると約11.43mmに相当します。

ただし、例外もあるため、.45口径だからといって必ずしも銃身内径が11.43mmとは限りません(後述します)。

1911ピストルの構造

銃身(バレル)とは、弾を加速させるための筒状の部品です。

火薬の燃焼によって高圧ガスが発生し、ガス圧によって弾が加速して発射されます。

口径とは?

銃身内部のライフリング 画像出典:MatthiasKabel

口径とは銃身の内径です。

銃の種類によっては銃身内部にライフリングが備わっています。

ライフリングとは、銃身内に斜めに彫られた溝で、溝に沿って弾が回転します。

VP9カッタウェイCG画像

回転した弾はジャイロ効果によって姿勢が安定し、空中での直進性が高まり、高い命中精度を得られます。

ライフリング画像

ライフリングが備わった銃身は、「山」の部分(図A)「谷(溝)」の部分(図B)で内径が異なります。

専門用語で山は「ランド」、谷は「グルーブ」と呼ばれます。

.45口径の銃では、谷径(グルーブ・ダイアメーター)を口径としています。

1911ピストルなどで使用される.45 ACP弾は、通常「1:16」のツイストレート(転度)を持つ銃身と組み合わされるのが一般的です。

1:16は、16インチ(40.6 cm)進むと1回転することを意味します。

この設定は、比較的重くて低速(例: 230グレインで約830フィート/秒)の弾丸を安定させるよう最適化されています。

  • 山と谷の寸法:
    • .45 ACP弾では、山(Lands)の内径は約0.442インチ(11.23mm)、谷(Grooves)の内径は0.45インチ(11.43mm)です。
  • 精度への影響:
    • .45 ACP弾の低速特性により、最小限の回転で一貫した安定性が得られます。そのため、M1911などのピストルで高い精度が得られる理由となっています。
  • 空気抵抗:
    • ライフリングによる回転は弾丸表面に微細な傷を生じさせます。これにより空気抵抗が若干増加しますが、.45 ACPピストルが想定する近距離ではこの影響はほとんど問題になりません。

口径については以下の記事で詳しく解説しています。

.45口径が11.43mmとは限らない

.45オートリムと.45 ACPの画像
.45オートリム(左)と.45 ACP(右)Hmaag, CC0, via Wikimedia Commons

.45 ACP弾は、谷径が口径に該当し、ミリで換算すると、「11.43 mm」です。

しかし、.45 Auto Rim(.45オートリム弾)は、谷径が11.46 mm(0.451インチ)となっています。

弾薬山径谷径弾頭直径
.45 ACP11.23 mm11.43 mm11.405~11.481 mm
.45 Colt11.23 mm11.43 mm11.43~11.582 mm
.45 GAP11.23 mm11.43 mm11.405~11.481 mm
.45 Win Mag11.23 mm11.43 mm11.405~11.481 mm
.45 Auto Rim11.28 mm11.46 mm11.329~11.481 mm
.454 Casull11.25 mm11.48 mm11.418~11.494 mm

両者にはどんな違いがあるのでしょうか?

.45 ACP弾は「ピストル用弾薬」、.45 Auto Rim弾は「リボルバー用弾薬」という違いがあります。

S&W M1917リボルバー画像
S&W M1917 Mcumpston (talk)Mike Cumpston, Public domain, via Wikimedia Commons

第一次世界大戦時、アメリカ軍はM1911ピストルが不足したため、S&W社とコルト社に対して.45 ACP弾を使用可能なM1917リボルバーの製造を依頼し契約を結びました。

S&W M1917とコルトM1917が製造され、どちらも.45 ACP弾を使用しますが、.45 ACP弾は自動で装填と排莢を行うピストル用に開発されたリムレス・カートリッジです。そのため、リボルバーには不向きでした。

薬莢(ケース)は、種類によって形状が異なります。

リムレスイラスト画像

.45 ACP弾に使用されるリムレス・カートリッジは、薬莢後部のリム(起縁)がケースボディの直径と同径で、薬室へスムーズに装填可能な形状です。

リムドイラスト画像

リボルバーに使用されるリムド・カートリッジは、リムが大きく、リボルバーのシリンダー後部で停止し、シリンダーに備わったエジェクターがリムを利用して排出可能にする形状です。

M1917でリムレスカートリッジである.45 ACP弾を使用すると、リボルバーに備わった薬莢排出用のエジェクターが利用できないため、S&W社は「ハーフムーンクリップ(半月クリップ)」を発明しました。

ムーンクリップ画像
フルムーンクリップとハーフムーンクリップ Krd, Public domain, via Wikimedia Commons

ハーフムーンクリップは、3発の.45 ACP弾を保持する半月状の金属板で、これによりヘッドスペース※の確保と、弾薬の装填と排出を容易にしました。

ヘッドスペースとは、薬室内で薬莢(カートリッジ)が正しく収まるためのクリアランス(空間)のことです。弾薬の基準面(リム/ショルダー/ケースマウスなど)と、薬室の対応する基準面との間の距離を指します。適切なヘッドスペースがないと、不発・破裂・精度低下などの問題が発生します。

ヘッドスペース画像
ヘッドスペース Xmastree at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons

一般的なリボルバーでは、リムドカートリッジのリムの厚みがヘッドスペースになります。

M1917リボルバーの薬室には、ピストルの薬室と同様の「薬莢先端(ケースマウス)で停止するヘッドスペース」が確保されており、ムーンクリップ無しでも射撃可能でしたが、排出にはシリンダー前方から棒で突き出すなどの手間が必要でした。

ところが、戦後、民間市場でムーンクリップは不評でした。

通常のリボルバーと同様の「素早い装填と排出」が困難(スキル次第)なうえ、変形すると不発や作動不良の原因になります。

そこで、1920年に登場したのが、.45 ACP弾にリムを追加したリムドカートリッジの「.45 Auto Rim弾」でした。

.45 Auto Rim弾の登場により、従来通りのリボルバーの操作方法でM1917を扱えるようになりました。

.45口径リボルバーのライフリングが浅い理由

S&W M1917画像
S&W M1917 Hmaag, CC0, via Wikimedia Commons

.45 Auto Rim弾と.45 ACP弾の弾頭直径は、ほぼ同じ「0.452インチ(11.5 mm)」です。

しかし、ライフリングの溝の深さを確認すると、.45 Auto Rim弾の方が浅いことがわかります。

実は、.45 ACP弾を使用するM1917のライフリングの溝も、通常の.45 ACP弾を使用するピストルと比較すると浅く彫られています。

これは、低速な.45口径リボルバーで利用される特徴で、軍用の厚いジャケットを持つフルメタルジャケット弾※を使用する際に摩擦抵抗を軽減し、弾速を維持する目的で浅いライフリングが利用されています。

最初に浅いライフリングを利用し始めたモデルは、S&W M1917といわれています。

フルメタルジャケット弾(FMJ)とは、弾頭のコアを銅合金などのジャケットで包んだ構造の弾頭です。

FMJイラスト画像
  • ジャケット(被甲): 弾頭を覆う金属製の外装で、精度や貫通力を向上させる役割を持つ。
  • コア(弾芯): 弾頭の内部にある主要な金属部分で、貫通やダメージを与える中核部分。
  • パウダー(装薬): 弾薬内部に充填された火薬で、燃焼して弾頭を推進する役割を果たす。
  • ケース(薬莢): 装薬や弾頭を収納し、発射時にガス圧を保持する金属またはプラスチック製の容器。
  • プライマー(雷管): 火薬を着火するための小型爆発装置で、発射の引き金となる重要部品。

また、.45 Auto Rim弾にはジャケットは使用されず、鉛のみの弾頭(レッドブレット/Lead bullet)を使用しています。

この理由は、溝の浅いライフリングとの摩擦を軽減し、銃身の寿命を延ばすために「ジャケット不使用」の設計となっています。

.45 Auto Rim弾は低速弾のため、ジャケット不使用でも問題が少ないです。

しかし、高速弾でジャケット不使用の場合、摩擦で溶けた鉛がライフリングの溝を埋めて固着する「レッディング」が起こるため、ジャケットやガスチェック※を使用するなど、何らかの対策が必須です。

ガスチェック(Gas check)とは、高圧の弾薬で使用されるガス漏れを防ぐための金属製の部品です。ジャケットなしの鉛弾で使用され、銃身内の鉛の堆積を防ぎ、精度を向上させます。

  • 構造
    • ガスチェックは、銅や亜鉛、アルミニウムなどの金属で作られた薄いカップ状またはディスク状の部品で、弾頭の底部に取り付けられます。
  • 目的
    • 高圧によるガス漏れ(ガスカット)が弾薬の後部から発生し、鉛の堆積や弾薬の不安定さを引き起こします。ガスチェックは、弾薬の底部に硬い金属の層を作り、ガス漏れを防ぎます。
  • 用途
    • 主に高圧のカートリッジ(.44 Magnum、.357 Magnum、10mm Autoなど)や、古い軍用ライフルで使用されます。これらの弾薬は高い速度と圧力で発射されるため、ガスチェック付きの鉛弾が使用され、銃身の鉛汚れを防ぎます。

同じ規格の弾頭において、一般的に、フルメタルジャケット弾(FMJ)よりもレッドブレット(鉛弾)の方が大きい弾頭直径が利用されます。

例えば、.45 ACP弾ではFMJが0.452インチ(11.481 mm)、鉛弾が0.453インチ(11.506 mm)となっています。

この理由は以下のとおりです。

  • シール効果:
    • 銃身の内径を完全にシールすることが重要です。シールが不完全だと、高温高圧のガスが脆弱な鉛弾頭側面を通り抜け、溶けた弾頭が破損したりバランスが不安定になる可能性があります。そのため、通常の鉛弾はジャケット付きの弾頭よりも0.001インチ程度大きく作られており、これによって銃身の内径をしっかりとシールできます。
  • レッディング:
    • 弾頭と銃身の隙間が大きいと、高圧ガスが鉛を削ることで銃身内に残渣が生じ、精度低下や余分なクリーニングが必要になります。
  • 精度向上:
    • 鉛弾が銃身内でしっかりとフィットすると、より良い精度を発揮しやすくなります。
  • リボルバーの問題:
    • リボルバーの場合、シリンダーギャップ(銃身とシリンダーの隙間)が存在するため、弾頭直径が小さいと多量のガスが弾頭を追い越す状態となり、シリンダーギャップ通過時に精度に悪影響を及ぼしやすくなります。

.45口径弾の種類

レバーアクションライフル画像

.45口径には様々な種類の弾薬が存在します。

同じ.45口径でも、種類によって弾頭重量や弾速が異なり、威力も異なります。

以下は.45口径弾の比較です。(数値は目安です)

弾薬弾頭重量銃口初速マズルエナジー
.450 Adams
(19世紀の英軍リボルバー用)
225 gr700 fps250 ft-lbf
.45 Schofield
(19世紀のリボルバー用)
230 gr750 fps300 ft-lbf
.45 ACP
(多用途ピストル用)
230 gr830~850 fps350~368 ft-lbf
.45 Auto Rim
(リボルバー用)
230 gr850 fps370 ft-lbf
.45 Colt
(リボルバー用)
255 gr855 fps400 ft-lbf
.45 GAP
(警察・護身ピストル用)
185~230 gr950~1,100 fps450 ft-lbf
.45 Super
(護身・狩猟用)
185~230 gr1,100~1,300 fps500~700 ft-lbf
.45 Win Mag
(狩猟用拳銃弾)
260 gr1,200 fps800 ft-lbf
.45 Auto Mag
(狩猟用拳銃弾)
135~230 gr1600~1800 fps1000~1300 ft-lbf
.454 Casull
(大型獣狩猟用)
240~300 gr1,500~1,900 fps1,600~2,000 ft-lbf
.45-70 Gov’t
(大型獣狩猟用)
(旧軍用ライフル弾)
300~500 gr1,250~2,350 fps1,405~3,678 ft-lbf
.460 S&W Mag
(大型獣狩猟用)
200~300 gr2,000~2,300 fps2,400 ft-lbf
.450 Bushmaster
(大型獣狩猟用)
250~300 gr1,900~2,200 fps2,405~2,794 ft-lbf
.45 Raptor
(大型獣狩猟用)
230~325 gr2,200~2,500 fps2,300~3,500 ft-lbf
.458 SOCOM
(軍・狩猟用ライフル弾)
300~500 gr1800~2200 fps2500~4500 ft-lbf
.458 Winchester Magnum
(大型獣狩猟用)
450~510 gr1,950~2,250 fps4,000~5,300 ft-lbf
.460 Weatherby Magnum
(大型獣狩猟用)
450~500 gr2,500~2,700 fps6,000~7,500 ft-lbf
gr = グレイン fps = フィート/秒 ft-lbf = フィート重量ポンド

このデータから、.45口径の弾薬にはさまざまな種類があり、それぞれ威力や用途が大きく異なることがわかります。

例えば、.45 ACP弾は比較的扱いやすく、軍や警察、護身用などに使用されます。

一方で、.454 Casullや.460 S&W Magnumなどの弾薬は、強力な運動エネルギーを持ち、狩猟に適しています。

なかでも特に強力な.460ウェザビーマグナムなどは、アフリカで象狩りに使用されます。

同じ「.45口径」でも、弾薬の種類によって性能が異なるため、用途に応じて選ぶ必要があります。

.45口径弾と口径バリエーション

マグナムリサーチBFR画像
BFR 454カスール Image courtesy of Magnum Research

.45口径弾を使用可能な銃には、モデルによって.45口径弾以外の「口径バリエーション」が展開されていることがあります。

例えば、強力なリボルバーである「マグナムリサーチBFR(Magnum Research BFR)」は、以下の弾薬に対応しています。

.45口径弾その他の対応弾薬
.45 Colt/.410
.45-70 Government
.450 Marlin
.460 S&W Magnum
.454 Casull
.30-30 Winchester
.350 Legend
.360 Buckhammer
.444 Marlin
.500 S&W Magnum
.50 Beowulf
.500 Bushwhacker
.22 Hornet
.357 Magnum
.44 Remington Magnum
.480 Ruger/.475 Linebaugh
.50 Action Express
.500 JRH
.500 Linebaugh

これらは同じモデルでもシリンダーやフレームの大きさが異なり、それぞれの弾薬に対応する強度が備わっています。

例えば、シリンダーの全長が短い「ショートシリンダー」のモデルでは、.357マグナム弾や.44マグナム弾を使用できます。

一方、シリンダーの全長が長い「ロングシリンダー」のモデルでは、.30-30 ウィンチェスター弾や.350 レジェンド弾を使用できます。

1911ピストルの画像

.45 ACP弾を使用することで有名な1911ピストルも、以下の弾薬に対応するモデルが存在します。

  • .22 LR
  • 9mm
  • .357 SIG
  • .38 Super
  • .40 S&W
  • .45 ACP
  • .45 Super
  • 10mm Auto
  • .460 Rowland

銃を選択する際には、こうした口径バリエーションが存在することを知っておくことが重要で、それにより以下のメリットがあります。

  • 用途や経験に応じて自分に合った最適な弾薬を選べる。
  • 目的に応じて護身用や練習用などに適した弾薬を選ぶことができる。
  • 弾薬の価格や入手しやすさを考慮できる。
  • 異なる弾薬を試すことで、射撃の楽しさが広がる。
  • 目的に応じて適切な反動の銃を選べるようになる。
  • 自分に合った銃を選ぶことで、安全に使用できる。

例えば、用途別には弾薬コストが安い.22LR弾を射撃練習用として使用したり、強力な10mm Auto弾を鹿やイノシシなどの狩猟に使用するといった使い分けが可能です。

.45 ACP(オートマティック・コルト・ピストル)の概要

45ACPの画像

.45 ACP(オートマティック・コルト・ピストル)は、1904年にジョン・モーゼス・ブローニングによって設計された強力なハンドガン用カートリッジです。

元々はコルトのセミオートマチック・ピストル用に開発され、後にM1911ピストルの標準弾薬として採用されました。

  • 主な特徴
    • 口径: 11.43mm(0.45インチ)
    • 弾頭重量: 一般的には185グレイン~230グレイン
    • 銃口初速:
      • 弾頭重量230グレインで850~1,000フィート毎秒
      • 弾頭重量185グレインで1,000~1,200フィート毎秒
    • マズルエナジー: 230グレインの弾頭で350~500フィート・ポンド

  • パフォーマンス
    • ストッピングパワー(対象を無力化する能力): 大きな弾頭直径が広い傷口を作り、対人用として効果的です。
    • 亜音速弾: 多くは音速を下回るためソニックブームが発生せず、サプレッサー使用時に銃声を抑えられます。
    • 中程度の反動: 初心者にとっては大きな反動と感じやすいですが、多くの射手にとってコントロール可能なレベルです。
    • 精度: 25ヤード(23 m)で2~3インチ(5~7.6 cm)以内の集弾が可能です。

  • 弾道性能
    • 弾道: 長距離では中程度のドロップ量があり、最大50ヤードまでの射撃で有効です。
    • 貫通力: 重い弾頭による深い貫通性能が特徴です。
    • エネルギー伝達: ターゲットに効率的にエネルギーを伝え、ストッピングパワーを高めます。
筆者
筆者

有効射程距離は銃の各モデルによって異なります。私はベレッタ92FS(9mm)と1911ピストル(.45 ACP)を使用して100ヤード(約91m)の距離を実射したのですが、弾道がフラットな9mmよりも.45 ACPの方が命中率が高くなりました。弾道性能的に9mmの方が命中させやすいはずですが、1911ピストルの優れたシングルアクション・トリガーによって高い命中率が発揮されました。もし異なる銃で試せば、結果も異なるでしょう。

.45 ACP弾の歴史年表

西暦出来事
1899年 – 1902年米比戦争で.38ロングコルト弾のストッピングパワー不足が判明。
1904年トンプソン=ルガードテストで.45口径の必要性が結論付けられる。
1904年ジョン・モーゼス・ブローニングが.45 ACP弾の開発開始。
1905年コルト社がM1905ピストルを発表し、新弾薬を試験。
1906年アメリカ陸軍が新型ピストルと弾薬の採用試験を開始。
1910年コルトM1911が試験を通過し、制式採用決定。
1911年M1911ピストルと.45 ACP弾が正式採用。
1911年8月フランクフォード造兵廠で最初の生産が開始。
1917年M1917リボルバー(.45 ACP対応)が開発される。
1940年 – 1945年第二次世界大戦中、アメリカおよび連合国で広範に使用。
1942年.45 ACP弾の軍用パッケージが50発入りカートンに変更。
1943年M12(T23)ショットシェルが開発されるが、湿気対策でM15に置き換え。
1956年オーストラリア軍が.45 ACP(.450-inch, ball Mk IIz)を使用開始。
1985年アメリカ軍がM1911A1に代わり9mmのM9ピストルを制式採用。
1990年代特殊部隊や法執行機関で使用が続く。
2000年代以降ホローポイント弾やサプレッサー対応弾薬が開発され、人気が持続。
2012年アメリカ海兵隊がM45A1 CQBPを採用。
2022年9mmピストル(M17/M18)への変更により、アメリカ軍での.45 ACP弾の使用が終了。

.45 ACP弾を使用する代表的なピストル

.45口径のピストルは多種多様ですが、代表的なモデルを一部紹介します。

Glock 21(グロック21)

GLOCK21ピストル画像
Glock 21 Gen3 Jmm1713, Public domain, via Wikimedia Commons

Glock 21は、.45 ACP弾を使用するフルサイズのセミオートマチックピストルです。

信頼性、精度、大容量のハイキャパシティー・マガジンが特徴。

法執行機関用や民間での護身用など、幅広い用途で人気があります。

Glock 21には以下の特徴があります。

  • 耐久性が高く軽量なポリマーフレーム。
  • 3つの自動安全機構を搭載した「Glock Safe Action」システム(全グロックモデル共通)。
  • .45 ACPピストルとしては多いマガジン容量(13発)。
  • グリップを自分の手に合わせて調整可能なモジュラー・バックストラップシステム(MBS)搭載。
  • Gen4、Gen5などの世代があり、各モデルを改良。

最新のGen5バージョンでは、いくつかの改良が加えられています。

  • グロック・マークスマン・バレル(GMB)により精度向上。
  • nDLC表面処理により耐食性向上。
  • フィンガーグルーブ廃止によりエルゴノミクス向上。
  • フレアード・マグウェルにより確実なマガジン交換が可能。
  • アンビ対応のスライドストップレバーによる左右対称の操作が可能。
  • MOS(Modular Optic System)によりドットサイトなど光学機器搭載可能。

Glock 21は、.45 ACP弾の強力な威力を持ちながらも、反動は比較的抑えられており、長期運用でも快適に使用できます。また、メンテナンスが簡単です。

派生モデルのGlock 21SF(ショートフレーム)モデルでは、トリガーからグリップ後部までの距離が2.5mm短縮され、手の小さい射手でもグリップしやすくなっています。

筆者
筆者

Glock 21は2000年代に耐久性の問題やリコールがあり、初期のモデルで排莢不良が指摘されていました。しかし、それも改善され信頼性の高いモデルとなっています。長年、複数の法執行機関で採用された実績があり、.45 ACPファンから高い評価を得ています。映画「イレイザー」ではアーノルド・シュワルツェネッガーが使用していました。

Glock 30(グロック30)

Glock30ピストル画像
Glock 30 Gen3 Jan Hrdonka en:User:Hrd10, Public domain, via Wikimedia Commons

Glock 30は10mmオートのGlock 29をベースに.45 ACP弾仕様にしたバージョンです。

携帯しやすく、.45口径でありながら装弾数10発を誇るサブコンパクト・ピストルで、コンシールドキャリー(隠匿携帯)用として高く評価されています。

搭載されたデュアルリコイルスプリング・アッセンブリーにより、反動吸収に優れます。

Glock 30には以下のバリエーションが存在します。

  • Glock 30
    • 使用弾薬:.45 ACP
    • Glock 29(10mmオート)をベースにしたサブコンパクトモデル。
    • スタンダードマガジンは装弾数10発(+1発のベースプレート付き)。
    • フラッシュベースプレートを装着すると装弾数9発でよりコンパクトに変更可能。
    • Glock 21の13連(+1発で14連)マガジンも使用可能。

  • Glock 30SF(ショートフレーム版)
    • Glock 30と同じ幅のフレームを採用しつつ、トリガーリーチを2.5mm短縮。
    • Glock 30およびGlock 21と同じダブルスタック.45 ACP弾用マガジンが使用可能。

  • Glock 30S(スリムスライド版)
    • スライドがG36と同じ薄型設計。
    • ショートフレーム採用でグリップがコンパクト。
    • Glock 30およびGlock 21のダブルスタックマガジンが使用可能。
    • 装弾数はG30と同じ10発。
筆者
筆者

Glock 30はダブルスタックで.45 ACPの反動吸収能力に優れます。他のGlockモデルとマガジンの互換性が高いのも人気の理由です。しかし、フルロード状態で重量955 gとなり、携帯用としては重さが気になるところです(フルサイズのG17はフルロードで915 g)。アニメ「カウボーイビバップ」でフェイ・ヴァレンタイン(CV:林原めぐみ)が所持していたことでも有名なモデルです。

Glock 36(グロック36)

GLOCK36ピストル画像
Glock 36 Gen3 Z6ehswhha5HGRTd, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

Glock 36は、コンシールドキャリー用に設計された、コンパクトなシングルスタック※の.45 ACPピストルです。

携帯性と信頼性を兼ね備えたモデルとして、多くのユーザーから高く評価されています。

  • シングルスタックとは、マガジン内で弾薬が一列に並んだスリムな設計です。.45口径のピストルでは弾薬径が大きいため、設計にシングルスタックが利用されやすい傾向があります。
    • メリット:銃の厚みを薄く設計可能で、携帯性が高い。
    • デメリット:ダブルスタック(複列)と比較して装弾数が少ない。

Glock 36には以下の特徴があります。

  • コンシールドキャリーに最適なコンパクトサイズ
    • スリムなシングルスタック設計により、長時間の携帯でも目立たず快適です。
    • 軽量なポリマーフレームが日常的な携帯時の疲労を軽減します。
  • 優れたエルゴノミクス
    • 狭めのグリップとトリガーからグリップまでの距離が短いため、手の小さい人でもしっかりと握りやすく、安定してコントロール可能です。
  • 高い信頼性
    • 他のGlockシリーズ同様、Glock 36も様々な状況下でも信頼性が高く、長期間使用でも耐久性を維持します。
  • 高い精度
    • サブコンパクト.45 ACPピストルとして、近距離(7~25ヤード)での精度が優れています。
  • 簡単なメンテナンス
    • Glockのシンプルなデザインはクリーニングとメンテナンスを簡単にし、初心者から経験者まで誰でも扱いやすいです。
  • 充実したアクセサリー類
    • トリガーのアップグレードやナイトサイト、ホルスターなど、さまざまなアフターマーケットアクセサリーが豊富に取り揃えられています。(ただし、マガジンの互換性が低い)

Glock 36は信頼性が高いピストルですが、装弾数(6+1発)は、Glock 30やFN FNX-45 Tacticalなどの他のモデルに比べると少ないというデメリットがあります。

また、.45 ACP口径のため、反動はやや強く感じられ、マズルジャンプが激しくなりがちです(個人差にもよる)。

筆者
筆者

Glock 36は同社初のシングルスタック・マガジンを採用したモデルです。そのため他のGlockモデルのマガジンと互換性がありません。サブコンパクトモデルのGlock 30と比較されることが多く、評価は装弾数が多いGlock 30の方が高い傾向があります。.45口径ピストルではグリップが太い方が反動をマイルドに受け止められるため、スリムなグリップが仇となる場合があります。

FN FNX-45 Tactical

FN FNX 45 タクティカル画像
画像出典:fnamerica.com

FN FNX-45 Tacticalは、タクティカル用途、ホームディフェンス、そして射撃場での使用を目的に設計された、フルサイズの多機能.45 ACPピストルです。

FN FNX-45 Tacticalには以下の特徴があります。

  • 口径と装弾数:
    • .45 ACPピストルとしてはハイキャパシティーのマガジン装弾数15発。
  • 銃身:
    • 銃身は5.3インチのステンレススチール製。
    • サプレッサーやコンペンセーター用の標準的なスレッドパターン(0.578×28)が施されたスレッドマズル装備。
    • 信頼性の高い給弾を実現するために備わった、ポリッシュ仕上げのチャンバーとフィードランプ。
  • 光学機器対応デザイン:
    • スライドにはドットサイトの搭載に対応した複数の取り付けベースが備わっています。
    • サプレッサーや光学機器と併用できるよう、3ドットトリチウムナイトサイトが標準装備されています。
  • アンビ設計:
    • 完全なアンビ対応のデコッカー/セイフティレバー、スライドストップ、マガジンリリース装備。
    • 左利きでも右利きでも快適に操作可能な設計です。
    • セイフティはレバーを押し上げるとオン。押し下げるとセイフティが解除されたのち、デコックされハンマーがレスト状態になります。
  • エルゴノミクス(人間工学):
    • チェッカードポリマーフレームと交換可能なバックストラップにより、カスタマイズ可能なグリップを採用。
  • 耐久性:
    • ステンレススチール製のスライドに耐腐食性仕上げ(フラットダークアースまたはブラック)を施しており、過酷な環境にも耐える設計。
  • アクセサリーマウント対応:
    • フレームにはピカティニーレールが組み込まれており、ライトやレーザーの取り付けが可能。
  • ダブル/シングルアクショントリガー(DA/SA):
    • ダブルアクションとシングルアクションに対応。
  • 精度:
    • ロングバレルにより優れた精度を誇ります。
    • 多くのユーザーが長射程でもタイトな集弾を報告しています。
  • 反動処理:
    • 強力な口径にもかかわらず、ピストルの重量(944g)によって反動を軽減します。
  • 信頼性:
    • 堅牢な作りと、標準および高圧弾(+P弾)を含むさまざまな弾薬に対する信頼性の高さで知られています。
  • タクティカル用途:
    • 軍や法執行機関向けに設計されており、サプレッサー対応、光学機器対応設計、ハイキャパシティーマガジンなど、タクティカル用途で優れた性能を発揮します。

FNX-45 Tacticalはフルサイズ(全長8.6インチ、全高6.5インチ)のピストルで重量も重いため、コンシールドキャリーには適していません。

法執行機関やホームディフェンス用に適しています。

筆者
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反動を処理しやすく.45 ACP弾でも撃ちやすいピストル。1300ドルという高価なピストルですが、高性能で高く評価されています。亜音速弾である.45 ACP弾はサプレッサーの効果を引き出せます。FPSゲームに登場することが多いため、知名度が上昇しています。

SIG SAUER P220 LEGION

SIG P220 LEGIONピストル画像
画像出典:sigsauer.com

P220 LEGIONは、.45 ACP弾、または10mmオート弾を使用するSIG社のピストルです。

オリジナルのP220は9mm口径として開発され、日本の自衛隊では「9mm拳銃」として採用されましたが、現在、SIG社のP220 9mm口径モデルは生産終了しています。

LEGIONは「ローマ軍団(3000~6000名)」を意味する言葉で、日本語では「レギオン」、英語発音では「リジョン(liːdʒ(ə)n)」と呼ばれます。SIG社は特別仕様という意味を込めて命名しました。

LEGIONはP220を進化させたモデルで、以下の特徴があります。

  • フィニッシュ
    • LEGIONモデルは、独自のLEGIONグレーPVDコーティングが施されています。
  • グリップ
    • LEGION専用のG-10カスタムグリップに、LEGIONのメダリオンが埋め込まれています。
  • サイト
    • SIG SAUER製のElectro-Optics X-RAYデイ/ナイトサイトを標準装備し、視認性が向上しています。
  • フレームの改良
    • 小型化されたエリートビーバーテイル装備。
    • フロントストラップ(グリップ前面)のチェッカリングをより深く加工。
    • トリガーガード下部にX-Fiveアンダーカットを追加し、よりハイグリップを可能に。
  • コントロール系
    • デコッキングレバーとスライドキャッチレバーをロープロファイル化し、引っかかりを軽減。
  • トリガー
    • SRT(ショートリセットトリガー)を搭載。
    • Grayguns社設計のP-SAITトリガーを採用し、トリガーフィーリングを向上。
  • ガイドロッド
    • LEGIONモデルには、標準のポリマーロッドではなく、スチールガイドロッドを採用。
    • フロントヘビーによりマズルジャンプを軽減します。
  • スライド
    • フロントセレーション(スライド前部の滑り止め加工)を追加し、操作性を向上。
  • 光学サイト対応
    • 後期モデルではスライドに光学サイト(レッドドット)用のカットが施され、ドットサイトを搭載可能。
  • 装弾数
    • 標準で装弾数8発のマガジンが3本付属。

LEGIONモデルは、これらのアップグレードにより価格が高くなっていますが、高性能を求めるユーザーには魅力的な選択肢となっています。

筆者
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P220 LEGIONはオリジナルよりもエルゴノミクスが進化し、扱いやすいモデルとなっています。しかし、.45 ACPモデルは1400ドル、10mmオートモデルは1900ドルという価格で、安くはありません。中古のP220 .45 ACPモデルであれば数百ドルで購入できるため、かなり高価に感じます。また、現代ピストルの水準では大き目のサイズに当たるため、小柄なユーザーはグリップに注意が必要でしょう。映画「ヒート」ではロバートデニーロがP220を使用しており、ルックスの良いピストルです。

Colt M1911A1(1911シリーズ)

コルトM1911A1ピストル画像
コルトM1911A1 M62, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

M1911ピストルは、20世紀初頭にジョン・モーゼス・ブローニングが設計したピストルです。

1911年にアメリカ陸軍正式採用となったことからモデル1911が命名され、二つの世界大戦から朝鮮戦争、ベトナム戦争まで長きにわたりアメリカ軍のサイドアームとして活躍しました。

1930年代に特許が失効したため、ブラジル、スペイン、メキシコ、アメリカなどで、数多くのメーカーによってライセンス契約なしで製造されています。

M1911とM1911A1の違い

M1911A1は1924年に採用され、オリジナルのM1911からいくつか改良が加えられました。

  • サイト:M1911A1はフロントサイトが厚くなり、視認性が向上。
  • メインスプリングハウジング:M1911A1はアーチ型、M1911はフラット型。
  • グリップセイフティ:M1911A1はハンマースパーが長くなり、ハンマーバイト※を防止。
  • トリガー:M1911A1は短くなり、小さい手にも対応。
  • フレーム:M1911A1はトリガー後方にくぼみを追加し、指のスペースを確保。
  • ハンマー:M1911A1はハンマースパーを短縮。
  • グリップパネル:M1911はダイヤモンドチェッカー入り木製、M1911A1はシンプルなプラスチック(ベークライト)製。
  • フロントストラップ:M1911A1は滑り止めのセレーションを追加。

※ハンマーバイトとは、親指の付け根の皮膚をハンマーとグリップセイフティの間に挟む事故です。

M1911シリーズには以下の特徴があります。

  • 反動利用機構:
    • M1911はショートリコイル作動方式を採用した初期のピストルで、ボーチャードC93(1893年)やマウザーC96(1896年)に続く、成功を収めた反動利用機構を採用したピストルです。
    • 銃身とスライドが一緒に後退し、ロックが解除された後に薬莢を排出します。
    • このシステムは高圧で強力な弾薬を使用可能にし、スムーズな排莢と装填を実現します。
  • シングルアクショントリガー:
    • トリガーはコックされたハンマーを開放する機能しかないシンプルな構造のため、シャープで切れの良いトリガープルを持ち、高い命中精度を誇ります。
  • 安全機構:
    • 正しく握らないと発射しないグリップセイフティと、手動のサムセイフティが装備されています。
  • 堅牢な構造:
    • 初期のM1911はスチールフレームで作られており、耐久性とバランスに優れています。
  • カスタマイズ性:
    • M1911は非常にカスタマイズがしやすく、調整可能なサイト、拡張されたサムセイフティ、ビーバーテイルグリップセイフティ、アップグレードされた銃身など、さまざまなオプションがあります。
  • 現代の1911は、さまざまなフレームサイズを展開しています。
    • ガバメントフレーム: 5インチのバレルを持つフルサイズモデルで、法執行機関やホームディフェンスに最適。
    • コマンダーフレーム: 銃身長4.25インチのコンパクトバージョンで、コンシールドキャリーに最適。
    • オフィサーフレーム: 銃身長3.5インチのサブコンパクトバージョンで、より高い隠匿性を持つ。

オリジナルと現代の1911ピストルの違い

現代の1911ピストルは、オリジナルの1911A1デザインから大きく進化しており、性能、エルゴノミクス、信頼性を向上させるさまざまな改良が施されています。主に以下の違いがあります。

  • 材料と構造
    • 現代の1911はステンレス鋼や最先端の合金を使用。
    • オリジナルの1911A1は炭素鋼製。
    • 現代のモデルは精密CNC加工により、より厳密な公差と信頼性を確保。
  • サイト
    • 現代の1911は、トリチウムナイトサイトや調整可能なターゲットサイトなど、改善されたサイトを装備。
    • 1911A1は、基本的な固定サイトで、フロントサイトが太め。
  • エルゴノミクス
    • 現代の1911は、グリップテクスチャーやエルゴノミクスが向上。
    • 一部のモデルには、左右両用のアンビレバーを搭載。
  • 安全機能
    • 現代の1911には、ファイアリングピンブロックなどの追加の安全機構を備えているモデルが存在。
    • 1911A1は、グリップセイフティとマニュアルサムセイフティを装備。
  • カスタマイズ
    • 現代の1911は、ライトやレーザーを取り付けるためのアクセサリーレールを搭載。
    • さまざまなグリップパネルや仕上げのカスタマイズオプションが増加。
  • 性能向上
    • 現代の1911は、精度と信頼性を向上させるために改良されたバレル、トリガー、フィードランプを装備。
    • 一部のモデルには、デュアルスプリングリコイルシステムなど、リコイル軽減システムが搭載。
  • 口径の選択肢
    • オリジナルの1911A1は.45 ACP弾を使用していたが、現代のモデルは9mm、.40 S&W、10mmなどさまざまな口径を選択可能。
  • 装弾数の増加
    • オリジナルのマガジン装弾数は7発。
    • 現代の1911ピストルではシングルスタックの8発からダブルスタックの16発(.45 ACP)まで様々なマガジンを用意。

筆者
筆者

私がアメリカで1911ピストルを所有し学んだことのひとつに、「どんなに高性能な銃でも、マガジンの品質が悪ければ性能を発揮しない」があります。ジョン・ブローニングが1911を設計した時代には、現代のホローポイント弾は存在しませんでした。異なる弾頭形状の弾薬を確実に薬室に装填するには相応の再設計が必要で、正常動作にはマガジンの役割が大きいといえます。射撃場で使用するだけなら問題ありませんが、護身用とする場合は、信頼性の高い1911ピストルであっても、マガジンと使用弾薬の相性確認が必須です。

H&K HK45

HK45Cピストル画像
HK45C Ckindel, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ヘッケラー&コッホ(H&K)社のHK45は、.45 ACP弾を使用するセミオートマチックピストルで、軍や法執行機関の要求を満たす設計がされています。

また、民間市場でも販売され、その信頼性と耐久性から高く評価されています。

HK45には以下の特徴があります。

  • 作動方式:
    • 反動利用式。
    • 改良されたブローニング・ロッキングシステム採用。
  • アクション:
    • DA/SA(ダブルアクション/シングルアクション)に対応。
  • マガジン装弾数:
    • スタンダード:10発
    • コンパクト:8発
  • MIL-STD-1913ピカティニーレール:
    • アクセサリー用のインテグラルピカティニーレールを装備。
  • エルゴノミックグリップ:
    • 交換可能なバックストラップ(小・中)で、個々の手にフィット。
  • アンビ操作系統:
    • スライドリリースとマガジンリリースを左右両側に配置。
  • Oリングバレル:
    • バレルとスライドのロックアップ精度を向上。
  • ポリゴナルライフリング:
    • 精度向上とバレル寿命の延長に効果的なライフリングを装備。
  • ポリマーフレーム構造:
    • 耐久性と軽量化を両立。
  • モデル
    • HK45: 標準的なフルサイズモデル。
    • HK45コンパクト: コンシールドキャリーに適した短いバレルとグリップ。
    • HK45タクティカル: サプレッサー使用のためにスレッド付きバレルを装備。

HK45は、2010年に第三者機関による5万発の耐久テストをクリアし、その堅牢な設計と長寿命を証明しました。

HK45コンパクトタクティカルは、2011年にアメリカ海軍特殊戦コマンド(SEALs)によって「MK 24 MOD 0」として採用されています。

H&Kの技術と現代的なエルゴノミクスを融合させたモデルであり、軍や法執行機関での使用の他、民間での護身用からスポーツシューティングに至るまで広く使用されています。

筆者
筆者

作動不良の平均間隔(MRBS)が2万5千発という信頼性の高いピストルです。ノンクリーニングで1万発を超える発射が可能だったというテスト結果もあります。しかし、一方で「蓄光サイトが低レベル」「マガジンが高価」「DAトリガーが重い(14ポンド)」「組立が難しい」といった厳しい評価もあります。映画「ザ・ウォーカー」ではデンゼル・ワシントンが使用していました。

S&W M&P 45

S&W M&P 45画像
S&W M&P 45 Picanox, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

スミス&ウェッソン社のM&P 45は、.45 ACP弾を使用するポリマーフレームのセミオートマチックピストルです。

信頼性、エルゴノミクス(人間工学)、および汎用性に優れ、軍や法執行機関、民間で広く使用されています。

M&P 45には以下の特徴があります。

  • 基本仕様
    • 使用弾薬: .45 ACP
    • 銃身長: 4.5インチ(フルサイズ)、4インチ(コンパクト)
    • マガジン装弾数: 10発(スタンダード)、8発(コンパクト)
    • トリガープル: 約6.5〜7.0ポンド
  • 作動機構
    • ストライカー方式
    • ショートリコイル
  • フレームとスライド
    • フレーム: ポリマー製フレームにステンレススチール製シャーシを組み合わせ、耐久性を向上。
    • スライドとバレル: ステンレススチール製で、メロナイト処理が施されており、硬度と耐腐食性が強化。
    • スライドプロファイル: ロースライドプロファイルで、マズルジャンプを抑制し、速射性向上。
  • グリップ
    • 交換可能なグリップインサート: 3サイズのグリップインサートで、個々の手に合わせたカスタマイズが可能。
    • 18度のグリップ角度: 自然な照準を可能にするグリップ角度。
    • テクスチャードグリップ: 優れたコントロール性を可能にする滑りにくいグリップ。
  • 照準・安全装置
    • サイト: 3ドットサイト(オプションでトリチウムナイトサイトも利用可能)
    • オプションのアンビマニュアルサムセーフティ: アンビ対応のマニュアルセイフティがオプションで選択可能。
  • バリエーション
    • フルサイズ M&P 45: 標準的なフルサイズモデル。
    • コンパクト M&P 45C: ショートバレルとグリップで携帯性を向上。
    • M&P 45シールド: サブコンパクト版で、より携帯が容易なサイズ。
  • その他の特徴
    • ピカティニーレール: アクセサリーの取り付けが可能。
    • フィニッシュバリエーション: ブラックやフラットダークアース(FDE)など、さまざまな表面仕上げが選択可能。
    • スミス&ウェッソン社の生涯保証サービス: 無期限の保証を提供。
筆者
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命中精度や信頼性に定評があり、グリップも比較的評価が高いモデルです。改良版のM2.0が登場したことで悪評が多かったトリガープルの評価が高くなりました。9mm版のM&P9と比較すると.45 ACP弾は反動が大きいため、人を選ぶモデルといえます。法執行機関ではマサチューセッツ州警察が採用していますが、ほとんどの機関はM&P9やM&P40を採用しているため、M&P45を採用しているのはレアといえます。メディアへの露出も滅多に見られません。

各ピストルの大きさと重量

以下は各モデルの大きさと重量です。

全て.45 ACP弾を使用するモデルです。

モデル名全長高さ銃身長重量
Glock 21205 mm34 mm140 mm117 mm830 g
Glock 30177 mm35 mm122 mm96 mm745 g
Glock 36177 mm30 mm120 mm96 mm635 g
FN FNX-45 Tactical218 mm40 mm165 mm135 mm944 g
SIG SAUER P220 LEGION196 mm34 mm140 mm111.76 mm862 g
Colt M1991A1216 mm34 mm140 mm127 mm1,100 g
H&K HK45204 mm39 mm144 mm113 mm770 g
S&W M&P 45201 mm33 mm142 mm117 mm845 g

.45口径のハンドガン一覧

USP 45CT画像

.45口径に対応したハンドガンには、以下のようなモデルが存在します。

9mm口径や10mm口径として開発されたモデルでも、.45口径弾の口径バリエーションが展開されています。

ピストル

  • ALFA Defender: チェコ製のコンパクトピストル。
  • ALFA Combat: 高精度なパフォーマンスを持つチェコ製のセミオートピストル。
  • AMT Backup: 小型で携帯しやすいアメリカ製のバックアップピストル。
  • AMT Hardballer: .45 ACP弾を使用するアメリカ製のフルサイズピストル。
  • AMT Skipper: 高い信頼性を持つアメリカ製のコンパクトなピストル。
  • Astra A-80: スペイン製の多機能セミオートピストル。
  • Ballester–Molina: アルゼンチン製の.45 ACP弾を使用するピストル。
  • Beretta 8000: ベレッタ社製、コンパクトなセミオートピストル。
  • Beretta Px4 Storm: 高い耐久性と精度を誇るイタリア製のピストル。
  • BFD 1911: アメリカ製の.45 ACP弾を使用する1911スタイルのピストル。
  • Bren Ten: 10mmオート弾を使用するアメリカ製のセミオートピストル。
  • Colt Double Eagle: ダブルアクション機構を持つアメリカ製のピストル。
  • Colt Officer’s ACP: コンパクトな1911スタイルのアメリカ製ピストル。
  • Colt OHWS: コルト社製のUS SOCOM用ピストル。
  • Continental Weapons Griffon: 南アフリカ製の.45 ACP弾対応のセミオートピストル。
  • CZ 97B: チェコ製の.45 ACP弾を使用するセミオートピストル。
  • DOSS SH.A.R. Psh-45: ウクライナ製の.45 ACP弾使用ピストル。
  • FitzGerald Special: コルト社製のカスタム1911ピストル、コンパクト化されたモデル。
  • FN FNP: ベルギー製の高精度なピストル。
  • FN FNX: 多機能な.45 ACP弾ピストルで、アメリカ製もある。
  • FP-45 Liberator: 第二次世界大戦中にアメリカが製造した低コストのピストル。
  • Glock 21: グロック社製の.45 ACP弾対応フルサイズピストル。
  • Glock 30: コンパクトな.45 ACP弾ピストル。
  • Glock 36: 薄型の.45 ACP弾ピストル。
  • Glock 41: 長い銃身長を持つ.45 ACP弾ピストル。
  • Heckler & Koch HK45: 高耐久性を誇るドイツ製の.45 ACP弾ピストル。
  • Heckler & Koch Mark 23: ヘッケラー&コッホ製の軍用ピストル。
  • Heckler & Koch USP: ドイツ製で、多機能なセミオートピストル。
  • Hi-Point Model JHP: アメリカ製で、手頃な価格の.45 ACP弾ピストル。
  • HS2000: クロアチア製のコンパクトで精度の高いピストル。
  • IWI Jericho 941: イスラエル製の多機能セミオートピストル。
  • Kahr P series: アメリカ製のコンパクトなピストルシリーズ。
  • Kahr PM series: 小型で信頼性の高いアメリカ製ピストルシリーズ。
  • Kimber Custom: アメリカ製の1911スタイルのピストル。
  • LaserAim 45: アメリカ製の.45 ACP弾を使用するコンパクトなピストル。
  • Lewis Automatic Pistol: アメリカ製の第一次世界大戦時の自動ピストル。
  • M15 pistol: アメリカ製の軍用ピストル。
  • M1911: 世界的に有名なアメリカ製の.45 ACP弾ピストル。
  • Malinnov 1911: マレーシア製の1911スタイルのピストル。
  • Metro Arms SPS: スペイン製の.45 ACPピストル。
  • MEU(SOC) pistol: 米海兵隊特殊部隊が使用するカスタム1911ピストル。
  • M.R. M1911: アメリカ製のカスタム1911ピストル。
  • Obregón pistol: メキシコ製の.45 ACP弾ピストル。
  • P10, P12, P14, LDA: カナダ製のさまざまな弾薬に対応するピストル。
  • Pardini GT45: イタリア製の競技用.45 ACPピストル。
  • Revol Arms DL45: アメリカ製の.45 ACPピストル。
  • RIA 1911: フィリピン製の1911スタイルのピストル。
  • Ruger P90: アメリカ製の.45 ACPピストル。
  • Ruger P97: アメリカ製の.45 ACP弾ピストル。
  • Ruger SR45: アメリカ製のコンパクトな.45 ACPピストル。
  • Semmerling LM4: アメリカ製のコンパクトな.45 ACPピストル。
  • Semmerling XLM: セミオートマチック機構を持つ.45 ACPピストル。
  • SIG Sauer P220: スイス製の.45 ACP弾使用ピストル。
  • SIG Sauer P227: .45 ACP弾を使用するSIG Sauer製のピストル。
  • SIG Sauer P250: モジュラー設計のアメリカ製ピストル。
  • SIG Sauer P320: アメリカ製のモジュラーシステムピストル。
  • Smith & Wesson M&P: 多機能なアメリカ製のセミオートピストル。
  • Smith & Wesson 4506: アメリカ製のフルサイズ.45 ACPピストル。
  • Star Megastar: スペイン製の10mmおよび.45 ACP弾対応のピストル。
  • Star Model PD: スペイン製の軽量.45 ACPピストル。
  • Taurus Millennium series: コンパクトで手頃な価格のブラジル製ピストル。
  • Taurus PT24/7: さまざまな弾薬に対応するブラジル製ピストル。
  • Taurus PT1911: .45 ACP弾使用のブラジル製1911スタイルのピストル。
  • Walther PPQ: 高精度で信頼性の高いドイツ製のピストル。
  • Zastava PPZ: セルビア製の.45 ACP弾対応のセミオートピストル。

リボルバー

  • Colt New Service: さまざまな弾薬に対応するアメリカ製のリボルバー。
  • Colt Single Action Army: アメリカ西部劇で有名なシングルアクションリボルバー。
  • M1917: .45 ACP弾を使用するアメリカ製のリボルバー。
  • Ruger Redhawk: .45 ACP弾に対応するアメリカ製のリボルバー。
  • Smith & Wesson Governor: 複数の弾薬に対応するアメリカ製のリボルバー。
  • Smith & Wesson Model 22: .45 ACP弾使用のアメリカ製リボルバー。
  • Smith & Wesson Model 25: .45 ACPおよび.45 Coltに対応するアメリカ製リボルバー。
  • Smith & Wesson Model 625: .45 ACP弾に対応するアメリカ製リボルバー。
  • Taurus Judge: .410ボアおよび.45 ACPに対応するブラジル製のリボルバー。

.45口径弾に関する質問と回答

拳銃弾比較画像
9mm .40S&W 10mm Auto .45ACP 画像出典:Grasyl, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

.45口径の拳銃弾とライフル弾に関する「よくある疑問」に回答します。

.45口径の拳銃弾に関する疑問

Q
.45 ACP弾の問題点は何ですか?
A

.45 ACP弾は、以下の問題点があります。

  • 装弾数が少ない:
    • アメリカの民間市場では、ハンドガンの購入理由として「護身用」が最も多いという統計データがありますが、コンシールドキャリーに適した軽量コンパクトなピストルが好まれ、9mmといった標準的な口径のハイキャパシティー・ピストルが好まれる傾向があります。
    • .45 ACP弾のような大口径はコンパクトに収納することが難しく、装弾数を増やせない制約があります。
  • 重い:
    • .45 ACP弾は9mm弾の約2倍の弾頭重量があります。
    • 弾薬(カートリッジ)の1発あたりの重さは、.45 ACP弾が約21グラム、9mm弾が約12グラムです。
    • これは、10発の.45 ACP弾と、17~18発の9mm弾が、ほぼ同じ重量になる計算です。
    • コンシールドキャリーを目的とするユーザーの多くは、装弾数が多く軽量な銃を好むため、.45 ACP弾は不利といえます。
  • 反動が大きい:
    • 反動が大きな銃でも、トレーニングによって経験を積むと高い命中率と速射が可能になりますが、個人差はあるものの、多くのユーザーは.45口径弾の反動を大きいと感じます。
    • 特に軍や法執行機関ではトレーニングに多くの時間を割くわけにはいかないため、効率の良い9mm弾のような低反動で命中率が高い弾薬が好まれます。
  • 弾薬コストが高い:
    • .45口径弾は小口径の弾薬よりも一般的に高価なものが多く、経済的な負担が大きくなります。
    • 平均的に、9mm弾は1発あたり約50円、.45 ACP弾や.45 GAP弾は約70円ほどになります。
    • ちなみに、.45 Auto Rim弾では約150円、.45ロングコルト弾は約115円ほどが平均的な価格です。
    • 民間に限らず、軍や法執行機関のように予算が限られる機関は弾薬コストを重視します。
    • ※価格は時期やディーラーによって異なります。
  • ストッピングパワーの優位性が低下:
    • ストッピングパワーで.45 ACP弾が9mm弾に勝っていたのは過去の話です。近年では9mmホローポイント弾の技術が進化し、銃創学的に見ても大きな差がない状態となっています。
    • 本当の意味でストッピングパワーが優れるのはライフル弾であり、9mm弾、.40 S&W弾、.45 ACP弾といった拳銃弾は、対人用弾薬として、どれも同等レベルということが研究や経験から知られています。
    • このことから、現在の軍や法執行機関では、弾薬重量、装弾数、弾薬コストなどを考慮し、総合的に優れる9mm弾が多く選択されています。
  • サプレッサーの静穏性が低い:
    • 通常の.45 ACP弾は音速を超えない亜音速(サブソニック)のため、サプレッサー使用時に減音効果が高くなることから、.45 ACP弾はサプレッサーと相性が良いといえます。
    • 通常の9mm弾は超音速(スーパーソニック)のため、弾速を低下させたサブソニック弾を使用しなければソニックブーム(衝撃波)が発生します。
    • 亜音速弾の.45 ACP弾と9mm弾を比較した場合、9mm弾は弾速低下による運動エネルギー低下が大きくなり、9mm弾の2倍の質量を持つ.45 ACP弾の方が高い威力を維持します。
    • しかし、銃声の大きさを比較した場合は、口径が小さい亜音速の9mm弾の方が銃声が小さくなります。

.45口径のライフル弾に関する疑問

458ウィンチェスターマグナム画像
.458 Win Mag .458 Lott & a .460 Wby Mag
Peter Gnanapragasam, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
Q
.45-70 ガバメント弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • 多様な弾頭を使用でき、強力な狩猟用弾として評価されています。
    • レバーアクションライフルに適しており、中型から大型の獲物、さらにはデンジャラスゲーム※にも効果的です。

  • 短所
    • 有効射程距離が短いです。(約200~300ヤード/183~274メートル以内)
    • 遠距離では弾道が大きく落ちる(落下量が大きい)傾向があります。
    • 軽量なライフルでは反動が強くなることがあります。

狩猟用語の「デンジャラスゲーム/Dangerous game(危険な獲物)」とは、人間にとって危険な大型の肉食動物や強力な動物を指します。代表的なものには、ライオン、ヒョウ、ケープバッファロー、ヒグマ、アフリカ象などがあります。これらの動物は攻撃的で予測不可能な行動を取ることがあり、特別な装備と慎重な対応が求められます。

Q
.450 ブッシュマスター弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • .450 ブッシュマスターは、大きな運動エネルギーとストッピングパワーを持っており、大型獣の狩猟に適しています。
    • 約210~220mまでの距離で効果的に使用することができます。

  • 短所
    • 短所として、反動が大きいことが挙げられます。
    • 弾頭直径が大きく弾道係数※が低いため、長距離射撃には適していません。

弾道係数(BC/Ballistic coefficient)とは、弾丸の空気抵抗に対する抵抗力を示す指標です。BCが高いほど、弾丸は空気中での抵抗に対して優れた性能を持ち、より遠くまで飛ぶことができ、精度も向上します。

Q
.45 Raptor弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • ショートアクションカートリッジながら高威力を誇ります。
    • 中型から大型の獲物狩猟に適しており、AR-10プラットフォームと互換性があります。
    • 終末弾道性能※が優れています。
    • 大型マグナムカートリッジと比べると反動が抑えられています。

  • 短所
    • 市販の流通量が少なく、価格も高めです。
    • ロングアクションカートリッジ※と比べると有効射程距離が短いです。
    • 一般的な狩猟用カートリッジほどの汎用性はありません。

終末弾道学(Terminal ballistics)とは、弾丸が目標に衝突した際の挙動や影響を研究する分野です。具体的には、弾丸の貫通力、拡張性、エネルギーの伝達、および目標物に与える損傷のメカニズムなどが含まれます。これにより、弾丸の効果的な使用や適切な弾薬選択に役立ちます。

ロングアクションカートリッジとは、弾薬の長さが比較的長く、薬室がそれに対応して設計されたカートリッジ(弾薬)のことです。一般的に、マグナム弾や大口径の弾薬が含まれ、より多くの火薬を使用することで、長距離射撃や高い威力を実現します。ロングアクションライフルは、これらのカートリッジを使用するために、長いボルトストロークや薬室の設計が必要です。

  • ロングアクションカートリッジの例
    • .30-06 Springfield – アメリカの伝統的な狩猟用弾薬。
    • .300 Winchester Magnum – 長距離射撃に優れたマグナム弾。
    • .338 Lapua Magnum – 高威力で長距離射撃に適した弾薬。
    • 7mm Remington Magnum – 精度と威力を兼ね備えた人気のマグナム弾。
    • .375 H&H Magnum – 大型獣狩猟に使用される強力な弾薬。
Q
.458 SOCOM弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • 強力なストッピングパワーを持ち、大型獣の狩猟や自衛用途に適しています。
    • AR-15プラットフォームで使用できる点が魅力です。
    • 亜音速弾を使用すればサプレッサーとの相性も良く、静音性を重視する場面でも有効です。

  • 短所
    • 反動が大きいです。
    • 銃身長が短い場合にはマズルフラッシュ(発砲炎)が大きくなりやすいです。
    • 有効射程距離が約180m以内と短めです。
    • 弾薬の入手が難しい場合があります。
Q
.458 ウィンチェスターマグナム弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • 適切な弾頭を選べば、地球上のあらゆる獲物に対応でき、バッファローやヒグマのような獲物にも有効です。
    • プロのハンターにもよく使用されています。

  • 短所
    • 非常に強い反動があり、一部の射手にとっては限界に近いレベルです。
Q
.460 ウェザビーマグナム弾の長所と短所は何ですか?
A
  • 長所
    • 極めて強力な弾薬で、かつては市販される中で世界最強の弾薬でした。
    • 弾頭重量350グレインでは3,000fps、500グレインでは2,600fpsという高速弾です。
    • デンジャラスゲームや長距離での狩猟にも適しています。
    • .375 H&Hや.458 ウィンチェスターマグナムよりも遥かに強力です。

  • 短所
    • 極めて強い反動があります。
    • 弾薬の価格が高価です(1発あたり約9ドル前後)。
    • 使用するためには大きく頑丈なアクションを備えたライフルが必要です。
    • 多くの狩猟用途ではオーバーパワーになりがちです。
    • 使用できるライフルの選択肢が限られています。
Q
.45口径ライフル弾は軍用弾として使用可能ですか?
A

現代の軍用ライフル弾は、遠距離における性能・貫通力・携行性のバランスを考慮して選ばれます。

  • 軍用弾の例:
    • 5.56mm NATO(低反動・軽量・高速)→ 歩兵用
    • 7.62mm NATO(貫通力・遠距離射撃)→ マークスマン用
    • 6.8mm(次世代軍用弾)→ M4の後継候補

  • .45口径ライフル弾の軍事転用時の問題点:
    • 強烈な反動: 反動が大きく、連射時の制御が困難。
    • 装弾数の制限: 弾薬が大きいため、標準的な軍用ライフルに比べて装弾数が少ない。
    • 短い有効射程: 有効射程が短く、軍事用途には不向きな弾薬が多い。
    • 重量と嵩張り: 弾薬が重く大きいため、兵士が携行できる量が制限される。

軍では威力・射程・精度・コントロール性のバランスが取れた弾薬を採用するのが一般的です。

狩猟用として使用される.45口径のライフル弾は「ストッピングパワー」に特化しすぎており、軍用としては採用されにくいといえます。

Q
.45口径ライフル弾の将来性はどうですか?
A
  • .450 Bushmaster, .458 SOCOM, .45-70 Governmentなどの.45口径ライフル弾は、特定の状況(大型獣狩猟、近距離戦闘、サプレッサー使用時)では非常に有効です。
  • しかし、弾道性能の制約、反動の大きさ、弾薬の重量、コスト、限定的用途から、主流のライフル弾にはなりにくいというのが現状です。
  • それでも、パワーを求めるハンターには根強い人気があり、今後も必要とされるでしょう。

まとめ

この記事では、.45口径弾について解説しました。

結論として、以下の点が挙げられます。

  • .45口径の多様性:
    • .45口径は、単に11.43mmを指すだけでなく、多種多様な弾薬が存在し、それぞれ用途や性能が大きく異なります。
    • 拳銃弾からライフル弾まで、幅広いバリエーションがあり、使用する銃や目的に応じて適切な弾薬を選ぶ必要があります。
  • .45ACP弾の特性と評価:
    • .45ACP弾は、装弾数や携帯性、反動、コストなどの点で課題があります。
    • 現代の軍や法執行機関では、9mm弾のようなバランスの取れた弾薬が主流となっています。
  • .45口径ハンドガンの選択肢:
    • 多種多様な.45口径ハンドガンが存在し、それぞれ特徴や性能が異なります。
    • 用途や好みに応じて、最適なモデルを選ぶことができます。
  • .45口径ライフルの可能性:
    • .45口径ライフル弾は、大型獣の狩猟や特定の用途において高い性能を発揮しますが、弾道性能や反動、汎用性などの点で制約があります。
    • 軍用弾薬としての標準化は難しいものの、パワーを求めるハンターなどには需要があります。

.45口径は、その多様性と特性から、特定のニーズに応える強力な選択肢であり続けると言えるでしょう。