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ライフルを使用した象狩りの想定射程距離とは?

象画像

皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。

.460 Weatherby Magnumや.577 T-Rex、.600 Overkill弾など、象狩り用の銃(エレファントガン)とその弾薬について詳しく知りたいです。
特に知りたいのは、「標的(ゾウやサイなど)とどれぐらいの距離がある事を想定して設計され、また使われてるのか?」です。
アサルトライフルとその弾薬であれば、「標的との距離は多くの場合500m~600m弱を想定しているが、実際には300~400mの射程内で交戦する場合が多い」という話を良く聞きます。
しかし象狩り用の銃(エレファントガン)やその弾薬の場合そうした情報がどうも見つからず、ちょっと困ってしまいました。

象狩りの想定距離とは?

.375 H&H Magnum Photo via surplusammo.com

象狩りには大口径が必要とされ、象狩りが合法な国のほとんどは.375口径(.375H&H、.375ウェザビー、.375レミントンウルトラマグナム)や9.3mm口径以上を法的に必須な弾薬としています。

.600 Overkillを例にすると、この弾薬はCZ550ボルトアクションライフルで利用する目的で設計され、CZ550は距離600メートルのターゲットを狙うことも可能な能力を持ちます。

しかし、象やサイの狩猟は平均的に約10~30メートルの距離で射撃されます。

象狩りにおいて50メートル以上は長距離とも言える距離です。

近距離で射撃する理由はいくつかありますが、最も重要な理由は、象の小さな脳に対して確実に命中させる必要があるからです。

狩猟では獲物を一発で仕留めることが理想です。もし初弾が有効弾とならず象が逃げてしまったら、ハンターが見つけられないまま深い草木の中で死んでしまう場合があります。

最悪の場合、象がハンターに襲い掛かりハンターが死亡するケースがあります。

サッカーボールサイズの象の脳に確実に初弾と次弾を素早く命中させる必要と、大口径弾で硬い頭蓋骨を貫通させる高い貫通力が必要なため、近距離が最適な射撃距離になります。

また、ハンター本人が気が付かないまま至近距離で偶然象に遭遇することもあるため、近距離でも素早く射撃できる装備が必要とされます。

現地ガイドやサポート役ハンターは、逃げた象を仕留めるためなどの理由からスコープを使用する場合もありますが、象狩りでは基本的にスコープは使用せず、オープンサイト(アイアンサイト)で射撃します。

一方、カバを狩る場合には、30~100メートルで射撃されます。

近距離で射撃されることもありますが、カバは水の中で生息していることが多いため近づくことが難しい場合があり、なおかつ脳を狙う必要があるため、この場合は一定の距離からスコープ(倍率1~4倍)を使用して射撃されるのが一般的です。