通常ピストルで使用されている9x19mmパラベラム弾などの弾薬は、リムレス薬莢だと思うのですが、中には.44マグナムや.22LRのようにリムド薬莢の弾薬を使用しているピストルやセミオートライフルもあります。
これらリムド薬莢の弾薬は、ピストルなどの自動装填機構の銃で使用すると作動不良が多くなると聞きます。
なぜリムド薬莢の弾薬を自動装填機構の銃で使用するのでしょうか?
リムドカートリッジとヘッドスペース
リムドカートリッジのリムは、ヘッドスペースを得るために必要なものです。
.22LRの様に、ケースボディーの直径と弾頭の直径が同じヒールドブレットでは、リムがなければ弾薬が薬室内で保持されず、薬室の奥まで滑り込んでしまいます。
また、.44マグナムの様に強い反動を発生する弾薬では、重い弾頭重量を使用していると反動によりマガジン内の弾頭がケース(薬莢)から抜けたり、弾頭が滑ることで弾薬の全長が変化することがあり、これはジャムの原因になります。
これを防ぐためにケースをかしめて弾頭を抜けにくくする「クリンプ」という加工が行われますが、クリンプを行うとケースの全長がわずかに変化します。
ケースの全長に変化が生じると適切なヘッドスペースが取れないため、一般的なピストル弾のようにケースの先端(ケースマウス)でヘッドスペースを得る方法が使用できません。(弾薬によっては浅いクリンプは可能です)
そのため、弾頭重量が重く反動の強い弾薬はリムドカートリッジの方が都合が良いといえます。
またその他の理由としてはコストの問題や歴史的経緯もあります。
オートマグのように新しい弾薬を開発した場合、大量に流通しない弾薬は高価になり、入手しにくくなる場合があります。
それよりも、リムドカートリッジであっても現在すでに流通している弾薬を利用する方がコストパフォーマンスに優れます。
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