ご質問をいただきました。
「ライフリング」ってなんですか?
右だとか左だとか書いてあったりするのですが、何のことだかさっぱりわかりません。
ライフリングとは銃身(バレル)内に斜めに刻まれている溝です。
ライフリングの効果とは
弾頭は銃身内を加速して発射されます。
このとき銃身の内側に刻まれている溝「ライフリング」に弾頭が食い込み、溝に沿って回転します。
弾を回転させるとコマの原理(ジャイロ効果)によって飛翔中の弾が空中で安定し、命中精度が向上します。
※ジャイロ効果とは、物体が自転すると姿勢が安定する現象です。
もしライフリングが無ければ弾頭は空中で横転し、飛距離や威力が低下したり命中精度に悪影響が生じます。
ライフリングは16世紀中頃から使用され始め、現在ではほとんどの銃器にライフリングは存在し、逆にライフリングのない銃身は「スムースボア(滑腔銃身)」と呼ばれています。
ショットガンでは球形の散弾が使用されるためライフリングを必要としないスムースボアが利用されますが、ショットガンでもスラグ弾(一発弾)を使用するためにライフリングが備わった銃身で弾に回転を与えて命中精度を高める場合もあります。
ライフリングの右回転と左回転とは?
「右」「左」と言われているものは溝(ライフリング)の回転方向を示しており、銃の後方(射手側)から銃身内部を見て右回りか左回りかで判別されます。
例として「右6条」と記載されているデータがある場合、これは溝が合計6本あり、それらは後ろから見て右回りに回転している事を指しています。
一般的にライフリングの回転方向は右回転が多いですが、右回転でなければならない理由はありません。
弾頭は左回転でも右回転と同様の効果があります。
では、なぜ右回転が多いのか?
それは歴史的に右回転を利用するのが常識となっていたため、現在もそれに従っているだけです。
19世紀には重い弾丸を利用しトリガーの移動距離が長いライフルにおいて狙点より右に着弾しやすい傾向があったため、それを補正するために左回転のライフリングも利用されていました。
その補正の原理とは、弾が右回転の場合は飛翔中に右にドリフトし、反対に左回転の場合は左にドリフトするため、空中における弾のドリフトを利用して命中精度を補正しようとしました。
しかし、実際には補正されるほどの効果は得られず、現代では右回転と左回転のどちらでも実用上の違いはないとされています。
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