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【実銃の特殊弾】ゴム製の弾丸「ゴムスタン弾」とは?用途・威力・価格から他の非致死性弾との違いまで徹底解説

12ゲージゴム弾
12ゲージラバースラグ 画像出典:midwayusa.com

ご質問を頂きました。

なんでも世の中にはゴムスタン弾なるものがあるそうです。

名前から推察できるように、ゴムで出来ているおそらく非致死性の弾丸であることはなんとなく解るのですが、その価格や人に対する威力、どういった種類の銃で使用できるのか、自動拳銃またはリボルバーでも使用できるか、どういった口径なのか、もしよろしければゴムスタン弾の画像なども含め教えていただけないでしょうか。

それと実弾(殺傷用、九ミリパラベラム弾)の値段との比較もしたいので、実弾の値段も教えていただけないでしょうか?

ゴム弾について解説します。

ゴム弾とは?

12ゲージゴム弾
12ゲージゴム弾 画像出典:defenceweb.co.za

ゴム弾は鉛の弾丸の代わりにゴムを使用し、害獣(熊や鹿)除け、射撃スポーツ、暴徒鎮圧など、様々な用途で利用されています。

暴徒鎮圧用としては1880年代にシンガポールで使用されたのが初となり、1960年代頃にイギリスの法執行機関で広く利用されて以来、現在でも非致死性弾(低致死性弾)として利用されています。

当初イギリスでは暴徒鎮圧用に木製やプラスチックの弾が使用されていましたが、後にゴム弾が開発され移行しました。

利用可能な銃はピストル用からショットガン用まで、7.62mm、9mm、.38SPL、.45ACP、12ゲージなど各種口径に対応するゴム弾が用意されています。

9mmゴム弾
9mmゴム弾 画像出典:conceptsinammunition.com

一般的にピストル用とショットガン用のゴム弾は用途が異なります。

ピストルやリボルバーで使用するゴム弾は主に屋内での射撃訓練やプリンキング用(スポーツ用)として利用されることが多く、警察など法執行機関では12ゲージ以上のショットガンなどで利用されます。

ピストル用は人間に対して非力で暴徒鎮圧用としてはほとんど効果を得られませんが、目に当たれば失明の危険があります。

アメリカではホームディフェンス向けとしてピストル用ゴム弾も流通していますが、一般的ではありません。

一方、ショットガンやフレアガン(照明弾を撃ち出す銃)では、暴徒鎮圧用のスタン弾として使用されています。

「非致死性」と言われていますが、強力であるため近距離や命中箇所(特に頭部への命中)によっては死に至るケースもあります。北アイルランドではゴム弾により35年間に17人の死者を出しているなど、完全な非致死性弾ではありません。

また、ゴム弾は命中率が低く流れ弾によって第三者に命中しやすいため、群衆に対して使用するのは不適当と言われています。

ビーンバッグ弾

ビーンバッグ
12ゲージ ビーンバッグ 画像出典:medpagetoday.com

現在、法執行機関ではビーンバッグ弾も広く利用されています。

ビーンバッグ弾はゴム弾と同様に弾の慣性により対象者に打撃を与える弾薬で、布製の袋に散弾が入っており、袋ごとターゲットに命中します。

散弾は袋に入っている状態では貫通力を持ちませんが、これもゴム弾と同様に当たり所次第では死に至るケースもあり、完全な非致死性弾ではありません。

最大有効射程距離はピストル用ゴム弾では10~15メートル以内ですが、ビーンバッグ弾では20メートル以内となります。

スポンジ弾

eXact iMpact スポンジ弾
画像出典:policeproducts.com

近年、法執行機関では暴徒鎮圧用として40mmグレネードランチャーも多用されています。

40mmグレネードランチャーから発射される暴徒鎮圧用弾にはゴムの代わりにスポンジが使用されることがあり、これはゴム弾よりも安全性が高い性能を持ちます。

価格

ゴム弾の価格は通常弾より2~3割安いものも存在しますが、口径やメーカーによってその価格は様々な為、一概にいえません。

例を挙げるとX-Ring Rubber Bulletの.38SPLや.44マグナム口径では10ドル/50発ほどですが、一発あたり2~3ドルの製品も存在します。

参考までに通常弾の9mmは、安いところで一箱50発入が約10~15ドル程度です。(価格はディーラーによっても差があります)

最後までお読みいただきありがとうございます。

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