![レミントンM870ショットガンの部品名画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/remington870shotgunparts.jpg)
ポンプアクション式のショットガン(散弾銃)は、どんな仕組み?
本記事では、「ポンプアクション・ショットガン」と「オートマチック・ショットガン」の構造を解説します。
ポンプアクション・ショットガンの構造
![SPAS12の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/spas12shotgun.jpg)
ポンプアクション(スライドアクション)ショットガンは、手動操作で装填と排莢を行うショットガンです。
レミントンM870の装填方法
![](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2016/06/870Marine_Mag.png)
ポンプアクション方式を採用をしたショットガンの歴史上、最も知名度が高くロングセラーであるのが、レミントンM870シリーズです。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/shotgunexp001.jpg)
レミントンM870は、レシーバー(機関部)の下部に開いた穴(ローディングポート)から弾薬を装填します。
銃身下部に筒状の「チューブマガジン」が備わっており、弾薬が縦に並んでいます。
装弾数は、「チューブマガジンの長さ」と「弾薬(ショットシェル)の長さ」によって異なります。
(専用のスピードローダーを使用すれば全弾を一気に装填することも可能です)
レミントンM870の構造
![レミントンM870ショットガンの部品名画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/remington870shotgunparts.jpg)
下の図はレミントンM870の内部構造を表しています。
ショットシェルがチューブマガジン内に収まると、シェルラッチがストッパーの役目を果たし、ショットシェルが後方へ飛び出すのを防いでいます。
シェルラッチはレシーバーの左右両面内側に存在し、ショットシェルの底面の端を後方から支えます。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/shotgunexp002.jpg)
フォアエンドを手動で後ろへスライドさせると、フォアエンドと連結したアクションバー(上図の黄色い長い板状パーツ)によりブリーチボルト(上図緑色の大きなパーツ)が後退します。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/shotgunexp003.jpg)
すると同時にシェルラッチが解除され、ショットシェルがマガジンスプリングによってチューブマガジンから後ろへ飛び出します。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/shotgunexp004.jpg)
続いてフォアエンドを手動で前進させるとキャリアー(エレベーター/リフト)が一旦上昇して下降します。
ブリーチボルトが前進するとショットシェルが押されて薬室内に装填されます。
フォアエンドを前後させるとハンマーが起きてロックされると同時に、アクションバー・ロック(上図紫色のパーツ)が持ち上がってアクションバーの後ろに接触します。
アクションバー・ロックはアクションバーが後退するのを防ぎ、これによりフォアエンドがロックされて後退できなくなります。これは薬室を完全閉鎖するための安全装置として機能します。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/shotgunexp005.jpg)
トリガーを引くとハンマーがシアーから解放されて落ち、ファイアリングピン(撃針)を叩いて撃発します。
また同時に、トリガーを引くことでアクションバー・ロックが解除され、フォアエンドが後退可能な状態に戻ります。
フォアエンドを後退させると、薬莢が排莢されると同時に、次弾がキャリアーの上に飛び出します。
以上の繰り返しにより連続射撃が可能です。
モスバーグM500の構造
![モスバーグ500ショットガン](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/Mossberg500retroshotgun.jpg)
モスバーグM500はレミントンM870と似た構造ですが、※エレベーター(キャリアー/リフト)の停止位置が異なります。
※モスバーグ社は「エレベーター」、レミントン社とウィンチェスター社は「キャリアー」と呼称していますが、どちらも同じ機能です。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/mossberg500spxshotgun1.jpg)
レミントンM870ではフォアエンドを前後させるとエレベーターが「下降」「上昇」「下降」という動作をしますが、モスバーグM500では「上昇」「下降」「上昇」という逆の動作をし、発射準備完了時のエレベーターは上昇状態を維持します。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/mossberg500spxshotgun2.jpg)
フォアエンドを引くとエレベーターが下降し、フォアエンドを前進させるとエレベーターが上昇します。
ウィンチェスターM1897の構造
![ウィンチェスターM1897の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/winchester1897shotgun.jpg)
これはウィンチェスターM1897の内部構造を表しています。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/winchester1897cutaway1.jpg)
トリガーを引くと露出型のハンマーがファイアリングピン(撃針)と叩き、ファイアリングピンはショットシェル底部のプライマー(雷管)を叩きます。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/winchester1897cutaway2.jpg)
発射後、フォアエンドを手動で後退させると自動的に薬室内の空薬莢が排出されます。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/winchester1897cutaway3.jpg)
フォアエンドを前方に戻すと、キャリアー(エレベーター/リフト)が次弾を上昇させ、前進したボルトがショットシェルを薬室内に装填します。
オートマチック・ショットガン(自動式散弾銃)の構造
オートマチック・ショットガンは自動で排莢と装填を行う構造のショットガンです。
ベネリのイナーシャシステム(反動利用方式)の仕組み
![Image courtesy of imgur.com/RR80SD4](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2013/12/RR80SD4-Imgur.gif)
上のGIF画像はベネリ社ラファエロ(セミオートマチック・ショットガン)の構造を表しています。
反動を利用してロックを解除する仕組みですが、基本動作は手動式と似ています。
手動式とは異なり、ブリーチボルトの前進にはストック内に配置されたスプリングの力を利用しています。
サイガ12K(ガス圧利用方式)の構造
![サイガ12Kショットガンの画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/saiga12kshotgun.jpg)
サイガ12では発射ガスのガス圧を利用してボルトを後退させる構造です。
しかしショットガンのガス圧はライフルと比べると低圧なため、AK47のようなフルストロークのロングストロークピストンではなく、タペット式のガスピストンを利用しています。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/saiga12k1.jpg)
USAS12コンバットショットガンのようにロングストロークピストンをショットガンで利用することも可能ですが、その場合バードショット等の軽い装弾を使用した際に必要なガス圧が得られず作動しない恐れがあるため、サイガ12ではより確実に作動しやすい方式を採用しています。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/saiga12k2.jpg)
ガス圧がピストンを後退させるとボルトが後退し排莢されます。
ピストンはピストンロッドを勢いよく突き、ボルトとボルトキャリアは慣性で後退します。
![銃の画像](https://hb-plaza.com/wp/wp-content/uploads/saiga12k3.jpg)
後退したボルトはリコイルスプリングによって再び前進し、マガジン内の次弾が薬室内に装填されます。