
銃の歴史をご紹介します。
新たに発明された弾薬や日本で起きた出来事も含まれます。
紀元前2~1世紀
弥生時代 前10世紀 – 後3世紀中頃
西暦 | 出来事 |
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前141年~前87年 | 武帝が不老不死の薬の発見を命じ、火薬の発明に繋がる錬丹術が発展 |
2世紀
弥生時代 前10世紀 – 後3世紀中頃
西暦 | 出来事 |
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125~144年 | 硝石の燃焼によって家が火事になったことが「太平広記」に記述される |
142年 | 中国の「周易参同契」に火薬らしき記述が記録される |
5世紀
古墳時代 3世紀中頃 – 7世紀頃
西暦 | 出来事 |
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492年 | 中国の陶弘景が硝石の燃焼について記述 |
9世紀
平安時代 794年–1185年
西暦 | 出来事 |
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850年 | 中国の「真元妙道要路」に火薬の危険性について記述され、これが火薬の発明の根拠となった しかし火薬の発明は605~616年や960~976年という説もあり、起源は定かではない 錬丹術の過程で2~3世紀には火薬が存在していたともみられている |
11世紀
平安時代 794年–1185年
西暦 | 出来事 |
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1002年 | 中国の皇帝に手砲が献上される(諸説あり) |
1040年 | 中国の「武経総要」に火薬の製法が記述される |
1067年 | 中国の皇帝が商人に対し火薬の売買を禁止する |
12世紀

平安時代 794年–1185年
西暦 | 出来事 |
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1131年 | 中国で宋が金に対し火槍(火薬の燃焼を利用した威嚇兵器)を使用した |
13世紀

鎌倉時代 1185年–1333年
西暦 | 出来事 |
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1206年 | チンギスハンがモンゴルを統一 |
1225年 | マークス・グラエクス(Marcus Graecus)の”Liber Ignum”にて火薬の調合方法が紹介される |
1232年 | 中国で飛火槍(紙筒に火薬を入れた火器)が発明される |
1240年 | 中東地域で火薬の存在が知られる |
1241年 | 蒙古軍のヨーロッパ遠征(ワールシュタットの戦い)で銃が使用された(諸説あり) |
1242年 | ロジャー・ベーコンが「De secretis operibus artis」に火薬の製法を記す |
1250年 | アルバータス・マグナスが「De mirabilis mundi ignium」に火薬の製法を記す |
1259年 | 北アフリカのメリリャ(Melilla)で大砲を防衛で装備 |
1274年 | 文永の役 / 弘安の役(1275年) 投擲榴弾の鉄法(てつはう)が使用される |
1280年 | 中国で銃身を持つハンドキャノン(手砲)が発明される |
1300年 | 文書「シェムス・エディン・モハメネッド(M.S. Schems Eddin Mohamened)」に マドファ/マドフォア(Madfa/Madfoa)と呼ばれる木筒の火器が描写される |
14世紀

鎌倉時代 1185年–1333年
建武の新政 1333年–1336年
南北朝時代 1336年–1392年
室町時代 1336年–1573年
西暦 | 出来事 |
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1308年 | ジブラルタル包囲戦(レコンキスタ)でスペイン軍が銃を使用する |
1325年 | フィレンツェ共和国が砲の製造を命じる |
1326年 | 2月11日、イタリア・フィレンツェ議会が金属製弾丸と銅製の砲の製造を許可する ”De officiis regnum”に銃のイラストが初めて描写される |
1337年 | 百年戦争 (1337年~1453年) |
1338年 | イギリスの船に砲が搭載される ロンドン塔に火薬を貯蔵していたと記録される |
1340年 | 6月24日、「スロイスの海戦(Battle of sluys)」 海戦で大砲が実戦使用される |
1346年 | 8月26日、クレシーの戦い(Battle of Crecy) 陸上戦闘で大砲が使用された |
1364年 | ハンドキャノンがイタリアのペルージャで製造される |
1368年 | 南蛮人が京都で足利義満に鉄砲を二丁献上した(伝承)(諸説あり) |
1370年 | 応安三年に渡来したとされる鉄砲が尾道の旧家渋川家に存在 |
1373年 | 詩人ジョフリー・チョウサー(Geofrey Chaucer)が銃を描写 ”Swift as a pillet out of a gonne when fire is in the pouder ronne” |
1381年 | ドイツのアウクスブルク市でシュヴァーベン軍の30人にハンドキャノンが支給される |
1382年 | ベルギー人がロスベックの戦争(Battle of Roosebeke)で銃を使用する ベルギー・ヘント市民がブルージュ市を攻撃する際に砲を搭載した砲車を牽引した |
1399年 | タンネンベルグ城攻略 現存する最古の砲(タンネンベルグ・ガン)はここから発掘された |
15世紀

室町時代 1336年–1573年
戦国時代 1467年(1493年)–1590年
西暦 | 出来事 |
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1410年 | 大航海時代、マッチロック(火縄銃)が発明される(ドイツの文献にイラストが描写された) |
1413年 | インドネシアのジャワ島でハンドキャノン(手砲)が使用される |
1421年 | グレネータ(Grenata/Grenade/手榴弾)が開発される(火薬を筒に入れた原始的構造) |
1428年 | ヘンリー四世の記録にハンドガンの支払い記録が存在 |
1429年 | フランスで火薬の湿式処理法について触れられる |
1431年 | イタリアのロンバルディアの戦い(Siege of Lucca)の記録でハンドガンが多く描写される |
1445年 | 観勝寺の僧行誉が記した「あい嚢鈔」に鉄砲について記述される |
1449年 | モンス・メグ(射石砲)がブルゴーニュ公国で製造される |
1466年 | 琉球人が朝廷に品物を献上し、退出時に鉄砲を発射してみせ人々を驚かせた |
1467年 | 応仁の乱(1467年~1477年)で東軍が鉄砲を使用(諸説あり) 応仁の乱で東軍が火槍を使用したことが「碧山日録」(1459~1468年)に記述される |
1490年 | ハンドキャノンがヨーロッパで軍用として流行する |
1498年 | 南アメリカ大陸発見 |
1500年 | レオナルド・ダ・ビンチがホイールロック式銃を発明(諸説あり) |
16世紀

室町時代 1336年–1573年
戦国時代 1467年(1493年)–1590年
安土桃山時代 1573年–1603年
西暦 | 出来事 |
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1503年 | スペインのチェリニョーラの戦い(Battle of Cerignola)で銃が重要な影響を与える |
1510年 | 永正七年(1510年)に中国から堺へ鉄砲が渡来したと「北条五代記」に記される |
1516年 | ベレッタがイタリアのジルドーネでベネチア・ジェノバ共和国の総督のためバレルを製造する |
1517年 | オーストリア皇帝がホイールロック式銃を禁止する |
1518年 | 神聖ローマ帝国でホイールロック式銃が禁止される |
1521年 | イタリア戦争 (1521年~1544年) |
1525年 | イングランドで初の大砲が製造される |
1526年 | 甲州の武田家に鉄砲が伝来したと「甲陽軍鑑」に記される イタリアにベレッタ(Beretta)社創設 |
1528年 | 享禄元年(1528年)に北条家へ鉄砲が伝来したと「北条五代記」に記される |
1535年 | ドイツにメルケル(Merkel)社創設 |
1537年 | ブリーチローディング・ハンドガンがヘンリー八世のために製造される |
1540年 | スナップロックが発明される |
1542年 | ライフルの銃身にライフリング(ストレートライフリング)が発明される |
1543年 | ポルトガル人によって種子島へ火縄銃(マッチロック・ライフル)が伝来 島主種子島時堯が二千両で鉄砲二挺を購入 家臣篠川小四郎が火薬の製法を学び、八板金兵衛が鉄砲の製法を学んだ |
1544年 | 6月14日、北イタリアのプレッシア市会がイギリスのヘンリー八世に 銃を売るか否か可否を問い賛成7反対1で可決された |
1545年 | 刀鍛冶の八板金兵衛(1502年~1570年10月7日)が日本初の鉄砲製造に成功 ヘンリー八世がロンドン塔で銃の製造を命じる |
1550年 | スナップハンス・ロックが発明される |
1555年 | 足利義輝が南蛮人テイウシクチを近江国友に派遣させて鉄砲鋳造と射撃術を学ばせた |
1565年 | 肥前福田(長崎県)で堺商人の船と平戸の交易船との間で銃撃 日本船からの発砲により砲手が殺害されたとルイス・フロイスが著書「日本史」に記す (日本最古の銃撃戦の記録) |
1575年 | 長篠の戦い 織田信長勢は火縄銃3,000丁(諸説あり)を装備 |
1578年 | ルイス・フロイスが織田信長の七隻の軍船に搭載された大砲や銃に驚嘆 |
1584年 | 蒲生氏郷がローマに派遣し鉄砲30丁を購入させた(ヨーロッパから直接購入した初の事例) |
1586年 | ザクセン選帝侯領で弾頭と火薬を含むペーパーカートリッジ(紙製薬莢)が発明される |
1588年 | 豊臣秀吉による刀狩令 |
1592年 | 文禄・慶長の役 朝鮮出兵(1592年~1598年) 秀吉勢は火縄銃は多いが砲が少なく、朝鮮軍は火縄銃は少ないが砲が多かったとされる |
1597年 | カポ・ビアンコが「ナポリ人兵士がペーパーカートリッジを使用していた」と記す 現存する最古のリボルバーが鍛冶職人(Hans Stopler)によってドイツで製造される |
1600年 | スペインでミケレット・ロック(Miquelet Lock)が発明される 関ヶ原の戦い |
17世紀

安土桃山時代 1573年–1603年
江戸時代 1603年–1868年
西暦 | 出来事 |
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1603年 | 雷金(後のプライマー原料)が発見される |
1606年 | 南浦文之(1555年~1620年10月25日)が鉄砲伝来の歴史書「鉄炮記」を編纂 |
1610年 | フランスのマーリン・レ・ブールジョワがフリントロック式銃を発明 (1610~1615年頃) |
1614年 | 大坂冬の陣 大坂夏の陣(1615年) 豊臣氏滅ぶ |
1616年 | イタリアのジュリアーノ・ボッシが実用的な上下二連銃を発明 欧船の来航を平戸・長崎に制限する |
1618年 | 三十年戦争(1618年~1648年) 明清交替(1618年–1683年) |
1633年 | 徳川義輝が火縄銃生産地に選んだ国友村の鍛冶職人が「国友鉄砲記」を記す |
1637年 | 島原の乱 |
1650年 | フリントロック(火打ち石式銃)がヨーロッパで普及 |
1664年 | 哲学者、ロバート・ボイル(Robert Boyle)が火薬の発明が戦争を変貌させたことに触れる ”The invention of gunpowder hath quite altered the condition of Martial Affairs over the world, both by sea and by land.” |
1681年 | デカン戦争(1681年~1707年) |
18世紀

江戸時代 1603年–1868年
西暦 | 出来事 |
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1720年 | 英軍がブラウンベス・マスケット銃を採用 |
1721年 | 徳川吉宗がオランダ人ヘンデレキレイキマンによるフリントロック式銃の射撃に立ち会う |
1742年 | 英国のベンジャミン・ロビンスによりライフリングが発明される |
1751年 | ドイツにJ.P. Sauer & Son社創設 |
1774年 | フランスで雷酸水銀が発見される |
1775年 | アメリカ独立戦争(1775年~1783年)でライフルが活躍 |
1776年 | 英軍がファガーソンライフルを採用 キングスマウンテンの戦いで使用され、初めて軍によりブリーチローダーのライフルが使用された |
1777年 | スプリングフィールド工廠創設 |
1784年 | 英陸軍のヘンリーシャープネル中尉によって榴散弾が発明される |
1792年 | 8月にイギリスのバクトングリーンで射撃競技が開催される 弓とブラウンベス銃で距離100ヤードを20発射撃し、命中したのは弓が16射、銃が12発 |
1793年 | オーストリア軍がエアライフル(Girandoni Air Rifle)を採用 |
1794年 | 米国のイーライ・ホイットニー(Eli Whitney)が綿繰り機を発明し特許を取得 |
1795年 | スプリングフィールド造兵廠創設 米軍がモデル1795マスケット銃を採用 |