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【実銃解説】ベネリM2・M3・M4の違いとは?ショットガンの作動方式を徹底比較!

ベネリショットガン画像

ベネリショットガンは、用途やユーザーのニーズに応じて複数のモデルが展開されています。

この記事では、セミオートとポンプアクションの切替機能の他、ベネリM2、M3、M4各モデルの特徴、それぞれが市場でどのように評価されているのかについて詳しく解説します。

ベネリショットガンの切り替えスイッチとは?

画像出典:nationalinterest.org

読者の方から質問をいただきました。

ベネリM4ショットガンのセミオート・ポンプアクション切り替えの部品はどこにあるのですか??

ベネリM4は「セミオートオンリー」のショットガンです。

「ポンプアクション」への切り替えはできません。

一方、ベネリM3は「セミオート」と「ポンプアクション」の切り替えが可能です。

モデルアクション作動方式口径重量光学機器用レイル
ベネリM4セミオートガス作動12ゲージ約3.5kgあり
ベネリM3セミオート
ポンプアクション
反動利用12ゲージ
20ゲージ
約3.3kgなし
ベネリM2セミオート反動利用12ゲージ
20ゲージ
約2.7kgなし
ベネリM1セミオート反動利用12ゲージ
20ゲージ
3.18~3.63kgなし

ベネリM3の切り替え方法

ベネリM3説明画像
ベネリM3 画像出典:benelliusa.com

ベネリM3にはフォアエンドの前方に回転式のレバーがあり、レバーを回すとロックが解除されます。

レバーを回しながらフォアエンドを引くと「ポンプアクションモード」になります。

レバーを回しながらフォアエンドを前へ動かすとフォアエンドがロックされて「セミオートモード」になります。(回転式レバーはバネの反発力により自動的に元の位置に戻ります)

また、一般的なポンプアクション・ショットガンではフォアエンドを自由に前後させることができますが、M3では残弾がない状態でフォアエンドを引くと、ボルトがホールドオープン状態で保持され、フォアエンドを前進させることができません。

ホールドオープン状態時、排莢口の下に配置されたボタン(キャリアリリース)を押すと、ボルトとフォアエンドが自動的に前進します。

ベネリM4でポンプアクションが廃止された背景

ベネリM3はセミオートとポンプアクションを切り替え可能な仕組みを採用しました。

これは、反動を利用して作動するM3において、反動が少ない弾薬(低致死性弾や装弾重量が軽い弾薬等)を使用した際に作動不良になりやすいことから、手動で装填と排莢を行う必要があったからです。

しかし、軍が「暗視装置などの重い光学機器を搭載可能な性能」を要求した結果、ガス作動採用によってポンプアクション廃止に繋がりました。

反動利用式では、発射時の反動によって銃が後退することで薬室閉鎖が解除され、ボルトが後退する仕組みです。

これに光学機器やライトなどの重いアクセサリー類を追加搭載すると、銃の総重量が増加することによって反動が軽減され、作動の信頼性が低下する原因となります。

そこでM4ではガス作動を採用し、反動に依存せず、銃の総重量に関わらず確実に作動する信頼性を得ました。

画像出典:benelliusa.com

M4は「オート・レギュレーティング・ガス・オペレーテッド(ARGO)」と呼ばれる「デュアル・ショートストローク・ピストン」によるガスシステムを採用しています。

ARGOはセルフクリーニング機能があるため大量発射でも作動の信頼性が高く、軽い装弾でも作動しやすい特徴があります。

ベネリM3が不人気になった理由

M3は「セミオートとポンプアクションの両方を使える便利なショットガン」…のはずでした。

しかし、「どちらも使える」ことが、逆に欠点になっています。

価格については、セミオートとポンプアクションを切り替え可能な構造により、M2よりも高価になっています。

民間でスポーツ射撃を楽しむユーザーにとって「切り替え機能」にメリットはなく、軽量で価格が安いM2の方が人気があります。

一方、軍や法執行機関においては、反動が軽く、セルフクリーニング機能がありメンテナンス性が高いM4の方が人気があります。

セミオートとポンプアクションを切り替えられることは一見すると良いように思えますが、市場においてはデメリットにもなっています。

まとめ

ベネリショットガンは、使用目的に応じた利用がおすすめです。

  • M4 → 軍・法執行機関向け。高い信頼性とアクセサリー搭載に優れたモデル。
  • M3 → セミオートとポンプアクションの両方を試したい人向け。
  • M2 → 軽量・低価格でスポーツシューティング向け。シンプルで扱いやすい。

用途や好みに合わせ、各モデルのメリット・デメリットを理解することが、最適な選択をする上で重要となります。