Youtubeチャンネル「 InRangeTV」が泥まみれのライフルが作動するか実射テストを行いました。
実験対象は、AK47、AR15、M1ガーランド、ケルテックRDBです。
ルーマニア製AK47
銃の両側面に泥を掛けて射撃開始。一発目は排莢されましたが、次弾の撃発に失敗しました。
そして泥を落とした後、再度泥に漬けて実験再開。今度も一発目は撃発し排莢しましたが、次弾の装填にまた失敗です。その後も次弾の装填に失敗し3発発射するものの、ボルトアクションライフル状態です。
三度目のトライでは一発目が撃発するが排莢に失敗。その後もボルトが完全に閉鎖しなかったり、マガジンからチャンバーへ弾が装填されないなどトラブルが続きました。
AR15
最初のテストはダストカバーを閉じた状態で泥を両側面に掛けます。この状態で射撃すると、5発連続発射に成功しました。
続いてダストカバーを開いた状態で泥を掛けます。射撃を開始すると、10発連続射撃に成功しました。
ただ、ボルトの動きに少し抵抗があるようです。
M1ガーランド
一発目を装填しセイフティをオンにした状態で泥を掛けました。そしてセイフティを解除しトリガーを引きますが、一発目の撃発に失敗。ハンマーは落ちましたが、撃発には至りませんでした。その後、ボルトを解放しクリップを抜き取ろうとしますが、それすら不可能な状態に。
泥の影響でエキストラクターの動きが制限されたためか、チャンバー内の弾を抜き取れずダブルフィード・ジャムとなりました。泥が内部で咬んでいるため、この状態での排出は簡単ではありません。
【3:13】
泥を水で洗い落とすとボルトの動きがスムーズになり、クリップを取り出すことができました。トリガーグループも水で洗い、テスト再開です。
綺麗な状態で2発正常に発射されることを確認し、また泥を掛けます。この時点でボルトの上から泥を掛けると作動しなくなることが分かっているので、今度は側面にのみ注意しながら泥を掛けます。
トリガーを引くと一発目が発射されましたが、次弾がチャンバーから引き抜けなくなり終了。作動停止しましたが、今回はクリップを抜き取ることができました。
M1ガーランドに泥が掛かった場合は、そのまま撃ちつづけるのではなく、先に泥を排除した方が良さそうです。
ケルテックRDB
チャンバーに一発装填しセイフティをオンにします。この状態で泥に漬けました。全長が短いので丸ごと沈めます。
セイフティを解除してトリガーを引くと一発発射されましたが、次弾はジャムとなりました。チャージングハンドルは動きが悪いですが、マガジンは抜けます。どうやらボルトとハンマーの周辺に泥が入り込み、ボルトが後退できない状態となったようです。
【37:22】
泥を水で洗い流しテストを再開。レシーバー後部に泥が入るとハンマーの動きを止めてしまうため、今回は深く沈めずに軽く泥に漬けます。
そして射撃再開。一発目が発射された後、後退したボルトが途中で引っ掛かり閉鎖されませんでした。
ダブルフィードとなっているため、銃口からクリーニングロッドを差し込んで弾を排出させると、未発射の弾が二発出てきました。つまり、一発目は発射後に排莢され、次弾はチャンバーに送り込まれたものの途中で引っ掛かり、さらにチャージングハンドルを引いて三発目が送り込まれたためダブルフィードとなったわけです。
ケルテックRDBはブルパップでエジェクションポートが下に位置し、ダストカバーを装備していません。また、ブルパップという構造上、レシーバー後部に泥が溜まるとハンマーが動けなくなります。
RDBは泥の侵入に弱く、エジェクションポートから泥が入らないように注意する必要がありそうです。
まとめ
Youtubeには様々なライフルの「泥テスト」検証動画がアップされていますが、銃や泥の状態がそれぞれ異なるため、一概に結論付けられません。
しかし、泥は泥でも「砂混じりの泥」は銃をより不安定にする傾向があるようです。また、AK47はAR15より異物の侵入が容易で、いくら異物に強いと噂されるAK47でも、異物の侵入量が多ければ停止します。
「AK47は設計上内部に隙間が設けられているため、泥や砂が侵入しても作動する」と言われますが、その隙間はトリガーメカ周辺に該当するでしょう。しかし、AK47もボルト周辺はタイトです。タイトな部分に異物が入れば動きを鈍らせ、銃を停止させてしまいます。どんな銃でも、パーツ同士が擦り合う場所に異物が入れば動かなくなるのは物理現象として当然といえます。
AR15はダストカバーを装備し、さらにボルトキャリアとレシーバーの隙間が小さいため泥や砂の侵入を防ぎやすい構造です。その点で、相対的に隙間の多いAK47よりもAR15の方が泥に強いといえるかもしれません。
追記:2016/1/29
Vz58
新たに追加された動画では、Vz58がテストされました。
結果はルーマニア製AKより酷いものです。初弾を発射できましたが、次弾はハンマーが落ちたものの撃発に至らず、その後はボルトを後退させることも困難でテストを終えました。
Vz58のようなオープントップのレシーバーは、異物の侵入に弱いように見えます。
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