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世界最強の拳銃弾.500 Bushwhackerの実力と特徴を解説

リボルバーの弾薬の画像

銃器の世界には、強力な弾薬が数多く存在しますが、その中でも特に注目を集めているのが「.500 Bushwhacker」です。

2021年にTII Armory社によって開発され、アメリカの銃器メーカー「マグナムリサーチ」のシングルアクションリボルバー「BFR」で使用するために設計されました。

その威力は従来の拳銃弾を凌駕し、S&Wモデル500の2倍以上のパワーを誇ることから「世界最強の拳銃弾」とも言われています。

本記事では、.500 Bushwhackerについて解説します。

.500 Bushwhackerとは?

500ブッシュワッカーの薬莢画像
.500ブッシュワッカー、.500S&W、.44マグナム Image courtesy of TII Armory

.500 Bushwhacker(.500 ブッシュワッカー)は、非常に強力な拳銃弾です。

世界最強といわれた.500 S&Wは有名ですが、これよりもさらに大きな威力を発揮するように設計されています。

以下、この弾薬の特徴について簡単に解説します。

設計と開発

.500 Bushwhacker(ブッシュワッカー)は、TII Armory社が開発し、2021年から販売されている弾薬です。

S&W社の.500 S&W弾をベースに設計されました。

設計のポイントは次の通りです。

  • 弾頭のサイズと腔圧は.500 S&Wと同じ。
  • 薬莢(ケース)の長さを延長し、BFRリボルバーのシリンダー長の全てを使用する。

この設計によって、19世紀のライフル弾のような拳銃弾が誕生しました。

マグナムリサーチBFR画像
BFR 454カスール Image courtesy of Magnum Research

マグナムリサーチ社のシングルアクションリボルバー「BFR」をカスタムして使用する弾薬として開発され、.500 Bushwhackerを使用する銃は市販されていません。

この組み合わせによりS&Wモデル500の約2倍のパワーを持つとされ、「世界最強ハンドガン」とも呼ばれています。

マグナムリサーチBFRには様々な口径バリエーションが存在し、以下の弾薬を使用できます。

  • .22 Hornet
  • .30-30 Winchester
  • .350 Legend
  • .357 Magnum
  • .360 Buckhammer
  • .44 Remington Magnum
  • .444 Marlin
  • .45 Colt/.410
  • .45-70 Government
  • .450 Marlin
  • .454 Casull
  • .460 S&W Magnum
  • .480 Ruger/.475 Linebaugh
  • .50 Action Express
  • .500 S&W Magnum
  • .500 JRH
  • .500 Linebaugh
  • .50 Beowulf

そして、これらに.500 Bushwhackerが追加された形です。

性能

.500 Bushwhackerは燃焼速度が遅い装薬を使用しており、弾頭が銃身内を進むと同時に、徐々にガス圧が供給されることで圧力のピークを維持し、加速力を得ています。

弾薬弾頭重量銃口初速マズルエナジー
.500 Bushwhacker275~620 gr1,895~2,600 fps4,100~5,669 ft-lbf
.500 S&W350 gr1,912 fps2,842 ft-lbf
.500 S&W440 gr1,625 fps2,580 ft-lbf
.44マグナム240 gr1,475 fps1,160 ft-lbf

.500 Bushwhackerは、従来の.500 S&Wを大幅に上回る性能を持っています。

弾頭重量275グレインで、10インチバレルから約2,600フィート毎秒(fps)の速度に達します。

マズルエナジーは4,100~5,669フィートポンド(ft-lbf)に達し、このエネルギーはライフル弾(.450 ニトロエクスプレスなど)に匹敵します。

汎用性

.500 Bushwhackerの大きな利点の一つは、その汎用性です。

発生する最大腔圧が.500 S&W弾と同レベルのため、シリンダーの全長が十分であれば、通常の.500 S&W弾を使用する銃の強度で発射可能です。(S&W 500に.500 Bushwhackerを装填することはできません)

また、.500 JRHや.500 スペシャルといった、他の.500系弾薬も利用可能です。

反動処理

マグナムリサーチBFRの画像
マグナムリサーチBFR Image courtesy of TII Armory

安全のためマズルブレーキを銃口に装着することが必須で、これにより発射ガスを横や後方へ逃がすことで反動を軽減します。

セットアップ次第で.454 カスールに似た反動に抑えられ、軽量弾であれば.44マグナム程度の反動まで抑えることも可能です。

しかし、通常は反動が強力なため、射手が腕を突き出して肘をロックすると激しいマズルジャンプにより手首を怪我をするリスクがあることから、肘をロックしないで銃を跳ね上げさせる射撃法が推奨されています。

また、特有の特徴として薬莢には弾頭を固定する非常に強固なクリンプ(かしめ)が施されています。

これは、発射時の強烈な反動により未発射の弾頭が抜け落ち、シリンダーの回転を妨げることで起こるジャムを防止するために必要とされています。

用途

.500 Bushwhackerは主に次のような用途を目的に設計されています。

  • 大型獣など危険な獲物の狩猟
  • 長距離の拳銃射撃
  • ターゲットシューティング

強力なライフル弾に匹敵する威力を持つため、北米やアフリカの大型獣狩猟でも利用可能です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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