洋上補給に欠かせない銃「ラインガン」とは?

アメリカ海軍にM14やレミントンM870の銃口にアタッチメントを取り付ける改造をして、船を繋ぐ舫綱を空胞で飛ばす銃があるというのですが本当なのでしょうか?

 

洋上で補給作業をするためにロープを投射する専用のアドオンランチャーが存在します。

米海軍では洋上補給をUNREP (Underway replenishment)と呼んでいます。

直訳すると「航行中補給」という意味になりますが、補給艦と補給を受ける艦船が並走しながら補給作業を行うことで、作戦を中断することなく補給が可能となります。

艦船の間でワイヤーを渡すには、一方から砂袋に繋がれたロープを投げ込み、そのロープにワイヤーを繋ぐ方法がありますが、洋上で並走する艦船は安全上過度に近づくことができず、おまけに強風が吹き付けるため、素手で投げ入れるのは到底不可能です。

そこでライフルにロープの投射装置を取り付けて発射することで、遠距離でもある程度精度の高い投射が可能になります。

一般的に、このロープは「ショットライン(Shot line)」と呼ばれ、ショットラインを撃ち出す銃は「ラインガン (Line gun)」と呼ばれます。

 

手順はまず最初に、空砲の発射ガスを利用してゴム弾を補給艦に撃ち込みます。

ゴム弾には海上でも視認しやすいオレンジ色のナイロン製ロープが結び付けられており、撃ち込まれた側はロープにワイヤーを括ります。

そしてナイロン製ロープを手繰り寄せてワイヤーを両艦船の間に渡します。

これによりワイヤーから吊るされた物資を輸送したり、ホースを渡して水や燃料を補給できます。

 

 

Mk 87 Mod 1 Photo via tpub.com

上図は米海軍採用のM14ライフルとナイロン製ロープを投射する装置一式「Mk 87 Mod 1」です。

銃口の先には長さ約22cm(8.5インチ)、直径約7cm(2.75インチ)のランチャーが装着されています。

ゴム弾に繋がれたロープは銃の下に備わったキャニスターに収納されるか、或いは射手の隣でサポート役がロープの束(約550フィート分/約168メートル分)を保持します。

 

M14ライフルのガスシリンダーにはスピンドルバルブが備わっており、これを押し込んで90度回転させる(銃身と平行にする)とガスルートが遮断されて発射ガスがガスピストンに届かなくなります。

ガスピストンはボルトを後退させて次弾を薬室に装填する為に必要ですが、ロープの投射に次弾装填は不要なうえ、ガス圧を無駄に消費してしまうため、ここではあえて遮断する必要があります。

 

Photo via tpub.com

ランチャーはM14ライフルのフラッシュハイダーの上から嵌め込んで装着されます。(M16に装着する場合はフラッシュハイダーを取り外してから装着)

ランチャーの根元にはラッチとワイヤーループが備わっており、ワイヤーループを銃のバヨネットラグ(着剣ラグ)に引っ掛けて固定します。

ラッチはランチャーとランヤードで繋がれたセイフティー・リテイニング・ピンで固定され、ランチャーが銃口から抜け落ちるのを防いでいます。

 

Photo via tpub.com

使用するゴム弾にはワイヤーが接続されており、このワイヤーにナイロンロープが結び付けられています。

ゴム弾の底は発射ガスを直に受けるため、ステンレスの円盤が配置されています。

最大射程距離は、銃を水平にして撃つと約55ヤード(約50メートル)、45度の角度で撃つと約90ヤード(約82メートル)到達可能ですが、ロープが濡れていると最大射程がこれより短くなるため、非常時以外は乾いたロープが使用されます。(M16を使用した場合の最大射程は約85ヤード/約78メートル)

またゴム弾の中央にはケミカルライトが3箇所装着可能になっており、夜間でも視認しやくなっています。

 


 
 
 
 
 


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