PR

銃弾はどれくらいの距離を飛ぶのか?条件別の飛翔距離を解説

砲の発射画像

撃った弾はどこまで飛ぶのか?

弾の飛距離は、さまざまな条件によって異なります。

拳銃弾の場合、最大で1,000~2,000メートル以上、ライフル弾なら2,000~7,000メートル以上飛ぶことが可能です。

しかし、実際の飛距離は発射角度や弾薬の種類、環境条件に大きく左右されます。

この記事では、弾がどのような条件でどれくらいの距離を飛ぶのかを解説します。

飛距離に影響を与える要素

弾の飛距離を決定づける要因は、以下の条件に大きく影響されます。

射角

M4ライフルを射撃する画像

弾が飛ぶ最も重要な要素の一つは「射角」です。

水平に発射した場合、比較的に短い距離で地面に落下(着弾)します。

例えば、9mm弾(弾頭重量115グレイン、銃口初速1,249 fps)を使用する拳銃を、地面から高さ1メートルの位置で水平に発射すると、約170ヤード(約155メートル)の地点で地面に着弾します。

また、同じ条件で.223レミントン弾(5.56x45mm / 弾頭重量55グレイン、銃口初速3,239 fps)を使用するライフルの場合では、約400ヤード(約366メートル)の地点で地面に着弾します。

画像出典:military.com

しかし、斜め上に向けて発射すると、弾は大きな放物線を描いて飛び、より遠くまで飛ぶことができます。

例えば、5.56mm弾を使用するM16ライフルの場合では、約3,600メートルの距離を飛翔可能です。

弾速

ライフル画像

弾速は飛距離に直接的に関わります。

弾速が速いほど、空気抵抗を受ける時間が短くなり、より遠くまで飛びます。

9mm弾(弾頭重量115グレイン、銃口初速1,249fps)や、.223レミントン弾(弾頭重量55グレイン、銃口初速3,239fps)のように、銃の初速が速ければ、弾はより遠くに届きます。

弾頭重量と形状

弾薬の画像

弾頭の重量や形状も飛距離に大きく影響します。

軽い弾頭は高速で発射可能ですが、空気抵抗を受けて減速しやすいため、重い弾頭と比較して飛距離を伸ばすことができません。

例えば、ゴルフボールとピンポン球を比較したとき、これらを同じ速度で発射するとゴルフボールの方が遠くまで飛びます。

銃弾も同様に、口径と速度が同一条件の場合、質量が大きい方が遠くまで飛びます。

また、弾頭の形状も重要で、弾道係数(弾が空気中を飛ぶ際の抵抗の少なさ)が高い弾頭の方が、遠くまで飛ぶことができます。

つまり、流線形で空気抵抗が少なく、全長が長い(重い)弾頭はフラットな弾道で遠くまで飛びやすいため、長距離射撃に適しています。

環境条件

ライフル画像

気温、湿度、標高なども弾の飛距離に影響を与えます。

例えば、「気温が高い環境」「雨天時など、湿度が高い環境」「標高が高い場所」では空気抵抗が少なくなり、弾速の減速量が少なくなるため、より遠くまで飛びます。

気温が高いと空気の密度が小さくなるため、空気抵抗が少なくなります。

湿度が高いと空気抵抗が少なくなり、これは空気中の水蒸気が空気自体よりも軽いためです。

湿度が上がると空気中の水蒸気量が増え、空気全体の密度が下がり、物体が空気中を進む際の抵抗が減ります。

これにより、弾は湿度が高い空気中において、乾燥した空気中よりも遠くまで飛びやすくなります。

標高については、1000フィート(約305メートル)上昇すると、ドロップ(弾道の落下量)が約1%減少します。

標高10,000フィート(約3048メートル)で約9%のドロップの差が生じる可能性があり、例えば距離800ヤード(約732メートル)で射撃する場合、空気が薄い3000メートル越えの標高で射撃すると、飛距離が約28センチメートル伸びる計算です。

これはイメージが難しいかもしれませんが、距離が1000メートルを超えるような長距離射撃ではターゲットに対して横方向から着弾するというよりも、弾が上空から落ちてくる状態になります。

弾頭の落下時の角度が20~30度、または40度以上になることもあり、飛距離に数十センチメートルの差が生じるだけで命中の成否を分ける大きな差となる可能性があります。

銃弾の飛距離の目安

弾薬口径最大射程距離
ショットガン用散弾12ゲージ約180~550メートル
.22 LR5.6mm約2,400メートル
9mm9mm約3,200〜4,800メートル
.223/5.56mm5.56mm約3,200~3,600メートル
.308 ウィンチェスター7.62mm約5,600〜7,200メートル

水平発射ではなく、銃口を斜め上へ向けて放物線を描くように発射した場合、.22LR弾で2,400メートル、5.56mm弾では3,600メートル飛翔可能です。

一般的に、.22LR弾を使用するハンドガンの有効射程距離(狙って命中可能な距離)は25~50メートルほどで、5.56mm弾の場合は300~550メートルほどです。

しかし、到達可能な距離は数キロ以上と非常に長いため、狩猟やスポーツにおいても「流れ弾」に注意が必要です。