私は翻訳の仕事をしております、○○と申します。現在作業している作品の中で、主人公が狩猟中に銃の事故で失明しかけます。その事故を「backfire」と言っているのですが、英和辞典にある「逆火」「逆発」なる言葉は、銃に関するサイトでは見当たらず、どのような表現が適切か分からず困っております。
古い時代の話で、主人公の使用している銃はマズルローダーです。ご多忙のところを恐縮ですが、「backfire」を日本語でなんと表現すればいいか、アドバイスのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
バックファイアとは、射撃の際の火薬の燃焼により発生した高圧の発射ガスが、銃のブリーチ(機関部)から漏れたり、亀裂が入ることにより発射ガスが(射手の顔の近くで)噴出する現象を指します。
ご指摘のとおり、日本語では逆発と呼ばれますが、これはあまり一般的ではありませんので、小説で翻訳する場合はそのまま「バックファイア」と訳されるのが適当かもしれません。
初めまして。翻訳を仕事にしている○○○といいます。効果音のクリップを集めたCDの英語を日本語に訳していて、分からない文にぶつかりました。ポルさまのお力を貸していただけないかと思い質問します。
ハンドガンの音ライブラリーで、「TWO FISTED PISTOL SHOTS, SHELLS FALL TO GROUND」とありましたが、two fisted pistolの意味を調べたのですがわかりません。
(因みにCDでは、左右のスピーカーから交互に発射音が聞こえます)
両手に一丁ずつ銃を持っているということなのか、two fisted pistolという種類の銃があるのか???
仰るとおり、これは両手に一丁ずつ銃を持っているということ(二丁拳銃)です。
もうひとつあります。FAQのなかでコッキング、デコッキングの事が出ていましたが、cock chamberというのはどんな動作を表しますか?
「REMINGTON 870: COCK CHAMBER」CDではカチャカチャという音がしています。(と書いても分かりにくいですよね)
ここでのCock Chamberの意味は、マガジン(弾倉)内の弾をチャンバー(薬室)に送り込む(装填する)動作を表しています。
レミントンM870はフォアエンド(図の赤い部分)を手動で前後させることで装填と排莢を行う、いわゆるポンプアクション・ショットガンです。
フォアエンドを手前に引くと、フォアエンド内側に位置するチューブ式マガジンから一発弾が機関部内に取り出され、続けてフォアエンドを前方へ押し戻すと、弾はレシーバー(機関部)内部のエレベーターによってチャンバー(薬室)の高さまで移動し、ブリーチボルトに押されてそのままチャンバー内へ装填されます。
以上の動作により弾がチャンバー内へ装填され、同時にハンマーもコックされた状態となり、いつでも発射可能な状態となります。
おそらく、当該CDに収録されたサウンドエフェクトも、「ガッチャン」や、「ジャキジャキ」と、二段階の音で表現されているのではないかと思います。
これは、フォアエンドを前後させた際に聞こえる作動音です。
当方、現在翻訳家を目指して勉強中なのですが、あるコンテストで、銃関係の課題が・・・。
きっとあまりに基本的なことだと思うのですが、せっぱ詰まってしまってます。よろしければお助けください。
“a bolt action Anschutz 1700D”というくだりがあるのですが、これは全部でひとつの銃の名称なのでしょうか?
この銃の名称は”Anschutz 1700D”です。
正確には”Anschutz”が社名で、”1700D”が製品名(モデル名/モデルナンバー)となります。
つまり、アンシュッツ社の”1700D”となるのです。
ですが、一般的には”Anschutz 1700D”を銃の名前として呼ばれていますので、これで問題はないと思います。
Anschutzとは、ドイツのライフルメーカーの名前で、主に狩猟用ライフルや競技用ライフルを生産しています。
また、”bolt action”(以下:ボルトアクション)とは、銃の作動方式を表しています。
そのあとで、“bolt actionが比較的遅い”等という表現が出てきたりして、いまいち良く分からないのです。
ライフルには自動式と手動式があるのですが、ボルトアクションは手動式となります。
自動式では銃のボルト(撃発システムが組み込まれている部分)が火薬とバネの力で作動し、弾の装填と排莢を繰り返します。
しかし、ボルトアクションでは手動でボルトを動かして装填と排莢をしなくてはいけません。
この動作とは、ライフルの機関部の後方にあるレバーを上げて、手前に引きます。
するとレバーと連動しているボルトが後方に下がり、薬莢が外に排出されます。
そして今度は逆に前方に押します。
するとボルトも元の位置に戻り、その動きで弾倉の弾が薬室に装填されて発射可能な状態となります。
つまり、ボルトアクションという手動の動作では、自動式に比べて連射速度が遅くなります。
“bolt actionが比較的遅い”というのは、この一連の動作に時間がかかるからです。
簡単には、時間にして自動式だと3秒で6発撃てるところ、手動だと3発しか撃てないといった具合です。
また、“小さなクリップには、 .22LRsが5発(?)しか入らない”という箇所があるのですが、“.22LRs”というのは、銃弾の名称なのでしょうか?
その通りです。これは”22 Long Rifle”という弾で、表記は“.22LR”です。
直径5.6mmという小指の先ほどの小さな弾です。
また、「小さなクリップ」とは弾倉(マガジン)の事です。
引き金の前方に小さな箱が入る箇所があり、そこに弾倉を挿入してボルトを動かし、発射準備完了となります。
本当は弾倉に弾薬を装填する際に使用する装填補助器具のことを「クリップ」と呼びますが、海外の映画や小説では弾倉とクリップが混同されることがよくあります。
余談ですが、参考までに22口径である Anschutz 1700Dは、ウサギや小鳥を捕る狩猟用の銃だと思います。
ライフルの中では一番小さなパワーの銃ですね。
ちなみに価格は500~1000ドル程度で、もしこれが競技用なら1500ドル以上が一般的です。
最後に、“12-gauge shotgun”です。これもいったい何のことか分かりません。
これは、「12番口径のショットガン」という意味です。
ショットガンの口径は、番号で表します。
”12-gauge”とは、このショットガンの口径の大きさを表していて、日本では「12番」、世界的には「12ゲージ」と呼ばれます。
10ゲージとか12ゲージと呼ばれますが、これは数字が小さくなるほど口径は大きくなり、12ゲージより10ゲージの方が大きいのです。
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