「せんじょうこん」とは何ですか?
「施条痕 / 線条痕(せんじょうこん)」とは、銃から発射された弾に刻まれた痕の事です。
施条痕 / 線条痕(ライフルマーク)とは?

銃の銃身(バレル)の内側には斜めに溝が切られており、これを施条 / 腔線(ライフリング)と呼びます。
そこを弾が通過すると、溝の方向に沿って弾が回転します。
その際、溝に接触した弾の側面に痕が付き、これが施条痕(ライフルマーク / ライフリングマーク)と呼ばれています。

ライフリングは弾を回転させることで直進性を高めるのが目的で、ショットガンなどを除く多くの銃に存在します。
施条痕は「銃の指紋」とも言え、施条痕を調べることでどの銃身から発射された弾であるかが分かるため、警察の犯罪捜査でも利用されています。
しかし、アメリカでは簡単に銃身を入手し交換可能であり、必ずしも捜査に有効とはいえない(または裁判を維持し辛い)ことから、メリーランド州など一部地域で廃止、または廃止が検討されています。
なぜ施条痕 / 線条痕(ライフルマーク)は違うのか?
銃身にライフリングを刻むには、銃身の内側を切削する方法と、銃身外部から圧力を掛けて製造する方法があります。

現在、大手メーカーの銃身はコールドハンマー法が利用されることが多く、これは銃身内部にライフリングの型となる心棒を通し、銃身の外側から叩いて圧縮しライフリングを形成します。

Photo via forensicservices.utah.gov
いずれの製造法でも、ライフリングを形成する際には必ず銃身内に切削痕(ツールマーク)が残ります。
この切削痕は大量生産品であっても一本一本異なるため、発射された弾にも異なる痕が残ります。
痕が異なる主な原因は、製造時の刃の状態や圧力差、弾の発射による摩耗、腐食や焼損など様々です。