ご質問を頂きました。
ナガンリボルバーはシリンダーを前に動かす機構が付いていますが、どういう仕組みになっているのですか?
ナガンM1895の構造について解説します。
ナガンM1895リボルバーの構造

ナガンM1895はシリンダーの後方に位置するハンマーブロック(上図23番)とリコイルプレート(上図34番)がシリンダー(回転弾倉)を前方へ押す構造です。

トリガーを引いていない状態ではリコイルプレートとシリンダーは後退しています。

トリガーを引くとハンマーが起き、ハンマーブロックが上昇します。
上昇したハンマーブロックはリコイルプレートを前方へ押し、リコイルプレートはシリンダーを押します。

トリガーを最後まで引き切るとハンマーが解放され、ハンマーに備わったファイアリングピン(撃針)が弾薬のプライマー(雷管)を叩き撃発します。
シリンダーが前進し薬莢の先端(ケースマウス)が銃身と密着しているため発射ガスがシリンダーギャップから外部へ漏れず、弾速向上効果があります。

一般的な弾薬は薬莢前部に弾頭が挿入されていますが、ナガンM1895で使用される7.62x38mmRは弾頭の先端まで薬莢内に挿入されているため、シリンダー前進時に弾頭と銃身が接触しない構造です。
発射時には薬莢が圧力によって膨張し、銃身と密着することでガス漏れを防ぎます。

また、ナガンM1895の発射ガスが漏れない構造を利用し、リボルバーとしては珍しいサプレッサーが装着されることもありました。
リボルバーとサプレッサーについては記事「リボルバーにサイレンサーを装着して消音効果はありますか?(サプレッサー付きリボルバーとは?)」もご覧ください。