リボルバーには様々な大きさのフレームが使用されています。
同時にフレームの呼称がメーカーによって異なり、混乱されがちだと思います。
そこで今回はS&W社とコルト社のフレームサイズの違いをご紹介します。
S&W社のフレーム
Mフレーム
S&Wレディスミスでのみ使用されており、ハンドエジェクター・リボルバーでは最も小さなフレームです。
Mフレームのレディスミスは装弾数7発の.22口径で、1902年から1921年まで製造されていました。
Iフレーム
装弾数6発の.32口径リボルバーで使用される小型フレーム。
サイズはJフレームと似ていますが、フレームウィンドウ(シリンダーが入るスペース)がJフレームより小さいという特徴があります。
インプルーブド・Iフレーム
Iフレームを改良した新型フレーム。
Iフレームではメインスプリングに板ばね(リーフスプリング)が使用されていましたが、新型Iフレームではコイルスプリングに変更されています。
サイドプレートのスクリュー数は4本のままです。
Iフレームは廃版となり、Jフレームが導入されました。
Jフレーム(Eフレーム)
チーフスペシャル、センチネル、ボディーガードなどでお馴染み、装弾数5発の.38口径や装弾数6発の.32口径で使用される小型フレームです。
1995年に.357マグナムを使用するために僅かにサイズアップされ、これは「Jマグナムフレーム」と呼ばれています。
1997年以降に製造されたJフレームはすべて「Jマグナム」に移行していますが、一般的な呼称は「Jフレーム」のままです。
S&Wの社内ではステンレスのJフレームをEフレームと呼んでいます。
Kフレーム(Fフレーム)
装弾数6発の.38口径リボルバーで使用される中型フレーム。
ミリタリー&ポリス・モデル10(.38スペシャル)や次元大介でお馴染みモデル19(.357マグナム)などで使用されています。
S&Wの社内ではステンレスのKフレームをFフレームと呼んでいます。
Lフレーム(Hフレーム)
ミディアムフレームのKフレームに対し、少し大きなミディアム・ラージのLフレーム(.38口径)です。
使用弾薬は.38スペシャルや.357マグナムなどですが、多くは.357マグナムモデルです。(モデル586や620等)
サービスマグナム(.357マグナム)、ターゲットマグナム(.357マグナム)、内蔵型ハンマーのセンチネル(.38スペシャル)などで使用されています。
S&Wの社内ではステンレスのLフレームをHフレームと呼んでいます。
Nフレーム(Gフレーム)
装弾数6発の.38口径や.44口径で使用される大型フレームです。
.357マグナムや.44マグナムのリボルバーで多く使用されます。
モデルナンバーでは、27、28、29、327、520等々。
S&Wの社内ではステンレスのNフレームをGフレームと呼んでいます。
Xフレーム
S&W M500などで使用される特大フレーム。
.460S&Wや.500S&Wのリボルバーで使用されています。
コルト社のフレーム
コルト社製リボルバーのフレームサイズをご紹介します。
Dフレーム(スモールフレーム)
1995年まで製造されていた古い小型フレームです。
ディテクティブ、ポリスポジティブ、コブラ、エージェント、コマンドスペシャル、ダイヤモンドバック、バイパー等々、数々の名銃で使用されていました。
SFフレーム(インプルーブド・スモールフレーム)
1995年にDフレームに代わって登場したのがSF(スモールフレーム)フレームです。
装弾数6発の.38口径リボルバー(.38スペシャルや.357マグナム)で使用されます。
SF-VI(DS-II)、マグナムキャリー、レディスペシャル、ディテクティブスペシャルIIなどで使用されています。
Eフレーム(ミディアムフレーム)
1908年から1969年まで製造されていた中型フレームです。
ファイアリングピンがフレームではなくハンマーに備わっている特徴があります。
USコルトコマンド、マーシャル、オフィサーズモデルなどで使用されました。
Iフレーム(ミディアムフレーム)
コルトパイソンでもお馴染み、.38口径リボルバーで使用されるフレームです。
.38スペシャルや.357マグナムが使用されます。
EフレームとIフレームは同サイズのため「E&Iフレーム」と呼ばれることが多く、同じグリップを共用できます。
EフレームとIフレームの大きな違いはファイアリングピンの配置で、Eフレームはハンマー側、Iフレームはフレーム側に備わっています。
Jフレーム(ミディアムフレーム)
E&Iフレームに代わって登場したのが.38口径のJフレームでした。
内蔵型安全装置のトランスファーバーが新規に内蔵されています。
ローマンMkIII、トルーパーMkIII、オフィシャルポリスMkIIIなどで使用されています。
Vフレーム(ミディアムフレーム)
VフレームはJフレームの改良版であり、アクションの性能が向上していますが、Jフレームとグリップの互換性がありません。
ピースキーパー、エアマーシャル、ローマンMkV、トルーパーMkVなどで使用されています。
AAフレーム(ミディアムフレーム)
ステンレスフレームとして登場し、後に黒いスチールモデルが登場した中型フレームです。
中身も大きさもVフレームと似ています。
キングコブラ、コンバットコブラ、グリズリーなどで使用されています。
ニューサービス・フレーム(ラージフレーム)
コルト・ニューサービス(1898年~1946年)で使用された大型フレームです。
.38、.44、.45口径などで使用されました。
他には、USモデル1909やUSモデル1917で使用されました。
MMフレーム(ラージフレーム)
ニューサービスに代わって登場したのが大型のMMフレームです。
.44口径や.45口径で使用されます。
アナコンダにはMMフレームが使用されていますが、AAフレームのキングコブラとグリップの互換性があります。
余談ですが、人生初のリボルバー実弾射撃体験がアナコンダだったのですが、もっと小さなフレームから始めれば良かったと少し後悔したことを思い出されます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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