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マグナムリボルバーの弱点:フォーシングコーンとは?

リボルバーの画像

皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。

ガン・プロフェッショナルズ2022年11月号のパフォーマンスセンター製S&W モデル642の記事でToshi氏というガンライターさんがフォーシングコーンとその下部の写真を記載し、「フォーシングコーンも観る。相変わらずバレル下部の肉厚が薄い。+P弾ばかりをバカスカ撃てば、やがては亀裂が生じるだろう。」とコメントしていました。
やはり、アルミ合金フレームのJフレームは38スペシャル+Pを数百発バカスカ撃つ、という
使い方をするのには向いていない脆弱な強度なのでしょうか?

アルミ製Jフレームは高圧弾に適さない?

M29の画像
Photo via Wikipedia

マグナム弾など高圧な弾薬を大量に発射したい場合は、ラージフレームのリボルバーが向いています。

マグナム弾に対応するラージフレームは肉厚があり、耐久性が高い傾向があります。

しかし、コンパクトなリボルバーは小さなフレームに肉厚を持たせることが困難なため、耐久性が劣りやすい制約があります。

「フォーシングコーン」とは、銃身の後端部でシリンダーから射出された弾頭を銃身内に受け入れる場所ですが、コンパクトなリボルバーはフォーシングコーンの下部を削って薄く加工しているものが見られます。

これはシリンダーの「ガスリング」をフォーシングコーンの下に配置するために必要とされる加工です。

「ガスリング」とは、シリンダーの先端に突出したリング状の軸の部分で、発射ガスがシリンダー軸内に進入するのを防ぐ目的で備わっています。

発射ガスがシリンダー軸内に進入すると、不完全燃焼の装薬や燃焼後のカーボンがシリンダー軸内に蓄積し、シリンダーの回転が悪くなるなど不具合が生じ、ジャムの原因になります。

ガスリングはリボルバーの作動の信頼性を維持するために必要な部分であり、これを維持する代わりにフォーシングコーンを削ってシリンダーをフレーム内に収める必要があります。

フレームサイズが大きければフォーシングコーンを削る必要がないため、肉厚なフォーシングコーンを維持することができます。

M19フォーシングコーン画像
割れたフォーシングコーン Photo via smithandwessonforums.com

フォーシングコーンを削っているリボルバーでマグナム弾を大量に撃つことは、銃身の寿命を短くする「可能性」があります。

ここで「可能性がある」と述べた理由は、低圧な.38スペシャルのような通常弾でも、フォーシングコーンが割れるケースがあるからです。

もちろん、マグナム弾は破損リスクが高くなりますが、弾頭のパワーの他に、使用する弾頭重量によってもダメージの大きさが異なります。

軽量な弾頭を使用すると加速が速く、高速でフォーシングコーンに衝突するため破損の原因になります。

高速なマグナム弾を使用しても、重い弾頭重量の弾頭を利用することでフォーシングコーンへのダメージを軽減することが可能です。