漫画(ROSE HIP ZERO 藤沢とおる 講談社)で出てきたハイドラショック弾というのが非常に強力な弾として書かれていますが、具体的にはどういうものなのでしょう?
ハイドラショック(HYDRA-SHOK)は、トップクラスのストッピングパワーを持つ代表的なホローポイント弾の一つです。
米国フェデラル社が製造しているブランドでセルフディフェンス用途に使用され、民間だけでなく警察など法執行機関でも使用されています。

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ホローポイント弾は着弾すると先端が裂け大きく広がることで人体にダメージを与えますが、ハイドラショックは中心に配置された棒状の芯が弾の拡張タイミングを遅らせることで、衣服を貫通後に効率的に広がるよう設計されています。
またホローポイント弾である以上貫通力が低く、体内に留まりやすいため、貫通後の二次被害を防ぐ利点があります。
ハイドラショックの名前の由来は、ギリシャ語の水を意味する「ハイドロ」から来ており、流体によって先端が裂ける設計であることを意味しています。よくギリシャ神話のヒドラと混同されますが、これは正しくありません。
ハイドラショックの9mmルガー弾(左)と.45ACP弾(右)
ハイドラショックのヘッドスタンプ
ハイドラショックの弾道データ | ||||
弾薬 | 弾頭重量 (※1) | 初速 | マズルエナジー | 弾頭直径(※2) (着弾前/着弾後) |
.380ACP | 90 gr | 1000 fps | 200 ft-lbf | 0.38/0.50 |
.38SPL | 110 gr | 838 fps | 171 ft-lbf | 0.38/0.63 |
9x19mm | 135 gr | 975 fps | 285 ft-lbf | 0.38/0.60 |
.40S&W | 135 gr | 1095 fps | 360 ft-lbf | 0.40/0.64 |
.45ACP | 165 gr | 985 fps | 356 ft-lbf | 0.45/0.72 |
※1:単位はグレイン (1グレイン = 0.0647989グラム)
※2:単位はインチ