フェデラル社が製造販売するホローポイント弾「HST」と「ハイドラショック」の違いについて解説します。
HST VS ハイドラショック
HSTとハイドラショックはどちらも同じフェデラル社のホローポイント弾です。
HSTブランドは二種類存在し、法執行機関市場向けの「ローエンフォースメントタクティカルHST」と、民間市場向けの「パーソナルディフェンスHST」があります。
中身はどちらもほとんど同じ設計の弾薬ですが、ローエンフォースメントタクティカルHSTブランドは、口径や弾頭重量のバリエーションがより豊富になっています。
後発のHSTはハイドラショックとよく似た性能であるため、巷では「HSTはハイドラショック2(Hydra-Shok Tow)の略称」と揶揄されていますが、公式には違い、製品番号と似た意味を持っているようです。
ハイドラショックはすでに効果が証明されており、性能の高いホローポイント弾として知られていますが、HSTはハイドラショックを超える性能を目指して開発されました。
HSTでは弾頭先端の穴を広げ、ジャケットの肉厚を薄くすることでより大きく拡張させることに成功しています。
また、ジャケットにスリットを設けることで均等に花びらのように広がる工夫がされており、ジャケットとコアはお互いにかみ合う構造となっているため、ジャケット分離が起こりにくくなっています。
着弾時の弾頭直径が大きくなることで貫通力は低下しましたが、永久空洞(着弾後に残る穴)はより大きくなりました。
現在では法執行機関が採用する優良ホローポイント弾として広く流通しています。
HSTの弾速とエナジー
HST (P9HST1S)
9x19mm 124 gr
距離 (ヤード) | 弾速 (fps) | エナジー (ft-lbf) | 落下量 (インチ) |
---|---|---|---|
0 | 1150 | 364 | – |
25 | 1095 | 330 | 0 |
50 | 1049 | 303 | -0.9 |
75 | 1010 | 281 | -3.8 |
100 | 977 | 263 | -8.8 |
ハイドラショックの弾速とエナジー
ハイドラショック (P9HS1)
9x19mm 124gr
距離 (ヤード) | 弾速 (fps) | エナジー (ft-lbf) | 落下量 (インチ) |
---|---|---|---|
0 | 1120 | 345 | – |
25 | 1070 | 315 | 0 |
50 | 1028 | 291 | -1.0 |
75 | 993 | 271 | -4.0 |
100 | 961 | 255 | -9.3 |
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