現代のマシンガンには銃身交換機能が備わっており、簡単に銃身を交換可能です。
射撃を続けて銃身が過熱したら常温の銃身と交換します。
では、なぜ銃身を交換する必要があるのでしょうか?
今回はその理由について解説します。
バレル(銃身)の過熱によって起こる問題
命中精度低下と作動停止
銃身が過熱しすぎると命中率が低下します。
弾頭が銃身を通過する際の摩擦熱と火薬の燃焼により銃身は熱を持ちます。
熱を持った銃身内部は弾頭の通過時に次第に傷み始め、膨張したり銃身そのものが変形(弓なりに曲がるなど)することがあり、それにより命中精度が格段に落ちます。
そして銃身の過熱が限界に達すると全体の強度が低下し、高圧に耐えきれなくなることで銃身側面に穴が開くことがあります。
また、銃身に問題が生じない場合でも、ガスチューブなどが過熱することで破損し、作動停止のリスクがあります。
これは一般的なジャムとは異なり、交戦中の解決は困難です。
暴発
クローズドボルト方式の銃(一般的なマシンガンではなく、ライフルやサブマシンガンなど)では、弾が装填される薬室が過熱すると、その熱により予期しない暴発に至ることがあり大変危険です。
薬室内が高温になりすぎると弾薬内の装薬が自然発火する「クックオフ」が発生し、トリガーを引かなくても銃が勝手に発射することがあります。
しかし、オープンボルト方式のマシンガンではクックオフを心配する必要はありません。
ピストルの場合
ハンドガン(拳銃)の場合は、連続して発射する弾数も限られ、過熱に関する問題はほとんどありません。
たとえフルオートで射撃しても、手で触れないほど過熱するとはいえ数十発程度では銃の寿命や命中精度に影響を及ぼす問題には至りません。
しかし、熱は次第にスライドやフレームに伝わるため、短時間に数百発発射すると熱によって素手で保持できなくなり、ポリマーフレームを使用しているモデルではフレームが溶けることもあります。
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