弾薬メーカーNosler社のWes氏による「ライフルのクリーニング方法」がGuns.comで紹介されていました。クリーニング方法に決まった方法はないので、まさに十人十色といえますが、ここでは基本的な手順を10段階に分けて紹介しています。
まずはライフルを固定。バレルの中にブラシを通す作業は若干の力を必要としますし、ライフルを傷つけたくありません。ハンドガンでは必要ありませんが、ライフルなど長銃は固定されていた方が作業が楽です。
ボルトを抜いたアクション(機関部)の後ろからボア・ガイドを挿入します。ボア・ガイドは樹脂の筒状で、パッチ(コットン)を付けたクリーニングロッドを通す際、これがあればチャンバーを傷つけたり、アクションの中にパッチを落とす失敗がありません。私はボア・ガイドを使用せずにマズル側から挿入することもありましたが、これは慎重さを要するのでボア・ガイドを使用した方が安全だと思います。
ストックを傷つけない為にタオルでカバー。強力な溶剤を使用するので、木製ストックだとシミになることがあります。
パッチをソルベント(溶剤)に漬ける。(この作業はステップ6のあとで良いでしょう)
大きすぎず小さすぎず、口径に最適なサイズのジャグを選ぶ。
ジャグはロッドに装着し、パッチを絡めてバレル内を磨く為に使用します。
ロッドの先端にジャグをねじ込む。
私はロッドを二本用意してブラシ用とジャグ用を分けて使用します。
溶剤に浸したパッチの中心をジャグで突いてバレルの中を通します。パッチを通す際は、マズル・クラウン(銃口部分)を傷つけないように注意しましょう。クラウンは命中精度に影響を与える重要な部分です。
溶剤は健康に悪いので、ここでは直接触れずにピンセットで扱っていますが、ジャグにパッチを刺して溶剤をスポイトで垂らすのもひとつの手法です。私のズボラなやり方は、パッチの刺さったジャグに溶剤のビンを傾けて、パッチの端から毛細管現象を利用して濡らします。
バレルを通すとパッチが黒く汚れます。繰り返しパッチを交換し、パッチが白くなるまで往復させます。
元記事では触れていませんが、使用する溶剤は二種類あり、パウダー・ソルベント(火薬カスを落とす溶剤)と、カッパー・ソルベント(銅を溶かす溶剤)を使用します。溶剤は臭いが強烈なので、直接嗅がないでください。うちの猫はうっかり臭いを嗅いだあと全力疾走しておりました。
そして口径に適合したサイズの真鍮ブラシを汚れの具合に応じてバレル内を複数回往復させます。特にキャスト・ブレット(ジャケットのない鉛の弾)を使用した場合は、鉛が溶けてライフリングの溝を埋める(レッディングが起こる)ので真鍮ブラシが必須です。(プラスチック・ブラシは役立たずなので購入しないのが無難です。)
溶剤をバレルに通したら、そのまま数分間放置すると浸透して汚れが取れやすくなります。
溶剤付のパッチを通し終えたら、少なくとも一回は乾いたパッチを通して溶剤を拭き取ります。
バレルの次はチャンバー(薬室)内のクリーニングです。チャンバーのサイズにあったチャンバー・ブラシを使用して磨きますが、バレルと違ってデリケートな場所なので慎重に作業します。
私はチャンバーの中の頑固な汚れに遭遇したことがなく、いつも溶剤とパッチだけで十分だったので、特に専用ブラシを必要と感じたことはありませんでした。あれば便利ですし、フルオート射撃や一度に大量に弾薬を消費したり、質の悪い弾薬を使用した場合、または年代物の銃などには必要になるだろうと思います。
以上の作業が終えたら、仕上げにガンオイルに浸したパッチをバレルに通してオイルの皮膜を作り、バレル内をサビから防ぎます。
私が使用していたレミントンM700と、ライフルを固定するサンドバッグです。クリーニング専用台もありますが、テーブルの上にサンドバッグを置いて代用することもできます。
右下の黒い物体はゼロインに使用するボア・サイターですが、あとで使い方を更新する予定です。(以前サーバ引越し前に記事を公開していましたが、加筆して再公開します)
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