ストライカー方式を採用するピストルのデコック方法を解説します。
デコック(デコッキング)とは?
「デコック」とは、後退したファイアリングピンやストライカー(撃針)、またはハンマー(撃鉄)を前進させることを言います。
これらが後退したままの状態はファイアリングピンスプリングやハンマースプリングが圧縮された状態を維持し、いつでもファイアリングピンやハンマーを解放して発射可能な状態です。
これは安全な状態とはいえません。
デコックはトリガーを引くことで完了可能ですが、薬室内に弾薬が装填されている状態でトリガーを引けば発射されてしまいます。
そのため銃のモデルによってはデコック機能を有し、薬室内に弾薬が装填されている状態でも安全にデコックすることが可能です。
例を挙げるとベレッタ92FSの場合、スライド後部に備わったレバーを押し下げるとハンマーがデコックされ、同時にセイフティがオンになります。
この機能により、トリガーを引くことなく薬室装填状態でも安全にハンマーをレスト状態(休みの状態)にすることが可能です。
ストライカー方式のデコック方法
ストライカー方式を採用するピストルの多くはデコック機能を有していません。
そのため以下の手順でデコックされます。
手順1 マガジンを抜く
手順2 スライドを後退させて薬室内の弾を排除する
1回スライドを引いただけでは薬室内の弾薬の引き抜きに失敗することがあるため、スライドを何度が往復させるとより確実で安全です。
可能ならスライドを後退させたらエジェクションポート(排莢口)から薬室内を目視確認します。
暗い場所で目視確認が難しい場合は指を入れて確認すると良いですが、発射直後は熱いので火傷に注意します。
手順3 スライドを前進させ、トリガーを引く
スライドを前進させます。
※スライドが後退した状態を維持(ホールドオープン)している場合は、スライドリリースレバーを押し下げてスライドを前進させます。
そして銃口を安全な方向へ向けてトリガーを引き、空撃ちします。
以上です。
ワルサーP99の場合、ストライカー式でありながらデコッキングシステム(デコッカー)が備わっているため、スライド上部のボタンを押すだけでデコックが可能です。
仕組みは単純で、デコッカーを押し下げるとシアーが解放され、ストライカーが前進します。
しかし、デコッカーが下がるとストライカーの前進を途中で妨げるのでプライマー(雷管)に到達できません。
ストライカーがプライマーを叩くには、デコッカーが上昇している必要があります。
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