皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。
スパス12のリロードのついての質問です。スパス12はリロードの時に、他のショットガンとは違って特殊な動作が必要だと何かの動画で見たのですが、どういう動作が必要なのか教えていただけると嬉しいです。
SPAS-12の特殊なリロード方法とは?
SPAS-12の装填には、ボタンを押しながら装填する「一手間」が必要です。
フランキ社のSPAS-12は、装填と排莢の動作を「自動」と「手動」に切り替え可能なショットガンです。
セミオートで発射可能なショットガンには、レミントン1100やベネリM4など様々なモデルが存在し、その多くには最終弾発射後にボルトが後退した状態で停止する「ホールドオープン」機能が備わっています。
SPAS-12も同様にホールドオープンが可能ですが、装填時に上下運動するキャリアの動きによってホールドオープンを行う構造になっています。
この構造が他のショットガンとは異なる特殊な装填方法を必要としています。
「キャリア」とは、ショットシェルをマガジンから薬室に送りこむ際に必要なパーツです。他メーカーでは「エレベーター」や「リフト」とも呼ばれますが、フランキ社は「キャリア」と呼称しています。
キャリア・ラッチ・ボタン
SPAS-12の左側(レシーバーの前の部分)には、「キャリア・ラッチ・ボタン」と呼ばれるボタンがあります。
これはキャリア(図の黄色パーツ)をロックしており、ボタンを押すとロックが解除されてキャリアが動けるようになります。
つまり、ボタンを押さなければキャリアがローディングポートを閉鎖しているためショットシェルを装填することができません。
SPAS-12のキャリアラッチボタンはボルトリリースを兼ねており、ボルトがホールドオープンの状態でボタンを押すとボルトが前進して薬室が閉鎖されます。
SPAS-12の装填方法は、まず最初に銃を上下逆さにします。すると、ローディングポート(装填口)が上向きになります。
そして(右利きの場合は)左手で銃を支えながらボタンを押し、右手でショットシェルをキャリアに当てて装填していきます。
キャリアは2つのスプリングのテンションによって抵抗を受けており、あらかじめハンマーを起こしておくと抵抗が軽くなり、装填しやすくなります。
しかし、ハンマーを起こすということは薬室内のショットシェルを誤って撃発させるリスクがあるため、その際にはセイフティをオンにした状態で装填することが推奨されます。
マガジン・カット・オフ・ボタン
キャリア・ラッチ・ボタンの反対側(銃の右側)に「カット・オフ・ボタン」が配置されています。
銃の両側にボタンが配置されているため若干の紛らわしさがありますが、カットオフボタンはマガジン内からショットシェルが出てくるのを防ぎます。
カットオフボタンを押さない状態でボルトを引くと、自動的にマガジン内のショットシェルがキャリアの上に飛び出して次弾を供給します。
しかし、カットオフボタンを押せばマガジン内の次弾を供給することなく薬室内のショットシェルを安全に排除することができます。
また、マガジン内に装填されている弾薬とは異なる種類の弾薬を使用したいときにも、カットオフボタンを利用して薬室内の弾薬を排除後に新しい弾薬を直接薬室に装填することができます。
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