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サブマシンガンの発射速度が速い理由とは?

サブマシンガン画像

皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。

近年のサブマシンガンではIMI(IWI) UZIやH&K UMPといった600〜650RPMの短機関銃及びPDWを見ない気がしますが、フルオート射撃自体の需要が少ない事と連射速度を遅くさせる為にボルトストロークを伸ばす等の調整を行うと重量が増加したり構造が複雑になり高コストになってしまうのをメーカーが嫌うからでしょうか?

サブマシンガンの発射速度が速い理由とは?

B&T APC9K Photo via recoilweb.com

ユーザーがサブマシンガンに求める性能は目的(用途)によって様々で、目的を達成できる能力を持つ製品が良いとされます。

発射速度はユーザーに求められる要素のひとつであり、近距離で使用されるサブマシンガンでは短時間に大量の弾を命中可能な、対象を素早く無力化する能力も求められています。

しかし、発射速度が速いことで銃のコントロールが困難になり、命中率低下や作動不良(ジャム)の確率が高くなるなど、デメリットもあります。

メーカーは総合的にバランスの取れた性能を目指して設計していますが、裏を返せば、このようなデメリットを解決できれば発射速度が速くても問題ないといえます。

近年のサブマシンガンは性能が向上しており、反動を吸収するバッファーシステムやエルゴノミクスの進化などによって、反動を軽減しマズルジャンプの少ないモデルが増えています。

毎分1,000発の発射速度でもコントロールしやすく、命中率の高いサブマシンガンも少なくありません。

「発射速度が遅ければ高性能である」とはいえないということです。

M3サブマシンガン画像
M3A1 Photo via Wikipedia

例を挙げると発射速度が毎分450発のM3サブマシンガンは、重いボルトを使用しているため非常に遅い発射速度となっています。

M3はフルオートでもコントロールが容易ですが、重いボルトであるがゆえにボルト前進時の慣性力によって銃口が下がってしまい、最初の数発の命中率が低下しやすいという問題があります。

サブマシンガンの発射速度と性能は比例せず、総合的なバランスが重要といえます。