この記事ではハンドガン(拳銃)の構造を解説します。
ハンマー方式のピストル
代表的なピストルとしてコルト1911を例に構造を解説します。
上の動画は発射の様子です。
トリガーを引くとハンマーが落ち、棒状のファイアリングピン(撃針)を叩きます。
するとファイアリングピンを介して弾薬(カートリッジ)の底に配置されたプライマー(雷管)に打撃を与えます。
プライマーは圧力を受けて撃発し、弾薬内の装薬(火薬)に引火します。
装薬の燃焼によって高圧ガスが発生し、ガス圧に押されて弾頭が銃身内を加速、発射されます。
弾頭が前進すると同時に、薬莢には後退する力(作用反作用の法則)が発生します。
反動を受けてスライドが後退し、薬莢がエジェクターに衝突すると外部へ排莢されます。
スライドが最後まで後退すると、銃身の下に配置されているリコイルスプリングの反発力によってスライドが前進します。
前進するスライドはマガジン内の弾薬を引っ掛け、そのまま銃身内部の薬室内に弾薬が送り込まれて次弾装填が完了します。
基本的に多くの銃はこのサイクルによって作動します。
ストライカー方式のピストル
銃にはハンマーを利用して撃発する構造の他に、ストライカーを利用する構造が存在します。
ストライカー方式の銃にはハンマーが備わっていません。
動画はグロック19の発射の様子です。
トリガーを引くとストライカー(撃針)が前進し、プライマーを叩いて発射されます。
ガス作動方式のピストル
ピストルは反動を利用してスライドを後退させる構造が多いですが、ガス圧でスライドを後退させる構造も利用されます。
動画はガス作動方式を利用するデザートイーグルの発射の様子です。
スライドの先端内部にガスピストンが備わっており、ガス圧がピストンを後退させてスライドが後退し、自動的に装填と排莢を行います。
リボルバー(回転式拳銃)の構造
1300年代のヨーロッパで筒に火薬を詰めて発射した原始的な構造の銃が誕生し(※諸説あり)、1500年代にシングルショット(単発)・ピストルが誕生したといわれています。
1500年代末期には、手でシリンダーを回す手動回転式のリボルバーが開発され、1814年にアメリカのイライシャ・コリアー(Elisha Collier)によってフリントロック・リボルバーが発明されました。
1836年にサミュエル・コルト(Samuel Colt)がリボルバー・メカニズムの特許を取得すると、以後リボルバーが爆発的に普及します。
1856年にはイギリスのロバート・アダムスによって世界初のダブルアクション・リボルバーであるアダムス・パテント・リボルバーが開発され、コルトでは1877年に同社初のダブルアクション・リボルバー(コルトM1877)を開発しています。
ダブルアクション・リボルバーとはトリガーとハンマーが連動するリボルバーで、トリガー操作のみでシリンダーを回転させると同時にハンマーを動かし、連続発射が可能な機能を持っています。現在、最も一般的なリボルバーの構造といえるでしょう。
リボルバーの撃発構造
この図はルガー社のリボルバーを表しています。
シングルアクションとダブルアクションが可能で、トリガー操作だけで連続射撃が可能です。
トリガーを引いていない状態ではハンマーはファイアリングピンに接触しません。
トランスファーバーは銃の落下等による外部の衝撃から暴発を防ぎます。
トリガーを引くとハンマーが起き上がり、同時にトランスファーバーが上昇します。
また、パウル(ハンド)が上昇し、シリンダー(回転弾倉)を回転させます。
トリガーを最後まで引き切るとハンマースプリングの力でハンマーがトランスファーバーを叩きます。
ハンマーの打撃力はトランスファーバーを介してファイアリングピンを叩き、弾薬のプライマー(雷管)を撃発して発射されます。
手動でハンマーを起こした状態。(シングルアクション時)
トリガーを引くとハンマーが開放されてトランスファーバーを叩き撃発します。
以下の動画はスターム・ルガー社のダブルアクション・リボルバー、セキュリティー・シックス(ダブル・アクション・リボルバー)の構造を表しています。
シリンダーが回転するとラッチ(水色のパーツ)がシリンダーの回転を停止させ、シリンダー内の弾薬と銃身位置が一致します。
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