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グロックのトリガーピンが抜けない理由とは?

銃の画像

Image courtesy of gungenius.com

銃の画像自動拳銃ついて質問させてください。

グロックではトリガーの上部分辺りに2本のピンが有ります。

各パーツを保持するためにフレームの外側からピンを打ち込んだり完全分解する時にニードルポンチ等で叩いてピンを抜いたりしているのを見ますが、あのピンは、完全分解などで何度も抜き差ししていると緩くならないのでしょうか?

緩々だとキャリー時に抜け落ちたり、発砲の衝撃でピンが抜けて大事故になりますよね?

グロックなどの樹脂フレームもそうですが1911系の銃もフレームにピンが有るのを見て気になりましたので教えてください。

 

 

銃の画像銃には様々なピンが使用されており、緩めば抜けやすくなるピンと、構造上緩んでも抜けないピンがあります。

構造はモデルによって異なるため一概に回答できませんが、グロックとモデル1911を具体例として解説します。

 

グロック

銃の画像

Image courtesy of glockmeister.com

上の画像はグロックのスライドストップ(スライドリリース・レバー)です。

丸い穴の部分にトリガーの軸にあたるトリガー・ピンが通ります。

銃の画像

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上の画像はグロックのトリガー・ピンです。

二か所に溝が確認できますが、この溝にスライドストップが入り込み、ピンが左右に抜けなくなります。

よって分解時にはスライドストップを動かしながらピンを抜き取るという作業が必要になり、ピンを押しただけでは抜けません。

つまり、トリガー・ピンはスライドストップによって内部でロックされるため、使用中に抜け落ちることはないということです。

 

銃の画像

上の画像はグロックのトリガーを前方から見たCGです。

白い部分はロッキング・ブロック、中央にトリガー、トリガーとロッキング・ブロックの間にスライドストップが確認できます。

スライドストップには針金の様なスライドストップ・スプリングが固定されており、スプリングの端はトリガーピンの上にあるロッキング・ブロック・ピンを押さえています。

 

銃の画像

上の画像は左斜め後方から見たCGです。

二本のピンが確認できますが、下がトリガー・ピン、上がロッキング・ブロック・ピンです。

スライドストップ・スプリングはロッキング・ブロック・ピンを押し上げつつ、スライドストップを下へ引っ張っています。

 

ロッキング・ブロック・ピンにはスプリングのテンションが掛かっているとはいえ、実際に射撃中に緩んで徐々にピンが飛び出してくるという問題が報告されています。

これはピンを交換することで解決できることもあるのですが、それでも解決しない場合はグロック社に送ってサポートを受けることになります。

稀な事象ではあるものの、予防策としては、「ロッキング・ブロック・ピンの抜き取りは必要最小限にする」「ピンを抜く際は左から右方向へ抜き、入れる際は右から左方向へ入れる」という二点があります。

これを実行することで、緩みを最小限に抑えられます。

 

1911ピストル

次にモデル1911ピストルを例にピンの使われ方を確認します。

下の画像は1911ピストルに使用されているピンです。

銃の画像

Image courtesy of midwayusa.com

左から順番に、

  1. スライドストップ・プランジャー(プランジャー・ピン)
  2. ハウジングピン・リテイナー(メインスプリング・ハウジングピン・リテイナー)
  3. メインスプリング・キャップ
  4. セイフティー・ロック・プランジャー
  5. ハンマー・ピン
  6. バレルリンク・ピン
  7. メインスプリング・キャップ・ピン
  8. シアー・ピン
  9. メインスプリング・ハウジング・ピン
  10. エジェクター・リテイニング・ピン
  11. ハンマー・ストラット・ピン

・・・といったピンが使用されています。

これらのピンがなぜ自然に抜け落ちないのか、その理由をそれぞれ以下に解説します。

  1. スライドストップ・プランジャー(プランジャー・ピン)はスライドストップに阻まれて抜け落ちない構造です。また同時に、スライドストップが抜け落ちるのを防いでいます。
  2. ハウジングピン・リテイナー(メインスプリング・ハウジングピン・リテイナー)はメインスプリング・ハウジング・ピン(左から9番目)に阻まれて抜け落ちない構造です。
  3. メインスプリング・キャップはメインスプリング・キャップ・ピン(左から7番目)に阻まれて抜け落ちない構造です。
  4. セイフティー・ロック・プランジャーはセイフティ・ロック(マニュアルセイフティ/サムセイフティ)に阻まれて抜け落ちない構造です。
  5. ハンマー・ピンは釘の頭のような形状によりフレームを貫通しない構造となっており、抜け落ちる側(左側)からセイフティ・ロックが蓋をする構造となっているため抜け落ちません。
  6. バレルリンク・ピンはフレームの内部にあるため抜け落ちない構造です。
  7. メインスプリング・キャップ・ピンはハンマー・ピンと同じく釘の頭のような形状で、メインスプリング・ハウジングの内側から挿入されており、反対側はシアースプリングに阻まれて抜け落ちない構造です。
  8. シアー・ピンはハンマー・ピンと同じく、セイフティ・ロックに阻まれて抜け落ちない構造です。
  9. メインスプリング・ハウジング・ピンは中央に溝があり、この溝にハウジング・ピン・リテイナーがハンマースプリングのテンションによって嵌め込まれるため抜け落ちない構造です。
  10. エジェクター・リテイニング・ピンはスライドの溝の中にあるため抜け落ちない構造です。
  11. ハンマー・ストラット・ピンはフレームの内側にあるため抜け落ちない構造です。

この様に、それぞれのパーツが物理的に抜け落ちない構造となっており、仮に緩んでもピンは勝手に抜けません。

ピンを抜くには一定の手順で分解する必要があります。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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