
銃器の種類(カテゴリー)をご紹介します。
銃のカテゴリー
ハンドガン(拳銃)

- 拳銃弾を使用し、近距離や狭い場所(室内など)で使用される小型の銃器です。
- 対人用としての有効射程距離は概ね10~50メートルです。
- 多くの場合で使用される距離は20m以内であり、FBIが調査したハンドガンが使用される平均距離の統計では約7m前後と言われています。
ピストル
オートマチック・ピストル(自動拳銃)

- 一般的に、ピストルとはオートピストルのことを指します。
- 火薬の力で装填と排莢を自動的に行う機構を持ち合わせています。
- 発射時に生じるガス圧や反動を利用して作動させます。
- トリガー(引き金)を一回引くと一発発射されます。
マシンピストル(機関拳銃)

- オート・ピストルをフルオート化したもの。
- トリガーを引き続けると自動的にフルオートまたはバースト射撃されます。
- ピストル弾をフルオートで連射できるコンパクトな銃全般をマシンピストルと呼びます。
- 例:スチェッキンAPS、グロック18、B&T MP9
シングルショット・ピストル(単発式拳銃)

- 一発撃つごとに手動で排莢と装填を行います。
- 構造的に精度を高められるため、ハンティング用や競技用で用いられることが多いカテゴリーです。
マズルローディング・ピストル(前装式 / 先込め式)

- マズルローディング・ライフルのピストル版。
- 概要はマズルローディング・ライフルを参照。
リボルバー(回転式拳銃)

リボルバーはシリンダー(回転弾倉)の中に弾薬が装填され、トリガーを引いたりハンマー(撃鉄)を起こす度にシリンダーが回転し、次々と弾を発射可能なハンドガンです。
トリガーを一回引くと一発発射される「ダブル・アクション」と、手動でハンマーを起こしてからトリガーを引くと一発発射される「シングル・アクション」があります。
リボルバーの種類によってこの両方を備えているものと、「シングルアクションのみ」や「ダブルアクションのみ」を備えているリボルバーが存在します。
オートピストルより装弾数が少ないことが殆どであるため、近代では軍用として使用されなくなりました。
構造上、ピストル弾より強力な弾を使用可能なため、ハンティングで使用されることもあります。
オートマチック・リボルバー(自動回転式拳銃)

- トリガーを一回引くと一発発射されます。
- 反動を利用して自動的にハンマーを起こすと同時にシリンダーを回転させるリボルバーです。
- 構造が複雑化し、作動の信頼性が低いため一般的ではありません。
- 有名なものにユニオン・オートマチック・リボルバー、マテバ6ウニカ、ウェブリーフォスベリー等があります。
ロングガン(長銃)

ライフルやショットガンなど、ストック(銃床)が備わっている全長が長い銃の総称。
両手で保持し、ストックを肩に当てて撃つことから「ショルダー・ファイヤード・ガン」などとも呼ばれます。
ライフル

ライフル弾を使用し、ストック(銃床)を備えた中~長距離射撃が可能な銃です。
歴史的に「ライフル」の名称はバレル(銃身)にライフリング(旋条)を備えた銃を由来としますが、ライフリングのない全長が長い銃をライフルと呼ぶこともあります。
また、一般的に「小銃」は軍用ライフルを指します。
米国では法律上、ストックを備えた銃(銃身長16インチ以上)はピストル弾を使用していてもライフルのカテゴリーに入り、逆にライフル弾を使用する銃でもセミオート射撃オンリーでストックが無い銃はピストルのカテゴリーに入ります。
オートマチック・ライフル(自動式ライフル銃)

前述したオート・ピストルと同じく、火薬の力で自動的に装填と排莢を繰り返すライフルです。
日本では自動式ライフルや自動小銃と呼ばれます。
アサルトライフル(突撃銃)

- 歩兵が装備する主要武器で装弾数30発程度の着脱が容易な箱型マガジンを使用し、セミオート(単発)射撃とフルオート(連発)射撃の両方が可能なオートマチック・ライフル。
- 現在のアサルトライフルの形として完成したのは第二次世界大戦中のナチスドイツで開発されたStG44と言われています。
- 有効射程距離はアサルトライフルでは約300~600m、狙撃用セミオートライフルでは600mから2000m有効なものまで様々。
- 重量は一般歩兵にも負担の少ない3~4kgが多くなっています。
- マシンガンと同様にフルオート射撃が可能ですが、「マシンガン」とは呼ばれません。
- 重量が3~5kg程度と軽量で、使用者が身軽に行動でき、移動しながらの射撃も容易となっています。
- 有名なものに、米国のM16、ロシアのAK47などがあります。
バトルライフル

- 近年誕生した新しいカテゴリーですが、軍の制式な用語ではなく、民間市場で多用される用語です。
- セミオートやフルオート射撃が可能なフルサイズカートリッジを使用するライフルを指します。
手動式ライフル
ボルトアクション・ライフル

- オートマチック・ライフルと同様にライフル弾を使用しますが、手動でボルトの開閉操作を行い装填と排莢を行うライフルです。
- 構造がシンプルであるため故障が少なく確実に作動するうえ、設計上精度を高められる利点があります。
レバーアクション・ライフル

- 手動でレバーを上下させて装填と排莢を行うライフルです。
ポンプアクション・ライフル

- 手動でフォアエンドを前後させて装填と排莢を行うライフルです。
- スライドアクションライフルとも呼ばれます。
リボルバー・ライフル
リボルビング・ライフル(回転式ライフル)

- リボルバーと同じ構造でライフル弾を使用するライフルです。
- ピストル弾を使用する場合でも、バレルが長くストックが備わっているものはライフルと呼ばれることがあります。
オーバー・アンダー・ライフル(上下二連ライフル)

- 銃身が上下に二本並んでいるライフルです。
- 通常、トリガーを引くと下の銃身から発射され、もう一度引くと上の銃身から発射されますが、モデルによっては切替可能です。
- 手動で銃を折ることで装填と排莢が可能になります。
- 「ダブルバレルライフル」や「コンビネーションガン」とも呼ばれます。
- コンビネーションガンでは口径や種類の異なる弾薬を撃ち分けることが可能です。
サイド・バイ・サイド・ライフル(水平二連ライフル)

- 銃身が水平に二本並んでいるライフルです。
- 「ダブルバレルライフル」や「コンビネーションガン」とも呼ばれます。
- コンビネーションガンでは口径や種類の異なる弾薬を左右で撃ち分けることが可能です。
シングルショット・ライフル(単発式ライフル)

- ボルトアクション・ライフルはマガジンを備えているため手動で連発できますが、シングルショット・ライフルはマガジンが無く、一発撃つごとに手動で装填する必要があります。
- 構造上、比較的強力な弾薬を使用することが可能です。
マズルローディング・ライフル(前装式/先込め式銃)

- マズル(銃口)から弾や火薬を装填する前装式銃です。
- 金属製薬莢が発明されるまで世界的に使用されていました。
- 現代の銃器で使用される火薬は煙の少ないスモークレスパウダー(無煙火薬)ですが、マズルローディング・ライフルの時代には発射時に大量の煙を発生させる黒色火薬を使用していました。
- マズルローディング・ライフルの撃発方法は様々あり、マッチロック(火縄式)、ホイールロック(ゼンマイ式)、フリントロック(火打石式)、パーカッション式、テーププライマー(巻紙式)などがあります。
- 日本では金属薬莢が発明されるまでマッチロック(火縄式)が主流でした。
ショットガン(散弾銃)

- 近距離で使用され、自衛用、攻撃用、狩猟用として威力を発揮します。
- 他の種類の銃と異なり、多くはライフリングを備えておらず、スムースボア(滑空銃身)のバレルが用いられます。
- ショットガンは一度に複数の弾を発射できる散弾や、スラグ(一発弾)の他、非致死性ゴム弾などあらゆる弾種を使用することが可能です。
- 手動、或いは自動で装填と排莢が行われ、中には手動と自動を切り替えられるモデルも存在します。
- 全長は30~120cmと幅があり、重量は2~5kgが多くみられます。
- 装弾数は、中折れ式は2発が主流であり、それ以外は4~12発程度と様々です。
- 有効射程距離はハンドガンと同様に50~100m以下と短く、対人用には10~30m以内で使用するのが効果的です。
マニュアル・ショットガン(手動式散弾銃)
ポンプアクション・ショットガン(ポンプ式散弾銃)

- 手動でフォアエンド/グリップを前後させて装填と排莢を行うショットガンです。
レバーアクション・ショットガン(レバー式散弾銃)

- 手動でレバーを上下させて装填と排莢を行うショットガンです。
リボルバー・ショットガン
リボルビング・ショットガン(回転式散弾銃)

- リボルバーと同じ構造でショットシェルを使用するショットガンです。
オーバー・アンダー・ショットガン(上下二連散弾銃)

バレル(銃身)が上下に二本並んでいるショットガン。鳥やクレー射撃など、上下に移動する目標を狙うのに適しています。
サイド・バイ・サイド・ショットガン(水平二連散弾銃)

- バレルが水平に二本並んでいるショットガンです。
- ハンティングやホームディフェンスなど幅広く用いられます。
マズルローディング・ショットガン(前装式/先込め式散弾銃)

- 銃身が左右に2本並んだ前装式ショットガンです。
オートマチック・ショットガン(自動式散弾銃)

- 反動やガス圧を利用して自動的に装填と排莢を繰り返すショットガンです。
- セミオート(単発)の他、自動で連射可能なフルオート・ショットガンも存在します。
- 軍用やハンティングで使用されることが多い機構です。
アドオン・ショットガン

- ライフルに装着して使用するショットガンです。
- 主に軍で使用され、ドアの破壊等に使用されます。
ショットガン・ライフル

- ショットシェルとライフル弾を使用可能なコンビネーションガンの一種です。
- 近距離では散弾、遠距離ではライフル弾といった使い分けが可能です。
マシンガン(機関銃)

- ライフル弾を使用し、トリガーを引き続ける間は連続して弾を発射(フルオート射撃)する銃です。
- 一般的にセミオート(単発)発射機能はありません。
関連記事:アサルトライフルとマシンガンの違いとは?
ヘヴィーマシンガン(HMG/重機関銃)

- 強力なライフル弾を使用し、対人用はもちろん、車両や低空の航空機に対しても有効です。
- 1800年代後半に登場し、後に小型化されたライトマシンガンが登場しました。
- へヴィー・マシンガンは専用マウントやトライポッド(三脚)に載せ、陣地に設置したり、車両や航空機などに搭載して大口径の弾を大量に連続して撃ち出すことが可能です。
- 有名なものに米国のブローニングM2やロシアのDShKなどがあります。
ガトリング砲/ガトリングガン
(多銃身回転式速射砲/多銃身回転式重機関銃)

- 1861年、リチャード・ガトリングによって設計製造された多銃身空冷マシンガン。
- このカテゴリーの銃は、複数本のバレルの束が外部パワーソース(手動クランク/油圧/電動など)により回転し、短時間に大量の弾を発射可能です。
- 時代と共に改良され、現在では航空機に搭載されるM61バルカン砲(20mm口径)やM134ミニガン(7.62mm口径)で採用されています。
- パワーソースを火薬の力に頼る従来のマシンガンとは異なり、不発が起きても強制的に作動を継続できるメリットがあります。
- 専用マウントやトライボッドに載せて運用されるため、映画のように手に持って撃つことは効率的ではありません。
ライトマシンガン(LMG/軽機関銃)

- ライトマシンガンは1人で携帯し運用可能なマシンガンです。
- ライフル弾が使用され、 多くは分隊支援火器として使用されます。
関連記事:アサルトライフルとマシンガンの違いとは?
サブマシンガン(短機関銃)

- 拳銃弾を使用し、フルオート射撃が可能な軽量コンパクトな銃です。
グレネード・ランチャー(GL/擲弾発射器)

- 炸薬の入った弾を撃ち出す銃。対人用では撃ち出された弾の中に炸薬が入っており、着弾地点や空中で炸裂し、半径3~6mの範囲の目標を破壊したり殺傷する事ができます。
- 弾頭の種類は様々あり、対人用榴弾の他、対装甲弾、散弾、催涙ガス弾、スモーク弾、ショットシェル用アダプターなど多種多様に存在し、警察では暴徒鎮圧用に催涙弾をメインに使用されます。
- 西側諸国では40mm口径、東側諸国では40mmまたは43mm口径が一般的であり、民間市場では軍用と互換性を持たせないために37mm口径が多く見られます。
シングルショット・グレネードランチャー

- マガジンを備えておらず、一発ごとに手動で装填と排莢を行います。
- ベトナム戦争以降大きな発展を遂げたグレネード・ランチャーですが、有名な米国のM79は1961~1971年の10年間に35万丁ものランチャーが製造され、これを装備する兵士は1人あたり20発の弾を携行しました。
アドオン・グレネードランチャー

- ライフルに装着して使用されるランチャーです。
- 西側諸国では40mm口径が一般的であり、最大1,500mの射程を持つランチャーまで存在。
マルチプル・グレネード・ランチャー(MGL)

- 回転式グレネード・ランチャーです。
- リボルバーと同様にシリンダー(回転弾倉)が備わっており、グレネード弾を使用します。
- トリガー操作によるダブルアクション、またはスプリングの反発力を利用してシリンダーを回転させます。
オートマチック・グレネード・ランチャー(AGL/自動榴弾発射器)

- グレネード・ランチャーの大きさは様々あり、個人装備用の重量1.5kg程度のものもあれば、3脚を使用して陣地に設置する重量20~30kgの大型サイズ(AGL:オートマチック・グレネード・ランチャー)も存在します。
- 最新の大型グレネードランチャーには、コンピューターが搭載されており、距離を計測しながら1,000~2,200mの射程で射撃する事も可能となっています。
- AGLは1966年以降にベトナム戦争を経て発展し、これまでに各国で多くのAGLが開発されました。
- 30×28mm、40×46mm、40×53mmなどの弾薬が使用されます。