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銃弾は金メッキ?薬莢が金色の理由とは?

弾薬の画像

皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。

弾頭に金メッキを施すメリットについて質問があります。
targetbarnという弾薬の通販サイトにホーナディ・クリティカルディフェンス・FTX38スペシャル+Pをテストしたページがあるのですが、そこでテストされた弾の個体の弾頭がなぜか金色でした。
あくまでも個人的にですが弾頭が金色の弾は見た事がないのでとても驚きました。
そこで疑問なのですが、弾頭をわざわざ金色にする、若しくは弾頭に金メッキを施す事に
何かメリットはあるのでしょうか?

弾頭の金メッキの意味とは?

装飾目的などを除き、消耗品である弾頭に高価な金メッキを施すことはありません。

金色に見えたとしたら、それは恐らく銅メッキや真鍮メッキです。

一般的に弾頭は鉛のコアに銅のジャケットを被せた構造になっています。

しかし、ジャケットを被せる代わりにメッキ処理により鉛を銅で被うことも行われています。

鉛は融点が低く、鉛の弾頭を高速発射すると摩擦により銃身内で溶け、銃身に固着する「レッディング」が起こります。これを防ぐために弾頭は銅で被われています。

また、鉛の露出を防ぐことで鉛中毒のリスクを低減することができます。

ジャケットとメッキの違いについては以下の記事をご覧ください。

金色の薬莢のメリットとは?

ライフル弾の画像
Photo via Wikipedia

弾の薬莢には大きく分けてニッケルメッキを施したいわゆる銀色の薬莢と金色の薬莢があります。
ニッケルメッキを施した銀色の薬莢は錆びにくい、暗い所でも見つけやすいといったメリットがありますが、金色の薬莢にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

薬莢は使用する素材やコーティングによって色が異なります。

薬莢の色が金色であることにメリットはありません。

薬莢が金色なのは素材に真鍮を利用しているためで、真鍮を利用することにメリットがあります。

ピストルの内部画像

真鍮製薬莢は強固さと柔軟性が備わっており、高圧環境において裂けることなく膨張し、薬室内のガスを封じ込め、ブリーチ(銃身後端)からガスが逃げるのを防ぎます。

また、ヘッド(薬莢後端の強固な部分)は強い反動に耐える構造で、伸縮による薬莢の断裂を防ぎやすい特徴があります。

薬莢にはアルミや鉄も利用され、これらは安価で加工しやすい素材ではあるものの、上記のような特徴に劣り、真鍮製薬莢は他の素材と比較しても信頼性が高いといえます。

特にアルミは高圧環境に弱く、融点も低いため、比較的低圧な拳銃弾でのみ利用されており、高圧となるライフル弾にアルミは使用されていません。

アルミや鉄の薬莢は一度使用すると脆弱になり、再利用が困難ですが、一方で真鍮製薬莢は再成形しやすく、再利用するユーザーにも好まれています。

アルミや鉄の薬莢は射撃練習用としては良いですが、軍や法執行機関、護身用などの用途では、信頼性の高い真鍮製薬莢が推奨されます。(鉄製薬莢を使用することを前提とした設計のロシア製軍用銃などは例外です)

そして銀色の薬莢(ニッケルメッキが施された真鍮製薬莢)は、真鍮をコーティングしているため強度が向上し腐食に強く、摩擦が少ないため薬室へのスムーズな装填と排莢が行えます。