
この記事は、銃に関する「よくある疑問」に回答する入門者向けの内容です。
銃に興味を持った入門者が最初に読む記事として、銃に関する基本的な疑問点が簡潔に解消されることを目指しています。
以下の目次から興味があるトピックをご覧ください。
- 銃の起源と語源とは?
- 銃剣とは?
- 銃の数え方とは?
- リボルバーとは?
- オートマチックとは?
- セミオートとフルオートの違いとは?
- アサルトライフルの重さとは?
- マグナムとは?
- カートリッジとは?
- マガジンとは?
- リロードとは?
- チャンバーとは?
- シリンダーとは?
- バレルとは?
- マズルブレーキとは?
- ストックとは?
- チョークとは?
- サイレンサーの仕組みとは?
- 銃弾の速度とは?
- 有効射程の違いとは?
- リコイルとは?
- 銃の反動を抑える方法とは?
- 銃を撃てなくする方法とは?
- 銃の安全装置を解除する方法とは?
- 銃の威力を計算する方法とは?
- 銃で撃たれると痛い?
- 銃による怪我が全治する期間とは?
- 銃をメンテナンスする頻度とは?
- 空砲とは?
- アメリカはなぜ銃を規制しない?
銃の起源と語源とは?
銃の起源は定かではありません。誰が発明したのかも不明です。

銃の元となった武器は中国で発明されたと考えられており、10世紀には竹の筒に火薬と小さな弾丸を詰めた手持ちの「火槍」が作られました。
これは小型の火炎放射器のような威嚇武器で、いわゆる現代の「銃」のイメージとは異なる構造です。
(中国の12世紀の洞窟から発見された彫刻が、最古の銃の描写といわれています)
そして13世紀には金属製の筒に改良され、やがて金属製の手持ちの大砲(手砲)に変化しています。
これらの武器は14世紀にはユーラシア全土に広まり、フリントロックやブランダーバスなどに進化しています。
ちなみに日本語の「銃」の語源は、斧の柄を挿し込む部分を意味し、同じ金属の筒状であることから「銃」と呼ばれるようになりました。
また、英語で銃を意味する「ガン(Gun)」の語源は、スカンジナビア神話の女性の名前「Gunnhildr」に由来しているとされています。
「Gunnhildr」は古ノルド語で「戦い」を意味する「gunnr」と「hildr」を合わせた言葉で、14世紀頃から兵器の名前に使用されており、ウィンザー城に配備されていたバリスタ(大型弩砲)は「Domina Gunilda(グニルダ夫人)」と呼ばれていました。
ヨーロッパでは「モンス・メグ」「ビッグ・バーサ」「ブラウン・ベス」など、兵器に女性の名前が付けられてきた歴史的背景があります。
銃剣とは?
銃剣(バヨネット / bayonet)とは、銃の先端に装着するナイフやスパイクなどの武器です。

主にライフルやショットガンなど全長が長い銃に装着され、接近戦における「槍」として使用されます。
銃剣は素手でナイフを刺すよりも強い力で刺すことが可能な他、リーチが長いため通常のナイフより有利に戦うことができる利点があります。
騎兵が存在していた時代には、一般の歩兵が騎兵に対抗する強力な武器としてスパイク状の長い銃剣が利用されていました。
現代では軍において銃剣を使用する例が少ないといえますが、近年では2009年と2011年に英軍兵士がアフガニスタンでタリバン兵に対する銃剣格闘により軍功十字章(ミリタリークロス)を授与された例があります。
銃剣はシンプルな武器で、戦場において銃の作動に問題が生じた場合や残弾がない場合でも、一定の継戦能力を維持できるメリットがあります。
銃剣の形状はナイフに似ていても刃が付いていないものが多く、相手を刺すための武器であるものの、刃が付いていると自分や仲間を傷つけやすくなるなど扱いに注意が必要となるため、多くは刃を必要としない突き刺す目的に特化されています。
銃の数え方とは?
銃の数え方は「挺」「梃」「丁」などが使用されますが、これは長い物を数えるときに使用される漢字です。
「丁」は常用漢字ですが、「挺」と「梃」は常用漢字ではありません。
一般的には「1丁、2丁」と数えられます。
リボルバーとは?

リボルバー(回転式拳銃)は、回転するシリンダー内に弾薬を装填し発射されるハンドガン(拳銃)です。
オートピストル(自動拳銃)は薬室(チャンバー/チェンバー)と弾倉(マガジン)がそれぞれ独立していますが、リボルバーはシリンダーが薬室と弾倉を兼ね備えた構造です。
リボルバーの長所
- 比較的にパーツ点数が少なく、作動の信頼性が高い
- 自動装填と自動排莢を行わないため、作動不良のリスクが低い
- 銃身が固定されており、命中精度が高い
- 発射可能な弾薬の種類が豊富
- 弾薬の性能が銃の作動に影響しない
- シンプルな構造のため初心者でも扱いやすい
リボルバーの短所
- シリンダーの容量に制限があり、装弾数が少ない
- 再装填(リロード)に手間と時間を要する(射手のスキルによって異なる)
- 砂などの異物に弱く、悪環境では作動不良を超しやすい
- ボアアクシス(銃身軸)が比較的に高い位置にあり、反動によるマズルジャンプ(銃口の跳ね上がり)が大きい傾向がある
- サイトが小さいモデルが多く、視認性の悪さが命中率低下に影響する場合がある
オートマチックとは?
オートマチック(自動式/オート)とは、トリガー操作のみで自動的に装填と排莢を繰り返す銃です。
自動的に作動するため、一発撃つごとに手動で装填と排莢を操作する必用がありません。

オートピストルを例にすると、トリガーを引くとハンマーが解放され、スライド内のファイアリングピン(撃針)を介して薬室内の弾薬を叩きます。
弾薬の底にはプライマー(雷管)が備わっており、プライマーは打撃による圧力を受けて撃発し、弾薬内の装薬を燃焼させ、燃焼により発生したガスの圧力により弾が発射されます。

発射時には反動が発生し、スライドが後退すると同時に空薬莢が外へ排莢されます。
そしてスプリングの力で後退したスライドが再び前進し、マガジン(弾倉)内の次弾を押して薬室内に装填、次弾の発射準備が完了します。
セミオートとフルオートの違いとは?
セミオート
セミオート(単射)は、トリガーを1回引くと1発だけ発射される発射モードです。
発射後にトリガーを戻すとリセットされ、再度トリガーを引くと次弾が発射されます。
トリガーを引いて発射すると銃は自動的に排莢と装填を行い停止します。
フルオート
フルオート(連射)は、トリガーを引き続けると複数発が連続して発射される発射モードです。
引いたトリガーを戻すと発射が停止します。
トリガーを引いて発射すると、銃は自動的に「排莢」「装填」「撃発」を行い、トリガーを引いている間は最終弾が発射されるまでこのサイクルを継続します。
セミオートとフルオートの使い分け
フルオート時は発生する反動が連続するため銃が大きく跳ね上がり、銃をコントロールすることが困難になり命中率が低下します。
しかし、セミオート時は跳ね上がった銃を元の位置に戻したタイミングで次弾を発射できるため、命中率が向上します。
軍においてライフルはセミオートで発射されるのが通常ですが、短時間に大量の弾を発射できるフルオートは火力が高いため、近距離で敵を圧倒したい状況や、敵の行動を阻止する制圧射撃に利用されます。
アサルトライフルの重さとは?

アサルトライフルの重さは一般的にに約3~4kgほどですが、銃身長や仕様の違いによって重さが異なります。
以下はアサルトライフルの重さの例です。
モデル | 重さ (kg) |
---|---|
M16A1 | 2.89 kg |
M16A4 | 3.40 kg |
AK-47 | 3.8 kg |
AKM | 3.6 kg |
HK 416 | 3.85 kg |
ステアー AUG | 3.6 kg |
FN SCAR-L | 3.29 kg |
H&K G36 | 3.63 kg |
タボール TAR-21 | 3.27 kg |
89式5.56mm小銃 | 3.5 kg |
マグナムとは?

マグナム弾とは、一般的に従来の同系の弾薬よりケース(薬莢)が大きく、装薬量が多い弾薬です。
しかし、どれぐらいの装薬量の弾薬を「マグナム弾」と呼べるのか・・・といった定義はありません。
マグナム弾の長所
- 弾速が速い
- 威力が大きい
- 弾道がよりフラットになり、射程距離が長い
マグナム弾の短所
- 反動が大きくなり、速射性が低下する(連射は不向き)
- 反動が大きいため、条件によっては射撃に苦痛を伴いやすい
- 高圧に耐える設計が必要なため、銃のサイズが大きくなり、重量も重くなる(携帯に不向き)
- パーツへの負荷が大きく、消耗が激しい
- 弾薬が比較的高価
- 一般的な弾薬と比較すると入手困難な傾向がある
カートリッジとは?

カートリッジ(Cartridge / 弾薬 / 実包)とは、ブレット(弾頭)、パウダー(装薬)、ケース(薬莢)、プライマー(雷管)で構成される「弾薬」です。
1808年、スイス人ガンスミスのジャン・サミュエル・ポーリーがフランスで発明し、ピストル、リボルバー、ライフル、ショットガンなどに使用されています。
カートリッジの語源はフランス語の「カルトゥーシュ (cartouche)」が元となっており、当時フランス軍に使用されていたペーパーカートリッジに由来します。
マガジンとは?

マガジン(弾倉)とは、弾薬を収納する容器(パーツ)です。
マガジンの中に弾薬を収納し、マガジンは銃に挿入されて弾薬を給弾します。
雑誌を「マガジン」と呼びますが、語源は銃のマガジンと同じです。フランス語の「magasin」に由来し、15世紀から倉庫や弾薬庫がマガジンと呼ばれていましたが、18世紀から「情報が収納された出版物」という意味も持つようになりました。

マガジンの仕組みは単純で、バネ(マガジンスプリング)で弾薬を押し上げる構造です。
マガジンの最上部にある弾薬は、銃のボルトやスライドが前進する際に押されて薬室内に装填されます。

マガジンには銃内部に備わっている固定式と、銃から取り外せる着脱式があります。
固定式マガジンは銃を分解しなければマガジンを取り外すことができませんが、低コストでシンプルな構造です。
一方、着脱式マガジンはマガジン交換により短時間に多くの弾を発射可能です。
リロードとは?
リロード(reload)とは「再装填」を意味しますが、銃においては主に二通りの意味で使用されます。
銃への再装填

発射後、弾切れになった銃に弾薬を再装填することを「リロード」といいます。
オートマチックの銃では、弾薬が装填されたマガジン(弾倉)を銃に装填(挿入)し、1発を薬室に装填して発射準備完了となります。
リボルバーでは、シリンダーに弾薬を装填すると発射準備完了です。
ロード(load / 装填)とは、一般的に薬室に弾薬を装填することを意味する場合が多いですが、単純に銃の内部に弾薬がある状態を「装填した状態」と捉える場合もあります。
アメリカの法律を例にすると、「薬室に装填した銃」と「薬室に装填していないが、弾薬が装填されたマガジンが銃に挿入されている銃」のどちらも「装填された銃(loaded firearm)」と定義しており、なかには弾薬が装填されたマガジン自体を「装填された銃」と定義する州法もあります。
リロードには「スピードリロード」と「タクティカルリロード」があります。
ピストル射撃を例にすると、スピードリロードとは、最終弾発射後に銃からマガジンを抜くと同時に新しいマガジンを銃に装填し、スライドを操作して薬室に初弾を装填し発射準備完了状態にします。
タクティカルリロードとは、数発を発射後、まだマガジン内に残弾がある状態で新しいマガジンに交換する方法です。
交戦中はマガジン交換の時間が敵の反撃を許す危険な時間になるため、時間的余裕があるときにあらかじめマガジンを交換しておくことで危機的状況を回避することができます。
弾薬への再装填

使用済みの薬莢を再利用し、弾頭や装薬を装填することをリロード(リローディング / ハンドロード)と言います。
自分で弾薬を製造することで自分の銃に適した性能の弾薬を製造することができ、命中精度向上などの目的を達成可能です。
マグナム弾など、流通量が少なく市場価格の高い弾薬を製造する場合には弾薬コスト削減に効果がありますが、流通量が多い9mm弾や少量の弾薬を製造する場合は、工場生産の市販の弾薬(ファクトリーロード)を購入する方が安い場合があります。
リローディングは一部のユーザーにはコスト面でメリットがありますが、多くのユーザーは目的に合わせた自分好みの性能の弾薬を利用できるところにメリットがあります。
チャンバーとは?

チャンバー(薬室 / チェンバー)とは、発射時に弾薬が収まっている場所(空間)です。
ピストル、ライフル、ショットガンなど、銃身(バレル)の後部から弾薬を装填し発射される構造(ブリーチローディング)において、銃身後部の弾薬が装填される場所が「チャンバー(薬室)」と呼ばれます。

リボルバー(回転式拳銃)では、回転するシリンダー内にチャンバーがあります。
シリンダーとは?

シリンダーとは、リボルバーに備わっている薬室と弾倉を兼ね備えた回転パーツです。
「薬室」とは銃の内部で弾薬を装填する場所で、リボルバーではシリンダーに備わった薬室内に弾薬を装填します。
装弾数が6発のリボルバーの場合、シリンダーには6つの薬室があり、トリガーやハンマーを操作することによりシリンダーが回転し、銃身と同じ軸線上にある薬室から発射されます。
リボルバーの装弾数はモデルによって様々ですが、一般的に5~8発のモデルが多く利用されています。
リボルバーで多くの装弾数を持つには大きなシリンダーが必要となり、シリンダーが大きいほど銃のサイズが大きくなります。
また、装弾数が少なくても、大口径の弾薬を利用する設計においてシリンダーの大きさ(銃の大きさ)に影響します。
バレルとは?

バレル(銃身)とは、銃弾(弾頭)を加速させるために必要な筒状の部品です。
発射時には装薬の燃焼により高圧ガスが発生し、ガス圧によって弾をバレル内で加速させます。
「バレルが長いほど命中精度が高い」と誤解されることがありますが、バレルの長さ(銃身長)と命中精度は比例しません。
しかし、遠くの目標に命中させるには弾速が必要とされるため、遠距離ほど長いバレルが必要とされやすいといえます。
マズルブレーキとは?

マズルブレーキ(銃口制退器 / リコイルコンペンセイター)とは、銃口に装着される銃の反動を軽減する装置です。
発射ガスが弾の進行方向に噴出すると「銃を後退させる力」が加わるため、発射時に発生するガスの一部を上方向や横方向へ逃がす構造により反動が軽減されます。
ストックとは?

ストックとは、銃の後部でグリップから肩へ繋がる部分です。
日本語では「銃床」と呼ばれ、英語では「ストック(stock)」「ショルダーストック(shoulder stock)」「バットストック(buttstock)」「バット(butt)」などとも呼ばれます。
ライフルやショットガンなどで、ストックを肩に当てることで反動を受けたり、銃を安定させて命中精度が向上します。
チョークとは?

チョーク(Choke)とは、ショットガンの銃口に装着される筒状の「絞り」です。
散弾は銃口を離れると放射状に広がって飛びます。チョークはこの広がりを制御し、離れたターゲットに散弾が集中し、より多くの散弾を命中させるために使用されます。
チョークには様々な種類が存在し、ターゲットまでの距離に合わせて選択されます。
サイレンサーの仕組みとは?
サプレッサー(サイレンサー/消音器)とは、銃声を減音させるために銃口に装着する装置です。
主に銃声の抑制効果が期待されますが、その他にも、反動軽減、マズルフラッシュ軽減、弾速向上、命中精度向上などの副次的な効果もあります。

サプレッサーの内部は、複数の隔壁(バッフル)によって仕切られています。
銃声は高速のガスが空気を振動させて発生するため、これらの仕切りによってガスが内部で滞留し、外に排出されるガスの速度を低下させることで減音しています。
銃弾の速度とは?
弾速は、弾頭重量、装薬量、装薬の種類、銃身長などによって異なりますが、拳銃弾では1,000フィート/秒前後、ライフル弾では3,000フィート/秒に近い弾速を持つ弾薬が多く見られます。
1000フィート/秒を時速に換算すると約1097 km/h、秒速に換算すると約305 m/sです。
以下は一般的な弾速の目安です。
弾薬 | 速度(フィート/秒) |
---|---|
.22 LR | 1,000~1,300 fps |
.38スペシャル | 850~1,000 fps |
9mm | 950~1,500 fps |
.40 S&W | 1,000~1,200 fps |
.45 ACP | 850~1,100 fps |
.44マグナム | 1,100~1,500 fps |
.223レミントン 5.56 x 45 mm | 2,700~3,300 fps |
.308ウィンチェスター 7.62 x 51 mm | 2,500~3,000 fps |
.30-06スプリングフィールド | 2,700~3,000 fps |
.243ウィンチェスター | 2,900~3,100 fps |
.338ラプアマグナム | 2,800~3,000 fps |
有効射程の違いとは?
有効射程距離は、「使用弾薬」「銃身長」「銃のデザイン」などの要素によって異なります。
仮に1000メートルまでフラットな弾道で到達可能な弾薬を使用しても、銃にストックが無く、射手が銃を安定させて狙うことが困難な場合、その銃に1000メートルの有効射程距離は維持できません。
ターゲットに対して必要とされる弾速や命中率を維持可能な最大距離が最大有効射程距離となります。
以下は最大有効射程距離の目安です。
カテゴリー | 使用弾薬 | 最大有効射程距離 |
---|---|---|
ヘビーマシンガン ミディアムマシンガン GPMG | フルサイズカートリッジ (ライフル弾) | 1400~2000m |
ライトマシンガン | フルサイズカートリッジ or インターミディエートカートリッジ (ライフル弾) | 500~800m |
バトルライフル | フルサイズカートリッジ (ライフル弾) | 300~800m |
アサルトライフル | インターミディエートカートリッジ (ライフル弾) | 300~600m |
サブマシンガン | ピストルカートリッジ (拳銃弾) | 50~200m |
ピストル | ピストルカートリッジ (拳銃弾) | 25~50m |
リコイルとは?
リコイルとは、銃を発射した際に発生する反動です。

発射時には、作用反作用の法則により、「弾頭を前進させる力」と「銃を後退させる力」が発生します。
装薬の燃焼により発生した高圧ガスが弾頭を押すと同時に、薬莢を後方へ押します。
弾頭は高速で移動する一方、弾頭より質量が大きい銃本体は弾速よりも遅い速度で後退します。
反動は射手の手に伝わり、ストックを使用する銃ではストックを介して肩へ反動が伝わります。
銃の反動を抑える方法とは?
銃の反動を軽減するには、以下のような方法があります。
- 銃の総重量を重くする
- ストックを使用する銃ではストック後部(台尻)にリコイルパッドを装着する
- 手にシューティンググローブを装着する(ハンドガンの場合)
- 軽量な弾頭重量の弾薬を使用する
- 装薬量を減らす
- 装薬の燃焼速度を遅いものに変更する
- マズルブレーキを使用する
- サプレッサーを使用する
- ガス作動の銃を使用する
銃を撃てなくする方法とは?
映画や小説のアイディアとして銃を機能不全にする方法は様々ですが、実際には以下のような方法で実現可能です。
- 撃発に必要なパーツを排除する
- 撃発に必要なパーツを固定する
- パーツを変形させる

銃はトリガーを引くとハンマーやストライカーを解放し、ハンマーに叩かれたファイアリングピンが弾薬後部のプライマー(雷管)を叩くことで発射されます。
トリガー(引金)、シアー(逆こう)、ハンマー(撃鉄)、ファイアリングピン(撃針)・・・といった、撃発に必要なパーツを排除したり変形(破損)させると発射が困難になります。
銃の安全装置を解除する方法とは?
銃の安全装置はモデルによって仕組みや操作方法が異なります。

AR-15ライフルでは、銃の左側(または両側)にセレクターレバーが配置されており、親指でレバーを回転させてセイフ(安全)やファイア(発射)を切り替える設計です。
詳しくは以下の記事「銃の安全装置(セーフティ)の解除方法と仕組み」をご覧ください。
銃の威力を計算する方法とは?
銃の威力とは何でしょうか?
「威力」と言っても、「殺傷力」「貫通力」「弾が持つ運動エネルギーの大きさ」は、それぞれ比例するものではありません。
例えば、貫通力が高いからといって必ずしも殺傷力が高いとは言えません。
しかし、弾頭重量が重く、弾速が速い弾は相対的に「高威力」といえる傾向があります。
運動エネルギーの計算式は、K.E. = 1/2 m v^2 です。
マズルエナジー(発射直後の弾頭が持つ運動エネルギー)をft-lbfで計算すると以下の式になります。
マズルエナジー(ft-lbf)=(弾頭重量 x 初速の二乗)÷ 450240
詳しくは以下の記事「マズルエナジー計算機 銃弾の運動エネルギーを算出」をご覧ください。
銃で撃たれると痛い?
銃で撃たれると痛みを感じる人もいれば、感じない人もいます。
幸運にも私は撃たれた経験がありませんが、経験者の証言によると、「燃えるような痛み」「焼けた鉄棒を刺されるような痛み」「針で突かれるような痛み」「熱い」「バットで殴られるような痛み」などの証言があります。
弾頭はライフリングの摩擦により熱くなり、発射直後の弾頭は手で触れないほど高温になるため、「熱い」という証言は理にかなっています。
特に貫通せず弾頭が体内に残っている状態は、焼けた弾頭により痛覚が刺激される場合があります。
その一方で、「仲間から指摘されるまで自分が撃たれたことに気が付かなかった」「痛みは無く、(血で)濡れるのを感じて気が付いた」「痛みは無く、痺れた感覚」「冷たい感覚」「撃たれた瞬間は痛みが無かったが、止血後に痛みが出た」という証言もあります。
戦闘中の被弾時には、興奮状態のアドレナリンによる影響や、神経の損傷などが原因で麻痺し、痛みを感じなかったという証言も多くあります。
銃による怪我が全治する期間とは?
銃創の治療に掛かる期間は怪我の状態や健康状態などによって異なります。
数日から数週間程度で回復する場合もありますが、重傷である場合には数ヶ月から数年かかることもあります。また、完全に回復できない場合もあります。
参考として2007年の報告例「銃創の治療と治癒過程における合併症の予防(Treatment of gunshot wounds and prevention of complications during the healing process)」の概要は次の通りです。
- 1997年から2006年にかけて、60人の銃創患者を治療した。女性12人、男性48人で、年齢は18歳から71歳まで(平均年齢37歳)。
- 傷を負った銃器は、拳銃(33)、ライフル銃(5)、アサルトライフルAK-47(1)、エアガン(9)、爆竹(2)、不明な銃器(10)であった。
- 2人の患者が最初の24時間以内に死亡し、それ以降の患者は死亡しなかった。39人が入院し、入院期間は1日から40日まで(平均13.2日)であった。完全な回復と仕事のできる状態になるまでの全回復期間は3日から330日まで、平均65.7日であった。
- 15人が骨折し、うち8人が骨折固定を必要とした。4人が外固定装置を受け、2人がチタンの髄内釘で治療され、2人がキルシュナー針で治療された。18人(30%)が二次縫合を受けた。
- 手術中の合併症は、骨髄炎(2人)、上肢近位指節の偽関節(1人)、非致死性肺塞栓症(1人)であった。
銃をメンテナンスする頻度とは?
銃を発射すると、銃や銃身の内部に「燃焼後のカーボン(炭素)」「不完全燃焼の装薬」「銅や鉛」などの残渣が付着します。
残渣には塩分(塩化カリウムや塩化ナトリウム)が含まれることがあり、放置すれば鉄を腐食させるため、クリーニングが必要です。
しかし、そのクリーニングの頻度はユーザーによって異なり、発射後毎回、月に一度、ハンティングシーズンの終わりに一度、全くクリーニングしない人・・・など、様々です。
私の個人的意見は、できるだけ頻繁にクリーニングすることをお勧めします。
クリーニングの際にパーツの摩耗や変化に注意すると、ひび割れなどの異常を発見しやすくなり、破損や破裂事故などを事前に防ぐことができます。
狩猟が目的の場合はハンティングシーズの終わりに一度クリーニングして次のシーズンまで保管するのも良いですが、銃に自分の命を託すような護身用としての用途では、必要なときに確実に作動するよう、日常的に銃のクリーニングとチェックを行う必要があるでしょう。
空砲とは?

空砲(くうほう / ブランクカートリッジ)とは、弾頭が装填されていない弾薬です。
実弾と同様に装薬が装填されているため空砲を発射すると銃声を発しますが、弾頭は発射されません。
空砲は、式典などの儀式や映画撮影などで利用されている他、空砲を使用して発射するライフルグレネードやラインガン(以下リンク参照)などにも利用されています。(近年のライフルグレネードの多くは実弾で発射可能なモデルが多く存在します)
空砲は弾頭が発射されないとはいえ、銃口からは高温高圧のガスが噴出されるため、取り扱いには実弾使用時と同様の注意が必要です。
映画「ダイハード2」では、同じ銃で実弾と空砲を連射するシーンがありますが、現実ではこの様な使い方はできません。
実弾を使用する銃から空砲を発射可能ですが、自動的に排莢と装填を行うために必要な反動やガス圧が得られないため、連続して次弾を発射できません。
空砲を使用して連射を行うには放出されるガスを制限する必用があり、軍においては銃口にブランクアダプターを装着してガスの流量を制限したり、映画撮影では銃口内にチョーク(細い穴の筒)を仕込むことで銃を作動させています。
アメリカはなぜ銃を規制しない?
アメリカも他の国と同様に銃規制が存在します。
しかし、アメリカ市民は銃で武装する権利が憲法修正第2条で保障されているため、すべての銃を排除するような規制はできない状態です。
A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.
Second Amendment 憲法修正第2条
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。
アメリカでは個人が身を守るために銃を持つ権利は守られるべきと考える人や、スポーツ目的で銃を使用することは合理的と考える人が多くいます。
その一方で、銃を使用した犯罪が起こると銃規制が活発に議論されており、銃を必要と考える人々と、銃を不要と考える人々との間でせめぎ合う状態になっています。
民主主義国家のアメリカにおいて、誰もが「銃は不要」という考えを持っていたら社会から銃を排除することも可能と考えられますが、実際には銃を必要とする人が多いという現実があります。