銃全般

銃をクリーニングしないとどうなる?

faq_qピストル、ライフルなど種類にかかわらず銃器は射撃後にクリーニングらしいですが、そのクリーニングを怠ると具体的にどんな弊害が出るのでしょうか?

また、弾の種類で汚れ方に違いなどありましたら教えていただきたいです。

faq_a銃によっては作動が停止したり事故に繋がることもあれば、殆ど影響がない場合もあります。

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銃の汚れの原因

銃は装薬の燃焼によって発生したガスの圧力を利用して弾を発射しています。

装薬燃焼時に全てが完全燃焼することはなく、燃焼に至らなかった装薬や不純物(アンチモン、バリウムなど)、または燃焼後のカーボンといった残留物が蓄積し、これが銃の汚れの原因となります。

また、銃身内部にはライフリングによって削られた弾頭の削りカス(銅合金)や鉛の他、ショットシェルではワッズのプラスチック片が残留しやすくなります。

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黒色火薬を使用していた時代の銃と比べると、無煙火薬を使用する現代の銃は各段に汚れ難くなりました。装薬の進化により発射時の煙や残留物が減少しています。

しかし、セミオートやフルオートといった銃の自動化により銃が残留物の影響を受けやすくなり、ライフリングの登場でライフリングの溝が鉛などで埋まるといった問題があります。

汚れによる作動停止とスラムファイア

Photo via thefirearmblog.com
Photo via thefirearmblog.com

銃内部に蓄積されたカーボンは、ガンオイルと混ざって土のように固着し、あらゆるパーツの隙間に侵入します。

スライドやボルトのレイル部分など、パーツ同士が擦り合う場所にカーボンが付着すると摩擦抵抗により動きが悪くなり、やがて作動をストップさせることもあります。

また、ファイアリングピンホール内部にカーボンが蓄積すると、ファイアリングピン(撃針)の動きを停止させて不発の原因となったり、ファイアリングピンが前進した状態のまま固着してスラムファイアの危険があります。

スラムファイアとは、スライドやボルトが前進し薬室を閉鎖した瞬間に撃発する現象を指します。

クローズドボルト方式の銃でスラムファイアが起こると、トリガーから指を離しても全弾を撃ち尽くすまで発射が止まらなくなります。

銃がフルオートで暴走した際は途中でマガジンを抜けば停止可能ですが、ピストルの場合2秒程度で全弾発射してしまうため、マガジンを抜いて停止させるのは現実的に困難です。

暴走した場合は無理やりマガジンを抜こうとするよりも、銃が停止するまでターゲット方向に銃口を向け続ける方が安全です。

薬室の汚れ

画像はベレッタ92FSの薬室とブリーチ部分です。

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左がクリーニングされた状態で、右が数百発射撃後の状態です。

銃身(バレル)の前後は最も汚れやすい場所であり、薬室は弾薬が出入りを繰り返す場所であるため、銃の信頼性に影響する重要な部分です。

薬室内部が汚れると薬莢が貼り付きやすくなり、排莢に失敗しダブルフィードになりかねません。

ダブルフィードはジャムの中では厄介な部類のジャムで、正常な状態に戻すにはマガジンを抜いてスライドやボルトを引く手間と時間が必要になり、交戦中に起これば命に関わるリスクの高い問題です。

同様に、弾薬を薬室に流し込むフィードランプ(薬室手前の傾斜部分)が汚れると接触した弾頭が滑りにくくなり、ローディングジャム(装填不良)となりがちです。

殆どの場合、フィードランプが関係するジャムでは、弾頭の種類や形状といった相性問題が原因となりジャムが発生しますが、薬室内部とその周辺からカーボンを除去することは信頼性向上が期待できます。

リボルバーの汚れ

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リボルバーには銃身の根元にフォーシングコーンがあります。

フォーシングコーンの内径は銃口に向かって狭くなっており、弾がスムーズにライフリングに食い込むようにガイドする役割があります。

鉛の弾(レッドブレット)を大量に撃ち続けると、フォーシングコーンの内側に鉛が付着し蓄積する「レッディング」が起こります。

ノンクリーニングで千発単位で撃てばレッディングによって抵抗増加で圧力が高まり、エロージョン(熱によって浸食)を起こしたフォーシングコーンがヒビ割れるなどのトラブルになるリスクがあります。

これは長年の蓄積により発生するリスクなので短期的に心配する必要はありませんが、日常的なクリーニングは不具合を発見する良い切っ掛けとなるでしょう。

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ファイアリングピン・ホールやハンド(パウル)の隙間などからもガスと共にカーボンが侵入します。

これを放置するとハンマーやトリガーの動きが悪くなったり、錆の原因になるため、内部チェックも兼ねて定期的にクリーニングすることをお勧めします。

酷いケースではトリガーを引いたきりトリガーが元の位置に戻らないといったこともあり、オートマチックよりは汚れにくいとはいえ、「リボルバーはジャムの心配がない」などと安心はできません。

サプレッサーの汚れ

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サプレッサー(サイレンサー)内部にもカーボンが蓄積されます。

サプレッサー内部はいくつもの仕切りによって複数の空間が用意されており、これにより音を外に逃がし難くして減音させています。

カーボンが溜まると空間の容量が減少し、やがて減音効果が損なわれてしまいます。

クリーニングは絶対必要か?

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 銃は本当にクリーニングが必要なのでしょうか?

一般的な機械と同様に、銃も汚れを落としてグリスアップすれば長持ちします。しかし、クリーニングしなくても問題なく作動し続ける場合もあります。

大抵のユーザーが銃をクリーニングしますが、アメリカでは何年もノンクリーニングで使い続けて全く支障が無いというユーザーも一定数存在し、一度もクリーニング経験が無い人もいます。

特に、ポンプアクション・ショットガンやダブルバレル・ショットガン(ブレークアクション)のように、手動式の銃では長期間ノンクリーニングでも問題なく作動させることができます。

ポンプアクション、レバーアクション、ボルトアクションといった手動で装填と排莢が必要な銃は大量に弾薬を消費するには時間がかかるため、カーボンの蓄積はオートマチックの銃と比較すれば軽微です。

使用頻度が少なく消費弾薬も少なければ、ノンクリーニングでも問題ありません。

汚れを放置して気になる点は錆などの腐食問題ですが、アメリカでは空気が乾燥した地域が多いため、高温多湿な日本ほど気にする必要がないかもしれません。

しかし、防錆処理されていない銃を放置したり手で触れると、意外と簡単に錆が出ます。

現在の軍用銃では防錆処理が行き届いており、さほど心配ありませんが、古い銃や防錆処理が十分でない銃は注意する必要があるでしょう。

私はキンバーのバレルを錆させたり、スライドを錆で駄目にした失敗経験がありますが、表面処理されていないパーツや、処理の甘いパーツは注意を払うべきです。

汚れやすい弾薬

弾薬が原因で発生する汚れは先に述べた通り、装薬や鉛が主な原因物質です。

質の悪い安価な弾薬はカーボンが大量に付着し、汚れやすい傾向があります。

また、弾頭がジャケット(被甲)で覆われていない鉛100%の弾頭(キャストブレット)を使用すると、ライフリングの溝を埋めたり、リボルバーではフォーシングコーンに蓄積するレッディングが起こりやすくなります。

そのため、クリーニングの際には通常のカッパーソルベント(銅を除去する薬品)だけでなく、レッドリムーバー(鉛を除去する薬品)やボアクリーニングソルベント(銅や鉛など総合的に除去する薬品)を使用して銃身をクリーニングします。

弾薬による汚れやすさについては次の関連記事もご覧ください。

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