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ドットサイトの歴史: Nydar Model 47とは?

銃の画像
Photo via huntinghoop.com

ドットサイト(ダットサイト/ Red dot sight)とは、リフレックスサイトの1種です。

リフレックスサイトとは、ガラス面などに照準点(ドットやレティクル)を反射させてターゲットを狙うための照準器です。

リフレックスサイトを覗きこむと赤や緑などの光の点や、レティクルが浮かび上がって見ることが可能で、これをターゲットに合わせて狙います。

そして、光の点(ドット)を反射させるサイトはドットサイト(ダットサイト)と呼ばれます。

リフレックスサイト(ドットサイト)と類似するサイトに「ホロサイト」が存在しますが、ホロサイトはレーザー光をガラスに透過させてホログラムのドットやレティクルを浮かび上がらせる構造で、使用方法はドットサイトと同じです。

銃の画像

リフレックスサイト(ドットサイト)の歴史

1900年、天体望遠鏡を開発していたアイルランドのハワード・グラッブがリフレックスサイトの特許を取得し、1918年にドイツ軍機に搭載。以降、リフレックスサイトは航空機用ガンサイトとして第一次~第二次世界大戦で利用されました。

電気を使用せず外部の明かりを利用する銃器用リフレックスサイト(ナイダーなど)は1945年頃に登場し、電気を使用するリフレックスサイトは1947年にギース・エレクトリック・サイトが登場しています。

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Photo via whitemtnhowdy

1970年にはクイックポイント(Qwik-Point)が登場し、外部からの明かりを利用したこのサイトは民間市場で利用されるようになりました。

そして1975年にスウェーデンのエイムポイント社(Aimpoint AB)がドットサイトを市場に登場させると軍や警察も注目するようになり、米軍では2000年代以降本格的に銃器用リフレックスサイトを広く採用するようになっています。

Nydar Model 47

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Nydar(以下:ナイダー)というサイトをご存知でしょうか。

ドットサイトの元祖とも言うべきオプティカル・オープンサイトです。

以前から紹介したいと思っていたのに忘れていました・・・。

ナイダーは1945年にスウェイン・ネルソン社が販売したショットガン専用のドットサイトで、当時はカモ猟などのために使用されました。

上の画像のモデルは刻印にModel 47とある通り、1947年製のようです。

現在の一般的なドットサイトはバッテリーを使用したエレクトリカル・ドットサイトが基本ですが、このサイトは太陽光(自然光)を利用しプリズムを通して前方のレンズに映ったレティクルを見てエイミングするといった構造になっています。

現代のドットサイトと比較しても、基本的には自然光を利用した反射であるか電気仕掛けであるかの違いしかありません。

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プリズムの中にレティクルが見えます。

レティクルはベースに貼り付けられており、その上に三角のプリズムを載せているようです。

刻印は商品名のNydar GUN SIGHT MODEL 47と、製造元を記したSWAIN NELSON COMPANY GLENVIEW, ILL U.S.Aとあります。

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レンズを覗くとこんな感じです。

年代モノなので、実際にショットガンに載せて撃ったらレンズが割れるかもしれません。

このドットサイトの弱点は、「暗闇では使用できない」ということ。

しかし、日中であれば視認性が高いレティクルなので、十分に実用レベルであったと思われます。

このドットサイトがあと10年早く登場していたら、第二次世界大戦でトンプソンやガーランドの上に搭載されていたかもしれない・・・などと想像が膨らみます。

因みに、このドットサイトの価値はピンキリです。中古の古いものであれば100ドル以下、未使用箱付であればEOTech 552ホロサイトと同等の価格帯で取引されることもあるようです。

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