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PEQ-15 ATPIALの各部名称と機能

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Photo via tacticalblueprint.com

「夜間戦闘用にPEQ-15を入手したものの、使い方がわからない!」

・・・という苦い経験をされた方は多いと思います。

そこで今回はPEQ-15の各部名称と機能について解説します。

AN/PEQ-15 ATPIALとは?

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Photo via L3

PEQ-15はATPIAL(アドバンスド・ターゲット・ポインター・イルミネーター・エイミング・ライト)の一つで、可視光/非可視光のレーザーや赤外線をターゲットに照射できる装置です。

1991年の湾岸戦争での経験を元に発展した、AN/PAQ-4CAN/PEQ-2の後継にあたり、小型化によってレイル上のスペースに余裕を生み、他のアクセサリー類を追加しやすくなりました。

重さもバッテリー込みで7.5オンス(約213グラム)と軽量なうえ、フルパワー(デュアルハイ)で6時間の連続使用が可能です。

通常のレーザーサイトとしても使用できますが、暗視装置(NVG/ナイトビジョンゴーグル)を通さなければ目に見えない非可視光ライトを、ウェポンライトの様に広範囲に照射することも可能で、夜間だけでなくビルやトンネルの中といった暗い場所で敵に気づかれることなく照射できる点が通常の可視光ライトと異なります。

つまり、ATPIALの機能を最大限使いこなすには、暗視装置が必須です。

AN/PEQ-15のパワー

アメリカでは軍用モデルのIRレーザーが規制対象となるため民間市場で流通していませんが、軍用モデルに手を加えてレーザーの出力を0.7mWに落とした民間モデル(Class 1 ATPIAL-C)が流通しています。

可視光レーザーIRエイムレーザーIRイルミネーター
5.0 mW (MAX)700 uW (LOW)3.5 mW (LOW)
27.5 mW (HIGH)45 mW (HIGH)

AN/PEQ-15の名称

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Photo via L3

AN/PEQの名称は米軍のJETDS(電子機器共通名システム/Joint Electronics Type Designation System)に即しており、以下の意味があります。

AN = Army Navy(陸軍/海軍)

P = ポータブル

E = レーザー

Q = スペシャル(特殊または複合目的)

(PAQのAは「非可視光線/赤外線」を意味する)

PEQ-15の各部名称と機能

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PEQ-15フロント Photo via L3
1レンズキャップ
照準用レーザーに被せて保護すると同時に、
夜間の隠密行動時などで不意に可視光レーザーが照射するのを防ぐ。
付属のパターンジェネレーター(レンズキャップ)に交換することで、
レーザーの形状を〇、△、□、+、Tなどに変更可能。
2セイフティースクリュー
モードセレクターがハイパワーモードに入らないようにするための保護用ネジ。
武器庫保管時や輸送時などで使用し、六角レンチで着脱する。
(スクリューを外すと全てのモードが使用可能になる)
3モードセレクター
レーザーやイルミネーターのモードを切り替えるスイッチ。
4イルミネーターアジャスター
イルミネーターの照射方向(上下左右)を調節するネジ。
5イルミネーター・ディフューザー・レンズキャップ
IRイルミネーターに被せると光を拡散し広範囲を照射する。
(特に室内など近距離で使用される)
6IRイルミネーターとフォーカスリング
暗視装置使用時に照射する赤外線照射装置。
フォーカスリングを左右に回して照射範囲を調節する。
(左に回すと狭くなり、右に回すと広くなる)
照射距離2000m
7IRエイムレーザー
暗視装置使用時に使用する非可視光レーザーを照射。
照射距離600m(LOW)2000m(HIGH)
8可視光エイムレーザー
暗視装置不要で肉眼で目視できるレーザーを照射。
照射距離25m
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PEQ-15リア Photo via L3
9バッテリーキャップ
3Vリチウム電池が入るバッテリースペース。
10ファイアボタン
各モードの照射のオンオフをコントロールするスイッチ。
指でボタンを押し続けている間だけオンになり、指を離すとオフになる。
連続して点灯させたい場合はボタンを2回連続で押し、もう一度押すと消灯する。
(5分経過すると自動的にオフになる)
11エイムレーザーアジャスター
レーザーの照射方向(上下左右)を調節するネジ。
12レイルグラバーブラケット
銃のピカティニレイル(MIL-STD-1913)に固定するための装置。
13セイフティースクリュー・ストレージロケーション
取り外したセイフティースクリューを収納する場所。
14リモートジャック
プラグを外してリモートケーブルを挿し込むジャック。
リモートケーブルを使用しないときはプラグを差し込んで異物の侵入を防ぐ。
リモートケーブルで接続されたスイッチは、本体のファイアボタンと同じ操作方法と機能を持つ。
15LEDステータス・インジケーター
レーザー照射中を知らせるLED。
通常は緑色で、バッテリーが低下すると赤色で5秒間隔の点滅で知らせる。
プログラミング完了時はオレンジ色で3回点滅する。

照射モードセレクター

回転式レバーを操作し、各モードを選択することができます。

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PEQ-15のモードセレクター Photo via L3
IR赤外線/非可視光(暗視装置使用時)
VIS可視光
VIS – ALビジブル・エイムロー
可視光照準用レーザー
Oオフ
Pプログラム
IRイルミネーターのパルスレートをプログラムする際に選択。
ファイアボタンとセレクターの組み合わせにより、1,2,4,8回/秒のモードが選択可能。
ALエイムロー
IR照準用レーザーをローパワーで照射。
DLデュアルロー
IR照準用レーザーとIRイルミネーターを同時にローパワーで照射。
AHエイムハイ
IR照準用レーザーをハイパワーで照射。
IHイルミネーターハイ
IRイルミネーターをハイパワーで照射。
DHデュアルハイ
IR照準用レーザーとIRイルミネーターを同時にハイパワーで照射。

通常、FOF(Force on Force)などの訓練ではローパワーが使用され、実戦でハイパワーが使用されます。

またPEQ-16では通常の可視光ライトが追加され、機能的に進化しています。

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