カテゴリー不明な謎の銃 BAT-DT

Photo via blackacestactical.com
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さて問題です。この銃は何に見えますか?

ショットガンでしょうか? それともライフル? ピストル?

正解は、どのカテゴリーにも属さない銃です。

・・・といっても、これはアメリカの法律上のお話しです。

 

 

Black Aces Tactical DT

この銃はアメリカのブラック・エースズ・タクティカル社によって開発されました。

モデル名はDT、DTS、DTR、DTRS、DTV、DTVS・・・とシリーズ化され、多種多様に揃っています。

DT/DTSの主な仕様は以下の通り。

  • ショットガン・タイプ・レシーバー
  • テレスコピック・ストック・アダプター
  • AR-15タイプ・レシーバー・エクステンション
  • SIG SB15ブレイス(ピストル・スタビライザー)
  • AR-15スタイル・ピストルグリップ
  • フォアグリップ
  • ポンプアクション
  • アクセサリーレイル
  • 着脱式ボックスマガジン(装弾数:12ゲージ・ショットシェル9発)
  • 9.25インチバレル
  • 全長27.25インチ

 

内容を見ると、ショットシェルを使用するのでショットガンのカテゴリーに入ると考えるのが一般的でしょう。

しかし、そもそも「ショットガンの定義」とは何でしょうか?

仮に、ショットガンの定義を「ショットシェルを使用するスムースボア・バレル(滑空銃身)が備わっている銃」とした場合、ライフリングの無いピストルにショットシェルを使用すると、それはショットガンと呼べるのでしょうか?

一般的な解釈では、ショットガンとは「長銃(ロングガン)」として扱われ、単数または複数の散弾を撃つために設計された銃とされます。しかし、法律で規制する場合、曖昧な定義だと法の抜け穴を狙われ規制が難しくなるため、定義を明確にする必要があります。

 

 

ショットガンではないのか?

話しをDTに戻すと、この銃はショットガンではありません。

アメリカの法律ではショットガンを次の様に定義しています。

「肩に当てて撃ち、爆発物の力を利用してショットシェルからスムースボア・バレルを通して弾丸か散弾をトリガーを1回引くごとに1回ずつ発射する設計の銃」

つまり、ショットガンのカテゴリーに入るには、ストックが備わっていなければなりません。

また、ライフリングがあればショットガンではありませんし、トリガーを1回引くごとに複数回連続発射されると、それはマシンガンのカテゴリーに入ります。

DTの後部に装着されている「ストックのようなもの(SIG SB15)」は、腕に固定しマズルジャンプを抑えるピストル用スタビライザーなので、ストックではありません。これを肩に当てて撃つとショートバレル・ショットガン(SBS)と判断され、州によっては200ドルの課税と登録が義務付けられます。

 

 

ライフルではないのか?

DTにはライフリングが備わっていないため、ライフルではありません。

アメリカの法律ではライフルを次の様に定義しています。

「肩に当てて撃ち、爆発物の力を利用して金属カートリッジから弾丸をライフリングが備わったバレルを通してトリガーを1回引くごとに1発ずつ発射する設計の銃」

ライフルもまたストックが備わっている必要があります。ストックがなければライフルではありません。

DTはストックもライフリングも備わっていないため、ライフルではないということになります。

 

 

ピストルではないのか?

アメリカの法律ではピストルを次の様に定義しています。

「片手で持ち単数または複数のバレルから弾を発射し、チャンバーや内部パーツがバレルの同軸上にあり、グリップがバレル軸から下へ伸びて設計された銃」

肩から撃つことを想定していないため、ストックの無い銃はピストルのカテゴリーに入ることが多くなっています。ちなみに、ピストルにストックを装着すると法律上ライフルのカテゴリーに入ります。(これには例外があってC&Rは別といったルールがあるのですが、C&Rの説明は話しが長くなるので別の機会にします)

ピストルは片手で撃てるよう設計されている必要がありますが、DTはポンプアクションであり、両手で操作し発射する設計なのでピストルではありません。

法律上ピストルにフォアグリップを追加するのは違法ですが、DTはピストルではないのでポンプアクション用フォアグリップが装着されています。

 

 

AOWではないのか?

AOW(Any Other Weapon)とは、「その他の銃」という意味のカテゴリーで、上記の何れのカテゴリーにも入らない銃が該当します。

例として、ペンガン、ナイフガン、ケーンガン(杖銃)、仕込み銃、ソードオフ・ショットガン、フォアグリップ付ピストルはAOWのカテゴリーに入ります。AOWを所有するには、5ドルの課税と登録が必要です。

Photo via atf.gov
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しかし、AOWのカテゴリーに入るには全長が26インチ(約66cm)未満である必要があります。

DTは全長27.25インチなので、AOWのカテゴリーに入りません。

 

 

まとめ

ブラック・エースズ・タクティカルDTは法律の穴を潜った面白いショットガンだと思います。

どのカテゴリーにも属さないので、購入時に手間のかかる登録は不要で、気軽に買って遊べるショットガンです。ピストルスタビライザーはサイドフォールディング方式なので、折りたためば持ち運びが便利です。また、DTSのチューブマガジン周囲にはスプリングがあり、フォアグリップを引いて手を離すと、スプリングの力でフォアグリップが前進しショットシェルが装填されます。

しかし私の勝手な想像ですが、過去を振り返って考えると、こうした銃が増えればATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)は法律の解釈変更や条文修正の提案を始めると思います。

もしかしたら将来規制が掛かるかもしれませんし、入手できるなら早めに購入した方が良いかもしれません。

 

 


 
 
 
 
 
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