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銃は英語でどう表現する? 18世紀から現在までの英語スラングを解説

ライフル画像

拳銃は隠語で「チャカ」や「ハジキ」と呼ばれますが、英語での銃を意味するスラングにはどんなものがあるのでしょうか?

映画や音楽、ストリートカルチャーにおいて、銃を表現するためのスラングは多種多様です。

これらのスラングは、銃の種類やその使い方、歴史的背景に由来するものが多く、それぞれに独自のニュアンスがあります。

今回は、そんな英語における銃のスラングを紹介します。

基本的な英語

銃に関する英語表現には、一般的な用語とスラング・隠語の両方が存在します。

以下に、銃やその関連用語について、標準的な英語表現とスラングをまとめます。

  • 銃の総称
    • 「銃」を指す基本的な英語表現はGunFirearmです。
    • スラングではSteel、Heat、Pieceなどが使われます。
    • 「Steel」は特にヒップホップやラップの歌詞で多用される表現です。
  • ピストル(拳銃)
    • ピストルや拳銃を指す標準的な英語はPistolHandgunですが、スラングではGatやHeaterと呼ばれることがあります。
    • 「Gat」は1920年代のギャング文化に由来し、当時の犯罪組織が使っていた言葉として知られています。
  • ライフル
    • ライフルはRifleと表記されますが、「Long gun」と呼ばれることがあります。これはライフルや散弾銃のようなストックが備わった長銃身の銃全般を指す言葉です。
  • 散弾銃(ショットガン)
    • ショットガンの標準的な英語表現はShotgunですが、スラングではShottieやBoomstickという言葉もあります。
    • 「Boomstick」は、映画『死霊のはらわた(Evil Dead)』で主人公がショットガンを指して使ったことから広まった言葉です。
  • 銃口
    • 銃口のことは英語でMuzzleと呼ばれます。
    • 技術的な用語であり、スラングとしての特別な表現は特にありません。
  • 弾丸
    • 弾丸を指す標準的な英語はBulletですが、スラングではSlugやRoundが使われます。
    • 「Slug」は、ショットガンの単発弾を指す場合に用いられることが多いです。
  • マガジン(弾倉)
    • 銃の弾倉はMagazineと呼ばれます。
    • スラングとしてClipという言葉が使われることもあります。しかし、実際には「Clip」は弾倉ではなく、弾薬を束ねるための部品を指す言葉であり、技術的には誤用されることが多いです。
  • 引き金
    • 引き金の標準的な英語表現はTriggerです。
    • スラングでは特別な表現はありませんが、「Pull the trigger」というフレーズは「行動を起こす」「決断を下す」といった比喩的な意味でも使われます。
日本語一般的な英語表現スラング
Gun
Firearm
Steel
Heat
Piece
ピストルPistol
Handgun
Gat
Heater
ライフルRifleLong gun
散弾銃ShotgunShottie
Boomstick
銃口Muzzle
弾丸BulletSlug
Round
マガジンMagazineClip(誤用として使われることも)
引き金Trigger

その他の英語については、以下の専門用語集でも解説しています。

銃を意味するスラング

以下は銃を表現する英語スラングの一覧です。

一般的なスラング

  • Heat/Heater(ヒート/ヒーター):銃(特にピストル)を指す。1930年代から使用。
  • Gat(ガット):ガトリング銃が語源。禁酒法時代に普及。
  • Piece(ピース):隠し持つ銃を指すスラング。歴史的な使用例多数。
  • Iron(アイアン):銃(特に拳銃)を指す。古い銃が鉄製だったことに由来。
  • Tool(ツール)/Hardware(ハードウェア):銃を「道具」と捉えた表現。

持ち方・用途に関連するスラング

  • Strapped(ストラップド):銃を持ち歩いている状態を指す。
  • Burner(バーナー):犯罪に使用された銃。使い捨てることが多い。
  • Persuader(パスエーダー):脅しや強制のための銃。

銃の種類を表すスラング

  • Revolver(リボルバー):回転式拳銃。
  • Six-Shooter(シックス・シューター):6連発のリボルバー。
  • Blaster(ブラスター):強力な銃、またはSF的な武器。スター・ウォーズなどから派生。
  • Chopper(チョッパー):主に機関銃。ヘリのローター音に由来する説も。
  • Street Sweeper(ストリート・スイーパー):ショットガン(特に自動式)。広範囲を掃討するイメージ。
  • Boomstick(ブームスティック):ショットガンのスラング。映画『Army of Darkness』で有名に。

形状や動作に関連するスラング

  • Hammer(ハンマー):ピストルを指す。銃のハンマー機構に由来。
  • Ratchet(ラチェット):銃の俗語。ヒップホップ文化で使用。
  • Slammer(スラマー):ハンマーやスライドの動作から派生。
  • Pole(ポール)/Smoke Pole(スモーク・ポール):銃の長い形状を指す。

特定の文化・地域に由来するスラング

  • Leng/Lengman(レング/レングマン):ロンドンの犯罪社会で使われるスラング。
  • Hawk(ホーク):ヒップホップ文化で使われる銃の俗称。
  • Roscoe(ロスコー):1920〜30年代の探偵小説でよく使われた古いスラング。

その他の特徴的なスラング

  • Biscuit(ビスケット):都市部で使われる俗語。
  • Lead Dispenser(レッド・ディスペンサー):鉛弾を発射することに由来。
  • Wand(ワンド):銃の力を魔法の杖になぞらえた表現。

スラング一覧

英語日本語読み意味
Automaticオートマチックフルオート火器
Bangerバンガー銃声が大きい銃
Bapバップ
BFGビーエフジー・ビッグファッキンガン大口径の銃
Big mac / Big macs / Big Mビッグマック大口径の銃
Biscuitビスケット小さいハンドガン
Blickyブリッキーセミオート・ピストル
Blue Steelブルースチール黒いリボルバー
Blasterブラスター強力なハンドガン
Boom stickブームスティックライフル・ショットガン・マスケット
Broomブルームショットガン
Bruck-backブラックバック後方へ排莢されるセミオート・ピストル
Burnerバーナー盗難歴や犯罪歴がある銃
安価な銃
Cannonキャノン
Chopperチョッパーアサルトライフル・AK47・ショットガン
Chromeクロームニッケルメッキが施された銃
Cueteクエテ
Culverinカルバリンライフル・ショットガン
Dumpiesダンピーズ低品質な安価な銃
Fire lockファイアロック
Fire stickファイアスティックライフル・ショットガン
Field pieceフィールドピース
Gatガットマシンガン・ガトリングガン
(多銃身砲)
Ghost loadゴーストロードショットガンのレシーバー内に装填すること
Glizzyグリズィーセミオート・ピストル
Hammerハンマー銃(撃鉄)
Handtingハンディングハンドガン
(HandとThingを合わせた造語)
Hardwareハードウェア
Heatヒートピストル
Heaterヒーターピストル
Heavy Metalヘビーメタル大口径の銃
Harquebusアルカバスライフル・ショットガン
Hawkホークヒップホップ文化で使われる銃の俗称
Ironアイアン拳銃
Jointジョイント
Kalakashカラカシュカラシニコフライフル・AKスタイルライフル
Lengレング銃やナイフなど武器全般
(イギリス英語)
Lengmanレングマン銃を持つ男・危険人物
(イギリス英語)
Little Friendリトルフレンド小さいハンドガン
Macマックマシンガン・MAC10/MAC11サブマシンガン
Maggieマギーマグナムリボルバー
Mopモップショットガン
Nineナインピストル
(9mm口径ピストル)
Nickelニッケルニッケルメッキが施された銃
Persuaderパスエーダー銃など武器全般
(相手にこちらの要求をのませる道具)
Pieceピース
Pocket rocketポケットロケットハンドガン
Plasticプラスチックポリマーフレームの銃
Poleポール
Problem solverプロブレムソルバー争いを解決する銃
Pumpポンプ・パンプポンプアクション・ショットガン
Ratchetラチェット
Revolverリボルバー回転式拳銃
Rodロッドピストル
Roscoeロスコウハンドガン・リボルバー
Rulerルーラーライフル
(ライフルの長い銃身)
RussianロシアンAKライフル
Saturday night specialサタデーナイトスペシャル安価なハンドガン
Shottyショッティーショットガン
Skengスケン銃(ジャマイカ語)
Smoke Poleスモーク・ポール長い銃
Smoke Wagonスモークワゴン西部開拓時代のシングルアクション・リボルバー
Somethingサムシング
Sovietソビエト旧ソ連製の銃
Strapストラップ
Sidearmサイドアームハンドガン
Six-gunシックスガンリボルバー
Six-Shooterシックス・シューター6連発のリボルバー
Street Sweeperストリート・スイーパー自動式ショットガン
Swammyスワミーカールグスタフm/45サブマシンガン
TECテックTEC-9ピストル(サブマシンガン)
Thing / Tingスィング
Toasterトースター小型ハンドガン
Zip gunジップガン手製の自作銃・安価なピストル

18~19世紀の古いスラング

18世紀から19世紀にかけて、多くのピストルのスラングや愛称が生まれました。

一部は広く使われ続けましたが、時代の変化や新しい銃の登場によって消えていったものもあります。

犯罪者や開拓者の間で生まれたこれらの言葉は、現代の銃に関するスラングにも影響を与えています。

18世紀(1700年〜)

  • Bull Dog(ブルドッグ)(1700年)
    • 最も古いピストルのニックネーム。1700年のジョージ・ファーカーの作品に登場。
    • 19世紀初頭まで使われましたが、1872年に「ブルドッグ・リボルバー」が登場して廃れました。
  • Barking Irons(バーキング・アイアンズ)→ Barkers(バーカーズ)(1785年頃)
    • 1785年の『Dictionary of the Vulgar Tongue』に登場。銃声を犬の吠え声に例えたスラング。
    • 19世紀初頭には「barkers」に短縮され、庶民や海軍でも使われるようになりました。
  • Pops(ポップス)(1785年頃)
    • 1785年に「彼はポップスを抜いて撃った」という表現が記録されています。
    • 1809年には「popt(撃たれる)」という派生語も誕生。
  • Snapper(スナッパー)(18世紀)
    • 18世紀のスラングですが、使用例が少なく、早い段階で廃れました。

19世紀前半(1800年〜1850年)

  • Sticks(スティックス)(19世紀初頭〜1859年頃)
    • 19世紀前半には「stow your sticks(銃を隠せ)」という表現が使われました。
    • 1859年にはほぼ廃れていたと記録されています。
  • Queer Pops(クイア・ポップス)(1800年代初頭)
    • 質の悪いピストルを指す表現。
  • Blue Plumb(ブルー・プラム)→ Bluey(ブルーイー)→ Blue Murder(ブルー・マーダー)(18世紀後半〜19世紀)
    • 18世紀後半から「blue plumb(青い鉛)」として使われ、19世紀に「bluey」と短縮されました。
    • 銃撃による死を「blue murder」と表現するようになりました。
  • Meat in the Pot(鍋の中の肉)(19世紀前半)
    • アメリカ西部の開拓者が使ったスラングで、「狩猟のための銃」を指します。

19世紀後半(1850年〜1900年)

  • Bulldozer(ブルドーザー)(1850年代〜1860年代)
    • 1850年代以降のカリフォルニアで、「相手を一撃で倒すほど強力な銃」を指すようになりました。
  • Blue Pills(ブルー・ピル)(南北戦争後、1860年代〜)
    • アメリカでは鉛弾を「blue pills(青い薬)」と呼ぶようになりました。
    • 戦後に広まった青色の水銀系薬品「カロメル」との関連が指摘されています。
  • Pocket Pistol(ポケット・ピストル)(1872年)
    • 実際の銃ではなく、ウイスキーを入れた小型フラスコの隠語として使われていました。

まとめ

以上のようなスラングは時代と共に意味が変化しています。

例を挙げると「ストラップ」はMAC10などの小型サブマシンガンを意味していましたが、単純に「銃」を意味するスラングとして使用されています。

銃に関する英語のスラングは、文化や歴史、地域ごとに異なる背景を持ちます。

これらのスラングを理解することで、映画、音楽、文学をより楽しめるかもしれません。