中折れ式(ブレイク・アクション)の水平二連散弾銃の構造と仕組みについて解説します。
モデルによって若干構造が異なりますが、今回はウィンチェスター・モデル21を参考にしています。
ウィンチェスター・モデル21の構造と仕組み
覚えておきたいパーツ名は上の通りです。
トリガーは前後に二つ配置されており、前のトリガーを引くと右の銃身から発射され、後ろのトリガーを引くと左の銃身から発射されます。
二つのトリガーを同時に引いて二発同時発射が可能なため、狩猟の際に大型の獲物に対しても有効です。
また、シアー、ハンマー、コッキングロッド、コッキングレバー、エジェクションハンマー、エジェクターは、左右で対になっています。
発射
ハンマーはコックされた状態で保持されており、シアーがハンマーの動きを妨げています。
スプリングによってコッキングロッドがハンマーを前方へ引っ張っている状態です。
トリガーを引くと、シーソーの様に動くシアー後方が持ち上がり、シアー前方が下がってハンマーを解放します。
解放されたハンマーはコッキングロッドに引っ張られてショットシェル(弾薬)のプライマー(雷管)を叩き、発射されます。
銃を折る
排莢と装填を行うには銃を折ります。
銃を折るにはトップレバーを右へ動かします。するとレバーの回転軸が左回転し、ロッキングボルト(緑のパーツ)が後退します。
ロッキングボルトが後退するとロックが解除され、銃を折って装填と排莢が可能になります。
排莢の仕組み
銃を折るとショットシェルが自動的に排莢されて1メートルほど後方へ飛びます。
銃の銃身側にはエジェクションシアーがあり、銃を折るとレシーバーに接触したエジェクションシアーが僅かに回転します。
このとき、ヒンジを軸として回転する銃身によりエジェクションシアーとエジェクションハンマーの接触が断たれます。
そしてエジェクションシアーから解放されたエジェクションハンマーがエジェクターを叩き、ショットシェルが排莢されます。
コッキングの仕組み
銃を折ると、自動的にハンマーがコックされます。
銃を折ると、銃身側に備わっているコッキングレバーがヒンジを軸として銃身と共に回転します。
するとコッキングロッドが押されて後退し、ハンマーを起こします。
ハンマーが回転するとシアーが上昇してハンマーを捉え、コックされた状態を保持します。
ウィンチェスター・モデル21では、分解時に銃身とレシーバーを分割し、フォアアーム(先台)を外した状態で空撃ちするとコッキングレバーの位置がずれてしまい、フォアアームが再度取り付けられなくなります。
この場合、レシーバーを台に押し付けたり、工具を使用するなどして外部からコッキングレバーを押し下げるとハンマーがコックされ、フォアアームが取り付けられるようになります。
装填
新しいショットシェルを装填して折った銃を元に戻すと、エジェクターがレシーバーに接触し、エジェクションハンマーが前進します。
エジェクションハンマーが前進するとエジェクションシアーが上昇し、エジェクションハンマーを捉えて排莢する準備が整います。
セイフティ(安全装置)の仕組み
ウィンチェスター・モデル21ではグリップの上にスライド式のセイフティが備わっています。
セイフティがオフの状態ではトリガーが引けます。ロッキングブロックも後退できるため、銃を折って装填と排莢が可能です。
セイフティを前へスライドさせてオンにすると、トリガーとロッキングブロックの動きが妨げられます。
これによりトリガーを引いたり装填や排莢を行うことが不可能な状態となります。
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