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戦前の小型拳銃10選(扱いやすく隠匿しやすい古いピストル)


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ブローニングM1910 Photo via Wikipedia

戦前のコンパクトハンドガンにはどういったモデルが存在し、どういったモデルに人気があったのでしょうか?

ワルサーPPKやブローニング1910は成功を収めたピストルとしてあまりにも有名ですが、今回はその他のコンパクトハンドガンをご紹介したいと思います。

一般的に小型ピストルは信頼性が高くありません。

その理由は設計上の問題もありますが、小口径で低圧の弾薬はオートピストルを作動させるためのガス圧が相対的に足りない傾向があります。

現在の弾薬と比較しても、同口径の弾薬でも二十世紀初頭の弾薬は低圧なものが多く、信頼性を重視するのであればリボルバー、あるいは大型ピストルの方が好まれます。

それでも当時高く評価されたコンパクトピストルは存在しました。

それでは、膨大に存在するハンドガンの中で、当時高く評価され携帯に適したハンドガンを中心にご紹介します。

ブローニングM1900

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Photo via wikipedia.org

製造国:ベルギー
製造年:1900年(1898~1899年試作)
使用弾薬:7.65 x 17 mmブローニング (.32ACP)
装弾数:7発
全長:170 mm
重量:620 g
トリガー:シングルアクション

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アメリカの銃器デザイナー、ジョンMブローニングにより、ベルギーのFNハースタル社のために設計されたピストルで、約70万丁が製造されました。

一見すると銃身が二つあるように見えますが、上部にリコイルスプリングが収納され、下部に銃身が備わっている構造です。

この銃が興味深いのは、ハンマースプリングに相当するファイアリングスプリングとリコイルスプリングが、同一のスプリングで動作するという点です。

限られたスペースで部品点数を少なく設計し、当時としては画期的な設計思想でした。

ブローニング1900は伊藤博文暗殺に使用され、北朝鮮では1964年に64式としてコピー品を採用しています。

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Photo via modernfirearms.net

ベホラ(Beholla)

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Photo via image.invaluable.com

製造国:ドイツ
製造年:1915~1918年
使用弾薬:7.65 x 17 mm ブローニング(.32ACP)
装弾数:7発
全長:140 mm
重量:640 g
トリガー:シングルアクション

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ドイツのベッカー&ホランダー(ベホラ)によって製造されたストライカー方式のストレートブローバック・ピストルです。

第一次世界大戦ではドイツ軍の予備ピストル(セカンダリーピストル)として採用されました。

興味深いのはファイアリングピンがエジェクターを兼用している構造で、撃発後のファイアリングピンは後退途中で停止し、そのままスライドが後退を続けることでファイアリングピンが薬莢を蹴り出して排莢します。

通常分解には工具を必要とし、スライド中央の穴からピンを押し出してスライドを引くと銃身を取り外せます。

フレーム左側にはマニュアルセイフティが備わっており、親指で簡単に操作できる操作性の良いピストルです。

1960年代のアメリカのTVドラマ「スパイ大作戦」(Mission: Impossible)でも活躍しました。

ル・フランセ ミリタリー 1928

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Photo via orygie.ru

製造国:フランス
製造年:1912~1968年
使用弾薬:.22LR / .25ACP / .32ACP / 9 x 20 mm ブローニングロング(ミリタリー)
装弾数:8発(ミリタリー)
トリガー:ダブルアクション・オンリー

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ル・フランセはフランスのSFACによって製造されたピストルです。

バリエーションが非常に豊富で、ポケットピストルからミリタリーモデルまで、様々なモデルが製造されました。

ル・フランセのミリタリーモデル1928は「ミリタリー」と名付けられていますが、フランス軍では一部将校が所持しただけに留まります。

これにはメーカー側が軍用としての採用を目指してミリタリーと名付けたものの採用に至らず、ほとんどはフランス警察で採用されたという背景があります。

(資料によってはミリタリー「Militaire」の他、アーミー「Armee」とも呼ばれています)

一般的なピストルはスライドと平行してリコイルスプリング(リターンスプリング)が備わっていますが、ル・フランセではグリップ内に縦にスプリングを配置し、連結された板状のクランクによってスライドを前進させる構造です。

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Photo via modernfirearms.net

戦前の初期モデルではエキストラクターは存在せず、戦後になってエキストラクターが追加されました。

・・・では、初期のル・フランセではどうやって排莢していたのかといえば、余剰ガス圧を利用して排莢するという非常にシンプルな構造です。

パーツ点数が少ないピストルのため製造コストが安く、良く言えば故障が少ないピストルといえます。

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Photo via orygie.ru

ル・フランセはどれもストレートブローバック方式を採用し、銃身はチップアップバレルとなっており、マガジンを抜くと自動的に銃身が跳ね上がる構造です。

またフレーム右側のレバーを下げて手動で銃身を跳ね上げることも可能です。

モデルによってはマガジンの底に予備弾1発を保持し、跳ね上がった薬室に初弾を直接装填する操作をされていました。

主にフランスで多く流通し、スパイを描いたアニメ「ジョーカーゲーム」(第三話)でも登場しています。

ザウアー M1913

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Photo via luger.gunboards.com

製造国:ドイツ
製造年:1913年
使用弾薬:7.65 x 17 mm (.32ACP)
装弾数:8発
全長:162 mm
重量:710 g
トリガー:シングルアクション

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ザウアーM1913は、ザウアー社の銃器設計者、フリッツ・ツェナーによって設計されたストライカー方式のストレートブローバック・ピストルです。

それまでザウアー社の銃器は売れ行きが悪く、なかなかヒット作がありませんでしたが、M1913は信頼性が高く評価され、同社が注目される切っ掛けとなったモデルでもあります。

1926年には輸出モデルのM1926が発売され、1930年には丸みを帯びたラウンド・バックストラップと、トリガーセイフティーを追加したM1930が発売。M1930はドイツ警察に採用され、ベホーデン(Behörden)モデル(ドイツ語で当局の意)と呼ばれました。

当時はワルサーPP/PPKのライバルという位置づけで、アメリカにも輸出されました。

通常分解は、リアサイトを押しながらスライド後部のスライドキャップを回すとブリーチブロックを引き抜けます。スライドキャップはペットボトルの蓋のようなネジ構造で、リアサイトがスライドキャップを固定するロックとなる構造です。

またリコイルスプリングは、ワルサーPPKのように銃身の周囲に配置されています。

フロマー・ストップ

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Photo via wikipedia.org

製造国:ハンガリー
製造年:1912年
使用弾薬:7.65 x 17 mm ブローニング(.32ACP)/ 9 x 17 mm ショート(.380ACP)
装弾数:7発
全長:165 mm
重量:625 g
トリガー:シングルアクション

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銃器デザイナー、ルドルフ・フロマーによって開発されたロングリコイル方式ピストルです。

ロングリコイル方式のピストルは失敗作が多い中、フロマー・ストップは成功を収めた評価の高いピストルでした。

発射時には銃身とボルトが同時に大きく後退し、最後まで後退すると銃身が解放され前進、そして排莢後にボルトが前進するという作動機構です。

銃身の上にはリコイルスプリングが配置されており、回転式ハンマーで撃発します。

バリエーションには12M(1912年ハンガリー予備軍採用)、19M(1919年ハンガリー陸軍採用)、39M(1939年 / 9 x 17 mm)が存在します。

サベージ M1907

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Photo via icollector.com

製造国:アメリカ
製造年:1907~1920年
使用弾薬:7.65 mm ブローニング(.32ACP)
装弾数:10発
全長:167 mm
重量:570 g
トリガー:シングルアクション

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アメリカのサベージ・アームズが製造したピストルです。

当時としては珍しいダブルカラムマガジンを採用し、コンパクトでありながら10発の装弾数を持ちます。

また、ネジが一本も使用されておらず、パーツをスライドさせたり、挿しこんだりして組み立てられているのが特徴です。

米軍制式採用を目指して.45ACPモデルも製造され、1907年のトライアルではコルトM1911と最後まで争いましたが、結果敗れました。

しかし、ポルトガル軍にM908(M1907)/M915(M1915)として採用され、第一次世界大戦で使用されています。

閉鎖方式にローテイティングバレルを採用していますが、一般的なものより回転率の小さい、僅か5度の回転でロックの閉鎖と解除を行う機構です。

そしてハンマーはファイアリングピンと直接連結されており、ハンマーの打撃力が直接プライマーに伝わる構造を持ちます。

新しい試みが随所に見られる興味深いピストルです。

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ベレッタ 1915

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Photo via i.pinimg.com

製造国:イタリア
製造年:1915~1919年
使用弾薬:7.65 x 17 mm / 9 mm グリセンティ / 9 x 17 mm
装弾数:8発
全長:149 mm
重量:570 g
トリガー:シングルアクション

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イタリアのベレッタ社による、同社初のオートマチック・ピストルです。

ベレッタ社は19世紀までバレルメーカーでしたが、ジュゼッペ・ベレッタによって工場拡張と銃器製造が開始され、記念すべき第一号がベレッタ1915です。

それまでイタリア軍はグリセンティM1910ピストルや、ボデオ・モデル1889ダブルアクション・リボルバーを採用していましたが、グリセンティM1910は信頼性が低く、使用弾薬も非力であったり、ボデオ・モデル1889はシリンダーがスイングアウトできない固定式シリンダーであったりと、銃器の近代化を必要としていました。そしてベレッタ1915のイタリア軍採用により、ベレッタ社は高い評価を受けることとなります。

ベレッタ1915では9 mmグリセンティを使用するバリエーションも存在しますが、低圧の9 mmグリセンティと高圧の9 mmパラベラムは外見が似ているため、誤って使用すると 銃の破裂や故障の原因となるため注意が必要です。

スライド上は大きくカットされていますが、専用の排莢口が別途設けられています。これは後のベレッタ1922(ベレッタ1915/19)で一体化され廃止されました。

外見はハンマーレスですが、回転式ハンマーが内蔵されており、総部品点数30個というシンプルな構造です。露出型ハンマーはベレッタ1923から採用されました。

また最終弾を撃ち終えるとマガジンフォロアーが上昇し、スライドがホールドオープンして弾切れを知らせます。

7.65 mm口径バージョンではエジェクターが存在せず、代わりにファイアリングピンがリコイルを利用してエジェクターとして機能し排莢します。

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Photo via wikipedia.org

余談ですが、戦前のベレッタ製ピストルで最も成功したのは、イタリア軍も採用したベレッタ1934といえます。

陸海空で採用され、それぞれRE(陸軍)、RM(海軍)、RA(空軍)の刻印から判別が可能です。

ベレッタ1934はオープントップのスライドを持ち、露出したエクスターナル・ハンマーを採用しました。

スライドを大きくカットすることによりスライドが軽量化され、リコイルを軽減すると同時に、排莢時のジャムのリスクも低減しています。

またマニュアル・セイフティはフレームに配置され、180度回転させることでオンオフを切り替えます。

コルト・ディテクティブ・スペシャル

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Photo via coltautos.com

製造国:アメリカ
製造年:1927~1986年
使用弾薬:.38S&W / .38S&Wロング / .38スペシャル
装弾数:6発
全長:178 mm
重量:595 g
トリガー:ダブルアクション

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コルト社による2インチバレルのダブルアクション・リボルバーです。

コンパクトで隠匿しやすいため、第二次世界大戦ではアメリカ軍の情報局(OSS / MI / CIC / CID)など、インテリジェンスで広く支給されていました。(当時アメリカ政府の購入数は5,161丁)

非常に人気の高いモデルで、1927年から製造され、1993~1995年にも再販されています。

戦後は日本の警察でも採用されていました。

S&W .32 セイフティ・ハンマーレス・リボルバー

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Photo via collectorsfirearms.com

製造国:アメリカ
製造年:1888年~1937年
使用弾薬:.32S&W
装弾数:5発
トリガー:ダブルアクション

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スナブノーズド・リボルバーやハンマーレス・リボルバーは、パーカッション・リボルバーの時代から存在しており、珍しいものではありません。

しかし、1888年に登場したS&W .32 セイフティ・ハンマーレス・リボルバーは、現代のコンシールドキャリー・リボルバーに繋がる元祖に当たります。

「バイスクル・ガン」とも呼ばれ、その名の通り自転車(ベロシペード)に乗る際に、犬(イヌ科の動物)から身を守るために所持されました。

ハンマー内臓型なので衣服に引っ掛かり難く、グリップを握り込まないと発射できないグリップセイフティが備わっています。

このグリップセイフティの形状から、コレクターの間では「レモン・スクイーザー(レモン絞り器)」のニックネームで呼ばれていますが、S&W社は「ニュー・デパーチャー(新たな試み)」と呼んでいます。

銃身長は3インチや3.5インチが最もポピュラーですが、レアながら2インチモデルや6インチモデルも存在します。

構造はトップブレイクで、装弾数は5発です。

ファーストモデルは1888~1902年に91,417丁製造され、セカンドモデルは1902~1909年に約78,500丁製造されました。

セカンドモデルの大きな違いはラッチの形状にあり、滑り止めのローレット加工が施されています。

サードモデルは1909~1937年に約73,000丁が製造されています。

ブリティッシュ・ブルドッグ・リボルバー

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Photo via ima-usa.com

製造国:イギリス
製造年:1872~1914年
使用弾薬:.44ウェブリー / .442ウェブリー / .450アダムス(.45ウェブリー)
装弾数:5発
全長:72 mm
トリガー:ダブルアクション

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ブリティッシュ・ブルドッグ・リボルバーは、ウェブリーRICリボルバーを小型化したダブルアクション・リボルバーです。

銃身長は2.5インチと短く、携帯性に優れたリボルバーとして人気が高く、イギリスの他、ベルギー、スペイン、フランス、アメリカでコピーが製造され、アメリカではアイバー&ジョンソン社やハーリントン&リチャードソン社などが製造しました。

フィニッシュはブルー、またはニッケルモデル(レア)が存在し、グリップはアイボリー、ウォールナット、パールなどが使用されています。

計3モデルが製造され、No.1 = フルーテッド・シリンダー、No.2 = アンフルーテッド・シリンダー、No.3 = 大型グリップといった違いがあります。

第20代アメリカ合衆国大統領、ジェームズ・ガーフィールド暗殺には、ベルギー製ブルドッグ・リボルバーが使用されたことでも有名です。

暗殺に使用されたブルドッグ・リボルバーはスミソニアン博物館に送られましたが、現在では行方不明となっています。