どんな状況でも撃つ瞬間までトリガーガード内に指を入れてはいけません。
つまり、トリガー(引金)に触れることができるのは射撃時のみです。
今回はトリガーに触れてはいけない理由について解説します。
人間は自分を100%コントロールするのは不可能
人間の体は自分の意識ではコントロールできないことが多々あり、反射や発作がそれに該当します。
意識的に気を付けていても、つまづいたり、大きな音を聞いて驚いたりすると、反射的に手や指に力が入ってしまい、トリガーを引いて誤射する場合があります。
特に実戦となれば自律神経が緊張し興奮状態となるため、体が周囲の影響を受けやすく、精神的にも肉体的にも誤射しやすい状況となります。
撃って良いのか不明なターゲットに対して銃口を向けたとき、トリガーに指が触れていると意識とは関係なく指に力が入ってしまい撃ってしまうことがあります。
軍や警察などチームで行動する場合も、民間人や仲間を誤射しないように常に銃口は安全な方向へ向け、指はトリガーガードの外に置いています。
これは古くからドラマや映画では気にされないことが多いのですが、現実の軍や法執行機関では共通してこのルールに従っています。
そのため、ドラマや映画の世界でも「トリガーガード内に指を入れない状態」が「リアルな描写」として評価され始めています。
トリガーに指を掛けなくても即応性は変わらない
即応性については、トリガーに指を掛けた状態とそうでない状態はほとんど変わりません。
なぜなら、トリガーに指を掛けるタイミングはターゲットを認識し銃口がターゲットに向く間に行われるからです。
ホルスターから銃を抜いて撃つ際も、銃を抜いて銃口(射線)が自分の体から離れたあと、銃口が安全な方向へ向いてからトリガーガード内に指を入れます。
また、ホルスターに銃を収める動作も同様に、銃口が自分の方向へ向かないように気を付けながら、指をトリガーガードの外に出した状態を維持して収めます。
指トリガーについて
日本では俗に「指トリガー」と呼ばれており、トイガンであっても指がトリガーに触れている状態を指摘されることがあります。
日本は銃が身近に存在しない環境のため、「トリガーに指が触れて誤射しても問題ない」「弾が装填されていないから問題ない」と考えられがちです。
しかし、これは大きな間違いです。
「指をトリガーガード内に入れない」という行為は頭で理解していても、習慣として銃を安全に扱えるようになるためには日頃から気を付ける必要があります。
あるときはトリガーに触れ、あるときはトリガーに触れないという状態では意味が無く、これでは習慣化しません。
トイガンで人を死亡させることはほとんどありませんが、失明や器物損壊など、無用な事故を起こす可能性があります。
また、銃に知識がない人がそれを見て、「トリガーに触れても良いのか」と誤解させる可能性もあります。
日頃から意識的に注意することでそれが習慣となり、ふとしたときに現れる「うっかり」を無くし、事故を防ぐことができます。
私の体験談
私がカリフォルニア州在住だったとき、人生で一度だけ誤射したことがありました。
射撃場で自分の1911ピストルを射撃するのは日常的な行為でしたが、ある日、知人の1911ピストルを撃つ機会がありました。
その1911ピストルはカスタムされた高級品で、非常に軽いトリガーに改良されていました。
マガジン数本分を射撃していた際、横にいた知人に話しかけられて会話をしたのですが、突然自分が手にした1911ピストルが発射され、轟音と衝撃に何が起こったのかわからなくなりました。
自分ではトリガーを引いた意識が全くなかったのですが、指がトリガーに軽く触れた感触がありました。
自分が所有する1911ピストルと比較するとトリガープルの差が大きいとはいえ、指がトリガーガード内に入っていた事実は否定できません。
これは自分にとって非常にショックな出来事で、「まさか自分が誤射を?」という思いでした。
「射撃しないときは指をトリガーガード内に入れてはいけない」ということは理解していましたが、自分の身体は意識とは違う行動をしていました。
幸いにも銃口はターゲット方向に向いていたため大事には至りませんでしたが、それ以来安全に対しては過剰なほど注意するようになりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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