PR

実物のサプレッサーは消音できない?銃声を徹底解説!減音効果と実際の音圧

サプレッサー付M4ライフル画像

実銃ではサプレッサー(サイレンサー)の効果はどこまで期待できるのでしょうか?

今回はサプレッサーの効果について解説します。

サプレッサー(サイレンサー)の減音効果

サプレッサーの画像
画像出典:Wikipedia

銃にサプレッサーを装着し発砲すると「プシュッ!プシュッ!」と静かな銃声を発し、誰にも発砲を気づかれない・・・と思われがちです。

しかし、実際のサプレッサーは映画やゲームに登場するサプレッサーのように静かではありません。

音圧レベルで比較した場合、サプレッサー付ピストルは「自動車のクラクションより大きな音圧を発する」とイメージすると分かりやすいかもしれません。

生の銃声は離陸中の旅客機を超える音圧レベルで、聴覚障害を起こすほどの大きな音です。

しかし、サプレッサーを装着すると相対的に小さくなり、爆竹の音圧レベル(110~120db)まで減音できるものもあります。

サプレッサー使用により、約30~40デシベルの減音効果があります。

音源音圧レベル
(db)
備考
12ゲージショットガン
(ショートバレル)
171ショットシェル
.308win
(7.62x51mm)
170~173ライフル弾
7.62x39mm167ライフル弾
5.56x45mm165~171ライフル弾
.44マグナム165拳銃弾
.357マグナム163拳銃弾
.40S&W163拳銃弾
.45 ACP162~167拳銃弾
9x19mm160~167拳銃弾
離陸中の旅客機150参考音
サプレッサー付ライフル
(.308win)

(7.62x51mm)
146~148ライフル弾
打ち上げ花火145~150参考音
サプレッサー付ピストル
(.45 ACP)
141~146拳銃弾
.22LR140~161ライフル弾
25ヤード離れたAR15
(5.56x45mm)
138ライフル弾
サプレッサー付AR15
(5.56x45mm)
135~145ライフル弾
25ヤード離れたサプレッサー付AR15
(5.56x45mm)
133ライフル弾
200ヤード離れたAR15
(5.56x45mm)
130ライフル弾
サプレッサー付ピストル
(9x19mm亜音速弾)
129~144拳銃弾
200ヤード離れたサプレッサー付AR15
(5.56x45mm)
128ライフル弾
ロックコンサート
近くの落雷
120参考音
サプレッサー付.22LRピストル116~128ライフル弾
サプレッサー付.22LRライフル113ライフル弾
爆竹110~120参考音
自動車のクラクション
手持ち削岩機
110参考音
携帯音楽プレーヤーの最大音量105参考音
バイクのエンジン95参考音
救急車のサイレン90~120参考音
犬の鳴き声90参考音
掃除機(平均)65参考音
人の会話60参考音

音圧レベルはサプレッサーの性能、弾速、口径などによって異なります。

音速を超える弾はソニックブーム(衝撃波による爆音)が発生するため、低速な亜音速弾(サブソニック弾)を使用することで効果的に銃声を軽減することが可能です。

軍におけるサプレッサーの目的

銃の画像
画像出典:U.S. Army

サプレッサーを使用しても、銃声は第三者の耳に届きます。

それでは、軍は何のためにサプレッサーを使用するのでしょうか?

サプレッサーには以下の利点があります。

  • 敵に銃声発生地点までの距離や方角を誤認させることが可能
  • 離れた敵に気づかれにくい(銃声が届く距離が短い)
  • 仲間の声や環境音を聞き取りやすい(状況確認が容易)
  • 反動を軽減する
  • マズルフラッシュ(発射炎)を抑制する

特に重要なのはマズルフラッシュ軽減効果で、銃口に装着されているフラッシュハイダーより高い効果があります。

そのため夜間射撃時に敵から発見されにくく、射手にとってもマズルフラッシュが視界を妨害せずターゲットを見失いにくくなります。

  • サプレッサーの基本
    • サプレッサーは、銃の発射時に発生する爆発音を低減させる装置です。
    • 内部構造には、音を減衰させるためのバッフル(隔壁)やその他の部品が含まれています。
  • 歴史
    • サプレッサーは20世紀初頭に発明され、軍事利用や狩猟など、さまざまな目的で使用されてきました。
  • 技術的側面
    • サプレッサーは、銃口から放出されるガスの速度と圧力を制御することで、音を低減させます。
    • サブソニック弾(亜音速弾)と組み合わせることで、さらに高い消音効果が得られます。
  • 法的規制
    • サプレッサーの所有と使用は、国や地域によって厳しく規制されています。
    • アメリカでは、法律(NFA)で規制されています。
  • 効果
    • サプレッサーは、発射音の低減だけでなく、反動の軽減やマズルフラッシュの抑制にも役立ちます。
    • 狩猟や射撃スポーツにおいて、聴覚保護や精度の向上に役立ちます。
  • 用語について
    • サプレッサー、モデレーター、サイレンサー等様々な呼称があります。

実物のサプレッサーの銃声とは?

サプレッサー付M110ライフル画像

私はアメリカでいくつかのサプレッサー付きの銃(サブマシンガンやライフル)を実射した経験がありますが、想像以上に減音することに驚かされます。

サプレッサーを使用しても銃声だとわかる音には違いありませんが、元々の銃声が大きすぎるので相対的に非常に小さくなったように感じます。

もちろん、「銃やサプレッサーの種類」「セミオートかフルオートか」「超音速か亜音速か」・・・などといった条件によって銃声の大きさは様々ですが、低速な弾薬によるサプレッサーの使用は、減音目的において非常に有用です。

射撃には耳を守るイヤープロテクターが必須ですが、サプレッサーを使用すればプロテクター不要な場合が多いです。

デシベル(音圧)で比較して分かる通り、減音した銃声も第三者の耳に届きますが、音の周波数が異なるため実際は音圧で比較する以上に静かになったように感じます。

これは、鋭く甲高い音が減少し、中~低音域が残るようなイメージです。

そのため、実際に減音した銃声を耳にすると「間違いなく銃声だ」が「銃声っぽいな」という感覚になることがあります。(ケースバイケースです)

動画でサプレッサーの音を比較することができますが、マイクやスピーカーは銃声の音圧を録音できないため比較素材として正確ではありません。しかし、周波数の違いは感じ取れると思います。

音が届いても音の聞こえ方が変わるだけで大きな変化を感じられるのがサプレッサーです。

まとめ

サプレッサー付ライフル画像

サプレッサー(サイレンサー)の減音効果

  • 映画やゲームのように完全な消音は不可能。
  • 実際には「自動車のクラクション」並みの音圧がある。
  • サプレッサーによる減音効果は約30~40デシベル。
  • 亜音速弾(サブソニック弾)を使用するとさらに効果的。

軍におけるサプレッサーの目的

  • 銃声の発生地点を誤認させ、敵に気づかれにくくする。
  • 仲間の声や周囲の環境音を聞き取りやすくする。
  • 反動の軽減やマズルフラッシュの抑制に貢献。

実物のサプレッサーの銃声とは?

  • 完全な消音ではなく、あくまで「小さくなる」だけ。
  • 低音域が強調され、鋭く甲高い音が減少するため「銃声っぽいが異なる音」に感じることも。
  • 動画では音圧は正確に伝わらないが、周波数の違いは分かる。
  • 実際に撃つとサプレッサーの効果を実感しやすいが、銃声自体は依然として聞こえる。