皆さんからいただいた、「銃の疑問」に回答します。
「ソリッド」と「AP」の違いを教えてください。
ソリッドブレット(Solid Bullet)とは?
ソリッドブレット(Solid Bullet)は、「一種類の素材で構成された弾頭(銃弾)」です。
例えば、象狩りでは「銅100%」や「真鍮100%」のソリッドブレットを利用することで象の頭蓋骨を貫通させることが可能です。
鉛はやわらかく変形しやすいですが、銅は鉛より変形しにくいため貫通力が高くなります。
(※弾頭の素材とは異なる素材でコーティングが施されているにも関わらず「ソリッドブレット」と呼ばれる例外もあります)
一方、歴史的に古くから「鉛100%」の銃弾も利用されてきましたが、これもソリッドブレットです。
鉛は柔らかいため、着弾と同時に大きく変形し、弾速が速い場合は着弾時に砕け散ります。
また、鉛は融点が低いことから、銃身内で加速中に摩擦熱によって溶けやすいため、溶けた鉛が銃身に固着する「レッディング」が起こります。
レッディングはライフリングの溝を埋めてしまうため、命中率低下といった悪影響があります。
そのため、弾速が速いライフル弾では「鉛のソリッドブレット」は利用されません。
鉛のソリッドブレットは「弾速が遅い黒色火薬を使用する銃」や、「ハンドガン」で利用されます。
高速なライフルに鉛のソリッドブレットを使用したい場合は、鉛に銅合金を被せた「ジャケッテッドブレット(Jacketed bullet)」が利用されます。
AP弾とは?
アーマーピアシング弾(AP弾/徹甲弾)は、熱処理によって硬化された「鉄」や「タングステン」など、硬い金属のコアに銅合金のジャケットを被せた構造です。
高い貫通力を得るには硬い金属を着弾させる必要がありますが、硬い金属を直接銃身内に通すとライフリングが摩耗するため、銅合金といった柔らかい金属で包む必要があります。
アーマーピアシング弾は装甲やボディーアーマーなどを貫通させる目的で利用されますが、狩猟では利用されません。これは性能の他、法規制が影響しています。
命中精度に関しては、製造時に精度を出しやすいソリッドブレットの方が高精度な傾向があります。
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