ヘッケラー&コッホ社のトライアルによって選抜された次世代アサルトライフルG36について詳しく知りたいのですが
ヨーロッパのNATO加盟諸国が次々と5.56mm×45弾を使用する次世代アサルトライフルを正式化していく中、H&K社は「HK G11」というケースレスライフルをドイツ軍正式採用銃として開発してきました。
しかしG11は弾薬の安定性、安全性という性能面の問題と、コスト高の問題が解決出来なかった事で廃案へ。するとドイツ軍部の目は、諸外国に遅れを取るまいと5.56mm口径のAKライフルや、ステアーAUG、L85A1を始めとする10種類のアサルトライフルへと注目しました。
H&K社はすぐさま次世代アサルトライフルの開発を急ぎ、HK50を登場させます。1993年9月1日より始まったトライアルでは、最後までオーストリアのステアーAUGと争い、最終的にこのHK50がドイツ軍正式採用銃となり、これに若干の改良を加えてドイツ軍内名G36(H&K社内名:HK50)が誕生しました。
改良された点は、従来の不透明プラスチックマガジンが半透明マガジンに変更されたり、ストックの底にゴム製バットプレートを装着、レンジファインダー付き3倍オプティカルスコープに加えて、等倍コリメーターサイトを装備、そしてコンペンセイター(フラッシュハイダー)を4本のスリットが入ったものに変更するなどされています。また、G36ライフルの誕生と同時に、GSG9(国境警備隊第9対テロ部隊)など特殊部隊向けに、ハンドガードとバレルを短く切りつめたカービンモデルも開発されました。この他には、輸出用G36E(1.5倍オプティカルスコープ付き)や、ドラムマガジンとロングバレルを備えた分隊支援火器バージョンのG36LMG(MG36)が存在します。
G36の特徴はいくつかあり、閉鎖方式にはこれまでH&Kが得意としていたローラーロッキングを採用せず、米軍のM16に見られるようなターンボルトロックとなった事で、多少シンプルになったと言えます。また、強度の高いプラスチックを多用し、生産性に優れ、軽量化にも成功しました。G36の作動は安定し、非常に操作性に優れたライフルと言われています。
モデル名 | G36(ゲベァー36) | G36K(カービンモデル) |
生産社名 | H&K | H&K |
生産国 | ドイツ | ドイツ |
口径 | 5.56mm×45 | 5.56mm×45 |
作動方式 | ガスオペレーション | ガスオペレーション |
閉鎖方式 | ターンボルトロッキング | ターンボルトロッキング |
セレクター | セミオート/フルオート | セミオート/フルオート |
全長 | 1000/758mm | 855/610mm |
銃身長 | 510mm | 370mm |
重量 (空マガジン装着時) |
3850g | 3600g |
装弾数 | 30+1発 | 30+1発 |
ライフリング | 右6条 | 右6条 |
発射速度 | 毎分750発 | 毎分750発 |
初速 | 約920/秒 | 約920/秒 |
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)やYoutubeチャンネルでお知らせください。