銃は水に濡れるとどうなる? 防水性・水没後の作動をわかりやすく解説

スキューバダイビングイメージ画像

この記事の要約:

  • 現代の金属薬莢弾は防水性が高く、銃が水に濡れても基本的に発射は可能。
  • ただし水中では抵抗が極端に大きく、弾はすぐ減速し、銃の作動不良や破損の原因にもなるため通常の銃は水中射撃に不向き。
  • 軍用では“OTB(Over The Beach)対応”として、水没直後でも安全に作動するよう排水構造や耐水弾薬が採用されている。

銃は水に濡れても使用できるのでしょうか?

弾薬を水没させても問題ない?

雨の日でも撃てる?

こうした銃の防水性に関する疑問について解説します。

目次

銃は水に浸かっても撃てる?

マズルローダーイメージ画像

マッチロック(火縄式)、フリントロック(燧発式)、パーカッションロック(管打式)といった薬莢を使用しない銃は水に弱く、湿ったり水に触れては使い物になりません。

しかし、1812年にフランスのジャン・サミュエル・ポーリーによって弾と装薬が一体化された金属カートリッジが発明されて以降、弾薬の防水性能が飛躍的に向上しました。

現代の弾薬は装薬を薬莢内に封じ、弾頭がフタをする状態となっているため一定の防水性能を持っています。

たとえ銃を水没させても、それを拾い上げて射撃することは可能です。

弾薬内には酸素が含まれているため水中で発射することも可能ですが、水は空気の800倍の密度があるため抵抗によって弾は威力を失い、銃もスライドが後退しない等、正常に動作しません。

銃の画像
SPP-1水中ピストル 画像出典:Wikipedia

水中で使用することを前提に開発された装薬を使用する水中銃も存在しますが、通常の銃は水中では無力です。

銃の画像
Navy SEALs 画像出典:military.com

軍用としては厳しい環境下で確実に作動する信頼性が必要とされるため、水に対する耐性は重要な問題といえます。

軍事用語の「オーバーザビーチ (OTB)」とは、文字通り海を越えて戦力投射する能力を意味しますが、銃においては、水没した銃を引き上げた直後に射撃可能な能力を意味します。

OTB対応の銃には水圧に耐性のある設計や、ドレインホール(水抜き穴)を設けるなど、水没を前提とした設計が必要とされています。

例を挙げると、アサルトライフルのM4ライフルは発射ガスを利用して作動する構造(DI方式)となっていますが、ガスチューブ内が水で満たされた状態で射撃するとガス圧が高圧になり作動不良や破損の原因となる場合があります。

しかしOTB対応のライフル(HK416A5など)ではショートストロークピストン方式や薬室設計の見直し等の改良により、水没後でも確実に作動する構造となっています。

こうした軍用ライフルで使用される弾薬も同様に、雨水や海水に耐性のある性能を有しています。

銃の画像

上の画像の弾薬で7.62x39mmと7.62x25mmのプライマー(雷管)に赤い塗料が付着しているのが確認できます。

これはロシア製の軍用弾で多く見られるもので、湿気など水分から装薬を守るためにラッカーが塗られています。

これはロシアに限ったことではなく、軍用弾は民間で使用される弾薬より厳しい規格で製造されているため、耐水性が高い傾向があります。

しかし、完全防水というわけではありません。

水圧の高い水深まで水没したり、長期間水に濡れた状態で耐えられる保証はなく、カートリッジの腐食もあり得ます。

また、温度変化が激しい場所等、弾薬の保管環境によっては結露が生じて装薬に問題が生じる可能性もあります。

ただ、これはあくまで可能性の問題であり、通常の環境では問題が生じるリスクは低いといえます。

銃の画像

ショットガンの弾はショットシェルと呼ばれますが、これは通常プラスチック製薬莢を使用しており、金属薬莢同様に一定の耐水能力があります。

ハンティングの際にうっかり水辺に落としてしまっても、拾い上げて射撃することが可能です。

しかし、何日も水没させるような状況に耐える保証はありません。

保管時には湿気や温度変化に注意して乾燥状態を保つ必要があります。

まとめ

銃や弾薬は、現代の設計や製造技術によって、ある程度の防水性を備えています。

水に落としてしまっても、すぐに拾い上げれば問題なく作動するケースがほとんどです。

ただし、水中での射撃は物理的な制約が大きく、通常の銃では性能を発揮できません。

水没後の作動信頼性確保には、軍用のOTB対応モデルのように、特別な設計が必要になります。

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この記事を書いた人

・1998年:実銃解説サイトを開設
・2001年~2007年:米国に居住し実弾射撃を学ぶ
・エアガンメーカー勤務経験や実銃経験を活かした情報を発信中

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