狙撃銃として有名な銃の中にドラグノフというものがありますが、あれはAK-47と似ていますよね。
両者の間にどのような関係があるのか、またドラグノフにフルオート機能はあるのか、教えていただけませんか?
旧ソビエト、ロシアのドラグノフ・スナイパー・ライフル(Dragunov SVD. Dragunov Samozarity-adnyia Vintokvka Doragnova)は、1963年に登場したAK47の発展型ライフルです。
しかし、設計者はAK47のミカイル・カラシニコフではなく、同じくロシアのエフゲニー・ドラグノフ(Evgeny Dragunov)と、アイヴァン・サモーイロフ(Ivan Samoylov)の二人の設計者によるもので、AK47とは異なった構造が見られます。
その違いとは、ボルトのロッキング・ラグの数が2つから3つへと増え、使用弾薬を強力で古いスタイルの”7.62×54R”としました。
この弾薬は1890年代にモシン・ナガン・ライフル(Mosin-Nagant)の弾薬として開発されたものです。
AK47では弾薬に7.62×39mm(M43)を使用し、710m/秒(2329fps)の初速ですが、一方ドラグノフSVDはその強力な弾薬と長いバレルの効果により828m/秒(2720fps)の初速を誇ります。
また、バレルは545mm、全長は1220mmにもなります。
「スナイパー・ライフルはボルト・アクションが常識」という風潮のあるなか、ドラグノフはAKシリーズ同様のガス・オペレーションによるセルフ・ローディング・システム、ロータリー・ボルトを採用し、10発収納可能な着脱式マガジンを備えてセミ・オート射撃が可能な、まさに”1000mを狙える戦場のスナイパー・ライフル”として誕生しています。
このライフルはスナイパー・ライフルなのでAK47のようなフルオート機能はなく、AK47とのパーツの互換性もありません。
AK47から発展したAKライフルの中にはポーランドのラドム・ハンター(Radom Hunter)があります。
これはスコープと延長されたバレルを装備しており、AK47のマガジンが使用できるなど、パーツ互換性のあるスナイパー・ライフルです。
さて、ドラグノフの外見では、長いバレルと肉抜きされた軽量化ストック、スコープなどから一目でAKシリーズとの違いが分かります。
ストックはこれまでのAKのものより軽量で、そのおかげもあり重量はAK47とほぼ同じとなりました(AK47:4.30kg – SVD:4.31kg)。
使用されているスコープは、”PSO-1(424 PSO-1M2)”と呼ばれるもので、レシーバー左側に装着され1,300mまでカバーできます。
(時代によって、”エレクトロ・オプティカル・スコープ・NSPUM”や、近距離用”NSPU3″といったスコープも装着されていました)
しかし、スコープの実力限界まで使用することは出来ませんので、実際には800m先のターゲットをヒットする能力があります。
また、スコープにはバッテリーによりレティクルを光らせる機能があり、夜間射撃も可能にしています。
このスナイパー・ライフルは精度に優れ、軽量であることから現在でもロシアを含む世界各国の軍で採用されています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)やYoutubeチャンネルでお知らせください。