
映画「リーサル・ウェポン3」には「コップキラー弾」と呼ばれる拳銃弾が登場します。
ブルドーザーの鋼鉄ブレードを撃ち抜くシーンが登場しますが、現実では不可能であり、映画の演出として誇張されています。
しかし、実際に貫通力が高い拳銃用の徹甲弾は存在します。
この記事では、拳銃用「徹甲弾」とその貫通力について解説します。
貫通弾?鉄鋼弾?徹甲弾?
貫通力に特化した弾薬を意味する「貫通弾」や「鉄鋼弾」は俗称や誤用で、専門的には「徹甲弾(てっこうだん)」(アーマーピアシング弾 / AP弾 / Armor-piercing ammunition)と呼称されます。
以下、この記事では徹甲弾と表記し解説します。

徹甲弾とは、ボディアーマーや車両装甲、強化材などの硬い防護物を貫通するために設計された特殊な弾頭です。
通常弾とは異なり、コアとなる芯材や弾頭形状を工夫することで高い貫通力を持ちます。

芯材には鋼やタングステン、場合によっては劣化ウランなどが使用され、鉛よりも密度や強度が高く、防護物を貫通しやすくなっています。
弾頭は尖らせたり補強したりして貫通性と飛翔安定性を高め、弾頭の形状や重量配分も最適化されて力を一点に集中させます。高速で発射されることで運動エネルギーが増し、防護物への貫通力がさらに高まります。
硬い金属が銃身と接触すると銃身が摩耗するため、接触する部分には柔らかい銅合金(内側には鉛や樹脂)を使用し、貫通体(ペネトレーター)となる硬い金属が弾頭内部に収まっている構造です。
徹甲弾には拳銃用、ライフル用、戦車・大口径砲用などがあり、民間での使用は非常に稀で、主に軍や警察向けに存在します。(アメリカでは民間向けに設計されたショットガン用のAP弾は法的規制の対象外です)
9mm仕様の徹甲弾の貫通力を理解するために、以下に「9mm弾の概要」と「防弾の基礎知識」を解説します。
一般的な9mm弾の概要

映画「リーサル・ウェポン3」に登場した徹甲弾は9mm口径用をモデルとしていました。
主人公リッグスが愛用するピストル(ベレッタ92FS)は9mm弾を使用し、この弾薬は「9mmルガー」や「9x19mmパラベラム」などとも呼ばれるセミオートピストル用拳銃弾です。
反動が比較的穏やかで弾道がフラット、汎用性が高いため、軍・警察・民間で世界的に最も普及している弾薬のひとつです。
標準的な弾薬では現代のソフトボディアーマーを貫通することはできず、9mmの徹甲弾は稀少で、民間市場では規制されています。
項目 | 9mm弾の仕様 |
---|---|
弾頭重量 | 115~147グレイン(7.5~9.5 g) |
初速 | 約335~400 m/s(1,100~1,300 ft/s) |
マズルエナジー | 標準弾で約330~400 ft-lbf +P弾で最大465 ft-lbf |
最大圧力 | SAAMI規格 35,000 psi C.I.P.規格 34,000 psi |
薬莢容量 | 約0.86 ml(13.3 grains H₂O) |
下図は一般的なフルメタル・ジャケット弾(FMJ)の構造を表しています。

- ジャケット(被甲):弾の外側を覆う金属の層で、弾道安定や摩耗防止、貫通力向上に役立ちます。
- コア(鉛):弾内部の主要部分で、質量を担い、運動エネルギーや打撃力を生み出します。
- 装薬:薬莢内に詰められた火薬で、発火するとガス圧を生み弾頭を銃身内で加速させます。
- 薬莢:装薬や弾頭、雷管を収納する筒状の部品で、弾薬の構造を保持します。
- 雷管:弾薬の底部にある発火装置で、撃針の衝撃で装薬に点火します。
FMJは軍用や民間の射撃練習用として最も多く利用される弾種ですが、このような通常弾には徹甲弾にみられる貫通体が含まれていないため、硬い目標に着弾すると変形し貫通力が低減されます。
警察や民間での護身用として使用されるホローポイント弾(JHPなど)と比べると、FMJは高い貫通力を持ちますが、コアが柔らかい鉛のため、徹甲弾ほどの貫通力はありません。
また、貫通力重視の狩猟用として鉛の代わりに単一の銅合金で製造されたソリッド弾頭が存在しますが、これは徹甲弾(AP)ではありません。その理由は以下のとおりです。
しかし、法的定義や規制は国ごとに異なり、技術的には徹甲弾と見なされなくとも制限される場合があるため注意が必要です。
防弾装備の基礎知識
ボディアーマーには大きく分けてソフトアーマーとハードアーマーがあり、それぞれ目的や防護性能が異なります。
ソフトアーマー

ソフトアーマーはケブラー、スペクトラ、ダイニーマなどの柔軟な高強度繊維を重ね合わせて作られており、主に拳銃弾や散弾からの防護を目的としています。
軽量で柔軟性があり、警察官や民間人が携行しても動きやすく、快適性を維持できます。
通常はNIJ規格のレベルIIIAまでの評価を受けており、.44マグナムや.357 SIGなどの高威力拳銃弾を防ぐことが可能ですが、高速ライフル弾や徹甲弾などの高貫通力弾は防ぐことができません。
通常の9mm弾(FMJ)はソフトアーマーで停止させることが可能です。
ハードアーマー

ハードアーマーはセラミック、鋼板、ポリエチレン、複合材などの硬いプレートで構成されており、ライフル弾やソフトアーマーでは防げない徹甲弾に対する防護を目的としています。
ハードアーマーは重く、柔軟性に欠けますが、防護力は格段に高く、NIJレベルIII(一般的なライフル弾に対応)からレベルIV(徹甲ライフル弾に対応)まで評価されています。
主に軍や警察特殊部隊、一部のセキュリティプロフェッショナルで使用されます。
NIJ(米国司法省国立司法研究所)のボディアーマー規格は、アーマーの防護性能を標準化するもので、各レベルごとに想定される弾丸に対する耐性を示しています。
NIJレベル | アーマー種類 | 対応弾 | 特徴 |
---|---|---|---|
IIA | ソフト | 9mm FMJ .40 S&W | 最軽量、防護力は低め。 低速度拳銃弾を防ぐ |
II | ソフト | 9mm FMJ .357マグナム | 少し重め、防護力向上。 高威力の拳銃弾に対応 |
IIIA | ソフト | .357 SIG FMJ .44マグナム SJHP | ソフトアーマーの最高防護力。 高速度拳銃弾を防ぐ |
III | ハード | 7.62mm FMJ ライフル弾 | 硬質プレート使用。 ライフル弾に耐えられるが重い |
IV | ハード | 7.62mm AP ライフル弾 | 最高防護力。 徹甲ライフル弾も防ぐが重量大 |
コップキラー弾とは?

映画「リーサル・ウェポン3」で登場した「コップキラー(警察官殺し)」という呼称は、現実世界でも存在しました。
この呼称が広まったのは1980年代ですが、元をたどると1960年代にアメリカ・オハイオ州の法医学者や警察関係者が開発したKTW弾に行き着きます。
自動車のドアやフロントガラスのような硬い障害物を貫通できる拳銃弾の開発を目指したもので、初期はタングステン合金、のちに真鍮や鋼を用いた硬芯弾が誕生しました。
弾頭にはテフロンコーティングが施されましたが、これは銃身摩耗を抑える目的であり、貫通力を高めるためではありませんでした。
しかし1980年代に入ると、マスコミがこの弾薬を「コップキラー弾」として大々的に取り上げ、特にNBCの特集番組が社会不安を煽りました。その結果、本来は警察や法執行機関向けに限定的に使用されていたKTW弾が、あたかも警察官の防弾ベストを容易に貫通する危険な弾丸であるかのような誤解が広がったのです。
実際には、テフロンがソフトアーマー(防弾ベスト)に対して貫通力を増すことはなく、弾頭のコア(弾芯材)や初速が貫通性能を左右することが後の試験で確認されています。
これまでに警察官が「コップキラー弾」によって死亡した事例も存在しません。
こうした誤解は政治的議論を加速させ、1980年代後半から1990年代にかけて徹甲弾に関する規制法が各州や連邦レベルで整備されました。その一方で、このイメージは映画『リーサル・ウェポン3』などのフィクションに登場し、文化的に定着していきました。
要点をまとめると次の通りです。
コップキラー弾「KTW」については、以下の記事で詳しく解説しています。
9mm 徹甲弾の威力

防弾装備 VS 徹甲弾(AP)
防弾装備に対する貫通力では、ソフトアーマーのレベルIIやIIAに対しては通常弾は貫通しませんが、徹甲弾は近距離で貫通する可能性があります。
レベルIIIAソフトアーマーでは通常弾は止められますが、徹甲弾は近距離で貫通する場合があります。
ハードアーマーのレベルIIIやIVでは、通常弾も徹甲弾も止められます。
防弾性能としては、近距離ではレベルIIやIIA、場合によってレベルIIIAソフトアーマーを貫通することが可能ですが、レベルIIIやIVのハードプレートでは止められます。
以下は一般的な9mm徹甲弾の目安です。
項目 | 9mm FMJ | 9mm JHP | 9mm AP |
---|---|---|---|
コア(芯材) | 鉛 | 鉛 | 鋼/タングステン |
初速 | 335~375 m/s 1,100~1,230 ft/s | 350~400 m/s 1,150~1,310 ft/s | 約420 m/s 1,378 ft/s |
マズルエナジー | 450~490 J 350~360 ft-lbf | 490~630 J 364~465 ft-lbf (+P弾含む) | 約583 J 約430 ft-lbf |
防弾レベル貫通 | II/IIA/IIIAで停弾 | II/IIA/IIIAで停弾 | III/IVで停弾 |
チェコ製とロシア製の徹甲弾

チェコのスチールコア(あるいはタングステン系コア)の9×19mm モデル23と、ロシア製の7N21・7N31という代表的な徹甲弾を比較しました。
項目 | チェコ モデル23 | ロシア 7N21 | ロシア 7N31 |
---|---|---|---|
弾頭重量 | 7.1 g (約110 gr) | 約7.0 g (約108 gr) | 約5.8 g (約90 gr) |
弾体構造 | タングステン合金コア+FMJ | 硬化鋼芯+ジャケット | 硬化鋼芯+軽量ジャケット |
初速 | 約420 m/s (約1,378 ft/s) | 約430–460 m/s (約1,411–1,509 ft/s) | 約470–500 m/s (約1,542–1,640 ft/s) |
マズルエナジー | 約625 J (約461 ft-lbf) | 約650–700 J (約479–516 ft-lbf) | 約650–730 J (約479–538 ft-lbf) |
コア硬度 | タングステン系 | 硬化鋼 | 硬化鋼 |

チェコ製モデル23はタングステン合金や硬鋼芯を用いることで軽装甲やNIJ IIIAクラスのソフトアーマーに対する貫通力を確保しており、実射試験では4.2mm厚のArmox 500鋼板を10 mから貫通するレベルを示しています。
Armox 500(Armox 500T)は、高硬度で耐衝撃性に優れた装甲用鋼板です。主に装甲車両、建物の防護室、金庫、重要インフラなどで使用されます。
ロシアの7N21は鋼芯の重めの弾体で高い貫通力を示し、7N31はさらに軽量化して初速を高めた設計により、速度依存で貫通性能と終末効果を向上させています。
終末効果(Terminal Ballistics)とは、弾丸が標的に命中したときに発揮される最終的な作用を指します。弾丸の運動エネルギーがどのように伝達され、貫通・変形・膨張などの挙動を経て、どの程度の損傷や無力化を与えるかを評価する概念です。
終末効果は狩猟用弾薬の選定、警察や軍の装備選択、ボディアーマー設計、発砲事件の法医学的解析において重要な指標となります。
全体として7N21/7N31の方が同条件下での貫通性能が高い傾向にありますが、試験条件(銃身長、弾速、装甲仕様)によって結果は変化します。
以下に貫通性能の比較表を示します。
評価項目 | チェコ モデル23 | ロシア 7N21 | ロシア 7N31 |
---|---|---|---|
NIJ IIIA | 貫通 | 貫通 | 貫通(最優) |
4.2 mm Armox 500鋼板(10 m) | 貫通 | 貫通 | 貫通(最優) |
厚鋼板 (レベルIII相当) | 貫通困難 | 一部厚鋼で貫通報告 | より高い貫通能力だが限界あり |
終末効果 (人体) | 拡張せず貫通重視。 プラグ形成傾向 | コア-ジャケット分離で多重トラックを形成する場合あり | コア分離が顕著で終末効果増加の報告あり |
有効射程 | ~25 mが最適 | 0~25 mで高い効果 | 0~50 mまで有効性が高い傾向 |
アメリカの法規制

アメリカにおける徹甲弾の規制は、銃の種類によって扱いが大きく異なります。
連邦法ではハンドガン用の徹甲弾が厳しく規制されており、製造・輸入・販売が禁止されています。
一方でライフル用徹甲弾は、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)が「ハンドガンで使用可能」と判断した場合のみ規制対象になります。
ショットガン用については、狩猟やスポーツ用途と認められる限り、基本的に規制の対象外です。ただし、連邦法の「スポーツ目的」の定義から外れる特殊な構造を持つ場合は規制される可能性があります。
州法についてはばらつきがあり、カリフォルニア州やニューヨーク州、ミシガン州などでは連邦法よりも厳しい独自の禁止規定を設けている例もあります。そのため、実際の入手や所持を考える際には、必ず各州ごとの法律を確認する必要があります。
アメリカでは、徹甲弾「アーマーピアシング(Armor-Piercing, AP)弾」に関する規制は銃種ごとに異なり、特に「ハンドガン用弾薬」が連邦法の規制対象となっています。ここではピストル、ライフル、ショットガンの3種類に分けて詳しく解説します。
ピストル(セミオートピストル・リボルバー)
ライフル
ショットガン
規制の背景と考え方
アメリカにおける徹甲弾規制は次のように整理できます。
つまり、連邦レベルでは「ハンドガン用AP弾」のみが明確に禁止されており、ライフルやショットガン用の弾薬は民間で入手可能です。ただし、各州が独自に設けている規制があるため、合法性を判断する際には必ず連邦法と州法の両方を確認する必要があります。
以下に実際の規制法の条文を解説します。
1. 定義(18 U.S.C. §921(a)(17))
The term “armor piercing ammunition” means—
(A) a projectile or projectile core which may be used in a handgun and which is constructed entirely (excluding the presence of traces of other substances) from one or a combination of tungsten alloys, steel, iron, brass, bronze, beryllium copper, or depleted uranium; or
(B) a full jacketed projectile larger than .22 caliber designed and intended for use in a handgun and whose jacket has a weight of more than 25 percent of the total weight of the projectile.
【解説】
拳銃で使用可能な弾薬のうち、タングステン合金、鋼鉄、真鍮、青銅などの硬質金属で構成された弾芯を持つ弾丸、または.22口径を超えるフルジャケッテッド弾(全被覆弾)でジャケット重量が弾丸全体の25%以上を占めるものがAP弾と定義されています。
2. 規制条項(18 U.S.C. §922(a)(7), (a)(8))
(a) It shall be unlawful—
(7) for any person to manufacture or import armor piercing ammunition, except that this paragraph shall not apply to—
(A) the manufacture or importation for, or sale or shipment to, the United States or any department or agency thereof or a State or any department, agency, or political subdivision thereof;
(B) the manufacture, or importation for the purpose of exportation; or
(C) the manufacture or importation for the purpose of testing or experimentation authorized by the Attorney General.
(8) for any manufacturer or importer to sell or deliver armor piercing ammunition, except that this paragraph shall not apply to—
(A) the sale or delivery to the United States or any department or agency thereof or a State or any department, agency, or political subdivision thereof;
(B) the sale or delivery for the purpose of exportation; or
(C) the sale or delivery for the purpose of testing or experimentation authorized by the Attorney General.
【解説】
拳銃用AP弾の製造、輸入、販売、譲渡は原則禁止されています。ただし例外として、政府機関向け、輸出目的、または司法長官(ATF)の承認を得た試験・研究目的に限り認められます。
3. 記録義務(18 U.S.C. §922(b)(5), §923(g)(1)(A) など)
連邦火器ライセンス(FFL)を持つ業者は、AP弾の取引に関する記録を保持しなければなりません。記録を怠ると、行政処分や罰則の対象となります。
4. 規則(27 CFR Part 478)
ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)は、実務上の運用規則を定めています。その中で「スポーツ用途(sporting purposes)」を理由に一部弾薬をAP弾の定義から除外しています。代表的な除外対象は以下の通りです。
Q&A:徹甲弾に関する質問と回答
- Q映画『リーサル・ウェポン3』に登場する「コップキラー弾」とは、実在する弾薬なのですか?
- A
はい、実在します。ただし、ブルドーザーの鋼鉄を貫通する描写は映画上の誇張表現です。
作中で描かれた「コップキラー弾」は、警察官の防弾ベストを貫通する弾薬としてマスコミに報じられた、実在のKTW弾がモデルです。
KTW弾は、自動車のドアなどの障害物を貫通する目的で開発されました。
- Q「徹甲弾」「貫通弾」「鉄鋼弾」は同じものですか?
- A
いいえ、専門的には「徹甲弾(てっこうだん)」と呼びます。
「貫通弾」や「鉄鋼弾」は俗称や誤用です。
- Q徹甲弾はなぜ貫通力が高いのですか?
- A
弾頭の内部に、硬度と密度が高い鋼やタングステンなどの芯材(コア)が備わっているからです。この硬い芯材が、着弾時の弾頭の変形を抑え、高い貫通力を発揮します。
- Qテフロンコーティングが施された徹甲弾は、貫通力が増すのですか?
- A
いいえ、貫通力が増すわけではありません。
テフロンコーティングは、発射時に弾頭が銃身内部を通過する際の摩擦を減らし、銃身の摩耗を抑えるために採用されました。
マスコミの報道によって、あたかも貫通力を高める目的があるかのように誤解が広まりましたが、これは誤りです。
テフロンコーティングはソフトアーマーに対する貫通力向上に寄与しますが、通常弾頭(FMJやJHPなど)にテフロンコーティングを施しても元の弾頭に対応する防弾ベストを貫通できません。
- Q9mmの徹甲弾は、防弾ベストを貫通できますか?
- A
防弾ベストの種類によります。
ソフトアーマー(NIJレベルIIA〜IIIA)は、通常の9mm弾であれば貫通を防ぐことが可能ですが、徹甲弾は近距離で貫通する場合があります。
一方、ハードアーマー(NIJレベルIII・IV)は、ライフル弾や徹甲弾の貫通を防ぐように設計されており、9mm徹甲弾も阻止できます。
- Qスチールコア弾は徹甲弾ですか?
- A
いいえ。多くの徹甲弾はスチールやタングステンの硬質芯を持ちますが、すべてのスチールコア弾が自動的に徹甲弾と分類されるわけではありません。
この理由は、コアの材質が完全に硬質金属か、設計や性能が装甲貫通を目的としているか、法的定義がどう定めているかで分類が変わるためです。
まとめ
「コップキラー弾」と徹甲弾の正体
映画「リーサル・ウェポン3」に登場する「コップキラー弾」は、現実の徹甲弾を誇張した演出です。この「コップキラー」という呼称は、1980年代にメディアがKTW弾を報道したことで広まりました。
徹甲弾とは
徹甲弾(アーマーピアシング弾、AP弾)は、ボディアーマーや車両装甲のような硬い目標を貫通するために特別に設計された弾薬です。弾頭の内部には、鉛よりも硬度と密度が高い鋼やタングステン、劣化ウランなどの芯材(コア)が備わっています。
9mm徹甲弾の威力
一般的に、徹甲弾はソフトアーマー(NIJレベルIIIAまで)を近距離で貫通する可能性があります。しかし、セラミックや鋼板でできたハードアーマー(NIJレベルIIIやIV)には止められます。これは、ハードアーマーがライフル弾のような高貫通力を持つ弾薬に耐えるように設計されているからです。
関連する法規制
アメリカでは、ハンドガン用の徹甲弾が連邦法で厳しく規制されており、民間人による製造、輸入、販売は禁止されています。
一方で、ライフルやショットガン用の徹甲弾は、連邦法では規制対象外となることが多いです。これは、ライフルやショットガンが主に狩猟やスポーツ用途で利用され、元来から高い貫通力を持っているためです。
ただし、州によっては独自の規制があるため、注意が必要です。