銃を購入して炎上した米CBSニュース

フロリダ州オーランドで発生した「乱射事件」から一週間が経とうとしています。

アメリカでは、「乱射事件後の恒例行事」のように銃規制論争が白熱しており、メディアでは様々な特集が組まれています。

そんな中、CBSニュースの女性ニュースキャスターであるポーラ・リードがガンショップに赴き、

「AR-15はこんなに簡単に買える!」

と、実際にガンショップでAR-15を購入しました。

この様子はガンショップの外から隠し撮りされ、店内での会話は録音されました。

ところが、これを放送した直後からネットは「ポーラ・リードを起訴しろ!」と大炎上。

何故なら、この行為は法律違反の疑いがあるのです。

しかも、もし違法なら重罪です。

 

 

 

ストロー・パーチェイスとは何か?

炎上の経緯の前に、法律の基礎知識に触れておきます。

物やサービスを売買する際に、購入の意思がある者が第三者を介して購入することをストローパーチェイス(Straw purchase)といいます。

例えば、犯罪者Aが銃を買いたいと思った際、犯罪歴があると犯罪歴照会(バックグラウンドチェック)時に不許可となり購入できないので、Bさんにお金を渡して代わりに購入してもらうと、それは違法なストローパーチェイスとなります。一般的な商品とは異なり、銃の売買でストローパーチェイスが行われると、記録上と実際の所有者が異なるため問題とされます。

ただし、身分を偽って購入するのは違法ですが、誰かに銃をプレゼントする場合は代理人が購入しても違法ではありません。

要点は、「実際の購入者は誰か?」を明確することです。

 

 

銃購入時の登録用紙への記入

Photo via atf.gov
Photo via atf.gov

銃を購入する際に記入する登録用紙(ATF FORM 4473)の項目「11a」には、「あなたは実際の購入者ですか?」という設問があります。

実際の購入者の場合はYESにチェックを入れ、そうでない場合はNOにチェックを入れます。

 

ケース1

銃が欲しいAさんが、Bさんにお金を渡し、Bさんが店で銃を購入しようとした。
この場合、Bさんは購入者ではないので、BさんはNOにチェックを入れます。

 

ケース2

Aさんがお金を出してBさんに銃をプレゼントした。Bさんは店から銃を受け取った。
この場合、Bさんが購入者となるため、BさんはYESにチェックを入れます。

 

ケース3

修理に出していたAさんの銃を、Bさんが受け取りにいった。
この場合、どちらにもチェックを入れず、次の設問に進みます。

 

 

彼女は身分を偽ったのか?

Photo via CBS North Carolina
Photo via CBS North Carolina

今回の炎上で問題視されているのは、身分を偽って銃を購入した可能性があることと、最初から第三者に転売する意思があった疑いがあることです。

番組プロデューサーが彼女にお金を渡し、彼女がプロデューサー(番組)のために店頭で銃を購入した場合、彼女は法律上の実際の購入者ではありません。よって上のチェック項目のNOにチェックを入れる必要があります。NOにチェックを入れると、原則として銃を購入できません。

ところが、実際には店頭で「自分用」として購入し、YESにチェックを入れた疑いがあります。

実際の登録用紙を確認したわけではないので「疑惑」の域を出ませんが、番組の内容から疑われても仕方がありません。

もし彼女が自分のお金で自分用に購入したのであれば合法です。

 

当のポーラ・リードは、ツイッターで「全て合法」と反論しています。

まさかAR-15を批判する側がAR-15のオーナーになってしまうとは・・・。

是非射撃を楽しんで欲しいところですが、CBS曰く、購入した銃は購入後数時間で第三者に転売したそうです。

最初から転売するつもりで購入した場合は、ストローパーチェイスを疑われてしまいます。

ちなみにATF(アルコールたばこ火器爆発物取締局)は「違法行為があったのかハッキリしない」「捜査中はノーコメント」とコメントしています。

 

Store Owner: Undercover CBS Purchase of AR-15 Broke Federal Law
http://freebeacon.com/issues/gun-store-contacts-atf-virginia-police-undercover-cbs-news-purchase-ar-15/

 

 

まとめ

今回の炎上騒ぎを見て思い出すのは、2012年のデイビット・グレゴリー(David Gregory)の事件です。

当時、NBCニュースのデイビット・グレゴリーが、ワシントンD.C.のテレビ局スタジオにAR-15の30連マガジンを持ち込み、「こんなにたくさんの弾が入るマガジンが売られている!」と、銃規制を訴えました。

しかし、ワシントンD.C.では装弾数10発を超えるハイキャパシティーマガジンの所持や売買は禁止されており、番組自体がマガジン不法所持の証拠となりました。

その後、警察の捜査が入り炎上しましたが、最終的に違法行為が確認されたものの、当人や番組スタッフは不起訴処分となりました。

 

また、2015年には銃規制推進団体「ステイツユナイテッド・プリベント・ガンバイオレンス」がYoutubeにアップロードした動画が問題となりました。

ニューヨークに偽のガンショップを開店し、入店した「客」に「当店では銃乱射事件に使用された銃を販売しています」「この銃で5歳の子供が死んだ」と説明し、驚いた客が「もう銃を持ちたいとは考えません」と改心するストーリーです。(私には何故改心するのか理解できませんが)

しかし、これも「銃器のアクセサリー類などの陳列方法がニューヨーク市の安全基準法に抵触する」「ニューヨーク市内でライセンスを持たない者が銃を扱うのは違法」などと指摘され、司法に捜査依頼されるなど違法性が疑われ炎上しました。

結果的に、この店主も客も全て役者であることがバレてしまい、却って説得力を失う結果となります。

 

アメリカのガンユーザーなら誰でも知っているような、基本的な法律すら知らないのは、銃規制推進派は戦略的にもお粗末と言わざるを得ません。

銃を持つ権利を主張する側と戦うのであれば、もっと銃について勉強し、より深い知識を得る必要があるでしょう。

 


 
 
 
 
 
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