マズルブレーキは反動利用式銃の作動に影響する?

映画の話なので実際とは異なるとは思いますが、「ランボー最後の戦場」終盤でジョン・ランボーが掃射する車載M2にはハーモニカ型のマズルブレーキが装着されていましたが、ショートリコイルの銃に後付けでマズルブレーキを装着した場合、その作用(リコイルの軽減)によって作動不良等は発生しないものなのでしょうか。

マズルブレーキの作用は弾丸が銃口を抜ける直前に発生するので、そのタイミングではアクセラレーターが十分な勢いでボルトを蹴り出している、ということなのでしょうか。

また逆に、バレットM82のようなマズルブレーキの装着を前提とした銃で、これを撤去した場合、部品の破損や耐久性の悪化が発生することがあるでしょうか。

現実世界でブローニングM2マシンガンにマズルブレーキを装着することがないため定かではありませんが、作動する可能性はマズルブレーキの条件次第と考えられます。

アクセラレーターがボルトを蹴るタイミングは銃身が後退しきる直前ですので、銃身後退を妨げようとするマズルブレーキはアクセラレーターにも影響します。

バレットM82の場合は、マズルブレーキを外した状態で射撃すると通常時より強力なリコイルによりパーツに負荷をかけ、破損の恐れがあります。

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ブローニングM2マシンガンの場合

ブローニングM2マシンガンはリコイル(反動)を利用したショートリコイル方式により作動します。

発射によって発生したリコイルが銃身とボルトを後退させ、後退によって排莢と装填を行う機構です。

この構造でマズルブレーキを装着すると、銃身が後退する力を抑制するため、通常より後退速度が遅くなり、作動不良や速射性(回転)低下などのリスクが考えられます。

ですが、M2はサプレッサーを装着しても作動し、前方へ放出されるガス圧が通常より低くても銃身やボルトが後退しサイクル可能です。

いずれにせよ現実世界ではM2にマズルブレーキを装着するのは無意味どころかデメリットしかありませんから、実際の作動は想像するしかなく、作動不良の可能性も排除できません。

作動に必要なリコイルエナジーは計算によって導き出すことが可能ですが、今回の場合は必要な情報が不足しているため正確な計算が出来ません。

・・・ここから少し余談ですが、無理やり大雑把なリコイルエナジーを推測してみました。

詳しい計算方法は後日解説しますが、計算に必要な銃の質量(今回の場合はマズルブレーキ、銃身、ボルト、スプリングなど)が不明なため、仮にM2の銃身重量24ポンド(約10.9kg)の2倍の48ポンドとし、弾頭重量700gr、初速2,800fps、装薬重量115gr(マズルブレーキによるガス圧の相殺分として装薬量1/2)と仮定しました。

この条件ではリコイルエナジーが42.46 ft-lbfとなり、これではまともに作動しないと考えられますが、一方でリコイルエナジーの65%以上が確保できれば回転しそうなので、一般的なライフル弾の弾の移動によるリコイルが25%、マズルブラストによるリコイルが75%とすると、マズルブレーキによるリコイル相殺分が35%未満なら作動するかもしれない・・・などと勝手に推測しました。

適当な計算なので前提条件を含めて間違っている可能性大ですが、マズルブレーキ搭載M2の作動の可能性は、マズルブレーキの重量や性能次第という印象があります。

バレットM82A1ライフルの場合

バレットM82もリコイルを利用したショートリコイル方式のライフルです。

発射時のリコイルによって銃身が後退すると、閉鎖状態にあるボルトが開放されて排莢と装填を行います。

M82のリコイル軽減は、マズルブレーキ、銃身を前進させているバレルスプリング(引きバネ)、ストック内のメインスプリングの三つによって効果が得られています。

※マズルブレーキの代わりにサプレッサーを装着してもリコイル軽減効果が得られます。

Photo via barrett.net

M82を分解してアッパーレシーバーを裏返すと上図のようになります。

銃身を前進させているバレルスプリングには、U字型のバレルキー(図1)が接続されています。

バレルキーは図2の位置で銃身に固定され、銃身後退時に同時に後退します。

Photo via barrett.net

アッパーレシーバーにはバレルストップ(BARREL STOP)が固定されており、その前方にはゴム製パイプのインパクトバンパー(IMPACT BUMPER)が銃身に通されています。

発射後に銃身が後退すると、インパクトバンパーがバレルストップとバレルキーの間に挟まれることで衝撃を吸収します。

もしマズルブレーキが無ければ銃身後退速度が上昇し、インパクトバンパーとバレルストップに大きな負荷が掛かります。

オーナーズマニュアルには「マズルブレーキを外して撃つな」と記載されていますが、その理由に強烈なリコイルによる銃と搭載アクセサリー類の破損、及び射手の怪我のリスクを挙げています。

M82はマズルブレーキを装着した状態での射撃を想定し設計されているため、マズルブレーキ無しでの射撃は避けた方が無難です。


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