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近距離で撃つと焦げ跡が残る?

銃の画像
マズルフラッシュ(発射炎) Photo via vuurwapenblog.com

ご質問を頂きました。

以前、ドラマなどで聞きかじった知識で、「近距離から銃弾を受けると焦げ痕が残る」というような話を聞きました。

この焦げ痕というのは、どのくらいの範囲から撃たれると残ってしまうものなのでしょうか。

銃口から放出されるガスの量によりますが、銃口と皮膚の間が数センチ程度であれば焦げ痕が残ります。

発砲による焦げ痕

銃口から出る高温のガスは、一瞬ですが2000度に達します。

tattooing

皮膚や衣服までの距離が数センチと短ければ、通常は図のような焦げ痕が残ります。

直接皮膚に押し付けて撃った場合では、この焦げ痕が銃口サイズ並みに小さくなり、穴の部分にのみ焦げ痕が残りやすくなります。

もし、直接押し付けたが銃口がターゲットに対して垂直でなかった場合、焦げ痕は楕円形になり、ガスの漏れる方向へカーボンが付着します。

付着したカーボン

至近距離で撃たれた皮膚や衣服には、黒く焦げたような痕が残ります。

一見すると焦げているように見えますが、実際に焦げる範囲は狭く、殆どはカーボンの付着により黒く見えるものです。

その他、弾頭の削りカスやプライマー(雷管)から出た金属成分が含まれます。

カーボンが付着する距離は銃身の長さやパウダー(装薬)の種類により異なりますが、ハンドガンであればターゲットまでの距離は20~30cm以下が殆どです。

銃の画像

パウダーの形状がフレークパウダーの場合はターゲットまでの距離が概ね30cm以下、ボールパウダーの場合は20~25cm以下となります。

銃身の長さによる影響では、フレークパウダーの.38sp弾を使用したリボルバーの場合、銃身の長さが6インチでは概ね30cm以下、4インチでは25cm以下、2インチでは20cm以下となります。

銃身が長いほどカーボンの到達距離が長く、同時に、カーボンの付着範囲が狭くなる傾向があります。

ただし、皮膚に対して強く押し付けて撃ったとき、ガスは体内へ向かうため、皮膚上にカーボンやパウダー・タトゥーイングは殆ど確認できません。

この場合、弾頭が進入した穴と焦げ痕だけが残ります。

パウダー・タトゥーイングとは?

銃を撃つと一部の未燃焼パウダーが燃焼ガスと共に放出されます。

これが皮膚に当たると無数の小さな窪みと赤い痕が残ります。

これを「パウダー・タトゥーイング」と呼びます。

弾の発射と同時にパウダーの残りカスは放射状に広がっていきます。

このことから、皮膚に残ったパウダー・タトゥーイングから発射された距離やパウダーの種類が分かります。

フレークパウダーでは粒の粗い痕が残り、ボールパウダーでは散弾のような痕が残ります。

ブラックパウダー(黒色火薬)の場合は燃え残りが大きいため、皮膚を貫通して内部まで残る傾向があります。

また、遺体に残ったパウダー・タトゥーイングの色から、撃たれた時期が死亡した前か後かが分かります。

撃たれる前に既に死亡していた場合、パウダー・タトゥーイングの色はグレーや黄色っぽくなりますが、生存時に撃たれて残ったパウダー・タトゥーイングは赤みを帯びます。

殆どの皮膚に表れるパウダー・タトゥーイングですが、手のひらと足の裏は皮膚が強い為、他の部分と同様の痕が残りにくい傾向があります。

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